2度の恋
璃々花
始まりと終わり
高校1年生の時に好きだった。
入学して、友達も誰もいない私がキョロキョロとしていると、笑顔が可愛い男子を見つけた。
『喋ってみたいなぁ』
そう思うだけで、何も行動は出来なかった。
徐々に私にも友達が増えていき、どうにか、彼と繋がれる手段はないか、考えていたところ、、、
彼と同じ部活に入っている友達から、メアドを教えてもらうことになった。
「ほんと、優しい男子やけん、安心して、メールしてみなよ」
と友達は言う。
恐る恐る、メールをした。
案の定、優しい男子だった。
ただメールをするだけで、学校では喋らず。他愛もないメールを続けたが、自然消滅というのか、、、学年が上がるとともに、メールも終わり、クラスも別々になり、私は気持ちを伝えないまま、その恋を勝手に終わらせた。
高校卒業し、大学進学、社会人となり、彼のことを忘れるほどの恋をしてきた。
しかし、ある男性との交際が終わり、私はマッチングアプリを始めてみたのだ。
アプリで男性を見ていた。
あの高校1年の恋から10年。
居た。
顔を見るだけで分かる。
あの頃恋していた彼のことが。
『いいね』をもらったため、『いいね』返しをした。
そこからアプリでのメッセージのやり取り。相変わらず優しい。
私は言ってしまった。
「高校同じじゃないかな?」
彼はメッセージ内で焦っていたが、私のことを認識すると、すぐに思い出話を始めてきた。
私は思い出は要らない。
これから、がほしい。
LINEでのやり取りに変えて、遊ぶ約束をした。
久々に会う彼は、男子から男性へと変わっていたが、笑顔は変わらない。でも、考え方が大人で、尊敬できる存在になった。
何度か会ううちに、私たちは男女の仲になった。ハグをして、キスをして、セックスをして。
私は好きになってしまった。
今の彼を。
「あのさ、付き合うとか、そういうの考えてる?」
私は聞いた。
「今は仕事が忙しくて、そこまで考えられない」
じゃあ、男女の仲はなんだったの?
私はその言葉で冷めてしまった。
2度目の恋が終わった。
2度の恋 璃々花 @riri0404
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます