第67話『No Music, No Myself』

 

 ――数日前。


 文化祭まで残りわずか。

 部室でみんなとライブに向けた練習を重ねていた時だった。

 

「いい感じだね」


 カナが汗を軽く拭いながら言った。

 彼女の言う通り、今回の練習は全員がミスなく最後まで演奏をこなした。

 

 俺もギターのコードを完璧に抑えられたし、アキのベースも安定していた。

 ユリのドラムも曲全体を引き締め、カナの歌声は伸びやかに響いていた。


 これなら本番でも堂々と披露できる――そう自信を持てる仕上がりだった。

 

 文化祭では実際に3曲演奏をする予定である。


 1曲目はカナがボーカルで、1学期の頃の話し合いで決まったドラマのタイアップにも使われている有名な曲。

 続く2曲目は俺がボーカルへとチェンジし、男の声のキーに改良したこれも有名な曲のコピー。

 そして3曲目は再度カナに戻り、これも学生バンドがよく使うコピー曲だった。


「うーん……」


 ユリが腕を組み、深く考え込んでいる様子に俺は何かが起こる予感を感じ取った。


 彼女がこういう顔をするときは大抵、何か突拍子もないことを言い出すのがパターンなんだよな……。


 思わずカナと目を合わせると、カナも『なんだろうね?』といった顔をしていて首を傾げている。

 アキは既にいつもの如くお菓子をぽりぽりと食べ始めている。


 そして、次の瞬間だった。


「……オリジナル曲をやろう!」


 その言葉が発せられた瞬間、俺は一瞬、耳を疑った。


 え、オリジナル曲?

 このタイミングで?

 

 聞き間違いだよな……聞き間違いであってくれ、と内心で思いながら確認するように口を開いた。


「……オリジナル曲?」

「うん!」


 ユリは腕を組んだまま、まるで当然のように頷いた。

 彼女の表情は、いつものように大輪の花が咲いているような満面の笑みだった。


 ――聞き間違いではなかった。

 絶望の心境が胸の中に広がっていく。


「……」

「ぽりぽり」


 再びカナを見る。カナは困ったように微笑み、隣のアキはそのまま無関心にお菓子を食べ続けている。

 袋の中へと手が伸び、口に放り込まれたお菓子がぽりぽりと音を立てるのがやけに響く。


 え、もしかして俺が突っ込まないといけないの?

 縋るような目をして二人を見つめるが、彼女らに変化はない。


 ……マジかよ。


「ユリ先輩、ちょっとお尋ねしたいんですけど」

「こら、先輩呼びと敬語は無しって言っただろ!」


 勢いよくユリが突っ込んでくるが、今はそんなことを気にしている場合じゃない。

 俺は冷静に言葉を続ける。


「……本番まであと何日だと思います?」

「三日!」


 凄く気持ちの良い返事だった。

 俺が父親でユリが娘だったら『ユリちゃんは良い子だねぇ~』と頭を撫でていたところだ。

 

「んで、オリジナル曲をやると?」

「うん!」


 ……マジかよ。

 二度目の感想である。


 俺は『女性に優しく』を座右の銘として今まで生きてきた男なんですけど。

 さすがにこれは怒っていい?


「オリジナル曲の用意と練習時間をどうやって確保するつもりで?」


 オリジナル曲。

 それ自体はとても魅力的な提案だ。


 オリジナル曲というのはそのバンドの特色が表れるもの、プロを目指すのであれば避けては通れないものだ。

 正直黒崎さんへのアピールとして、3曲ともコピー曲なのは弱いかもしれないと思っていたところもあるからユリの提案はもってこいなんだけど……。

 

 現実問題として、時間が足りない、曲をどうやって用意するのかという問題が目の前に立ちふさがっている。

 

「曲なら大丈夫! 前にカナが聴かせてくれたアレを使おう!」


 突然話を振られたカナはポカンとした表情を浮かべる。

 彼女は何かに思い当たったようで『あぁ』とポンと手を叩いた。

 

「もしかして……あの曲?」

「うん、今のカナなら絶対に上手く歌えるはず!」

「ぽりぽり……たしかに今ならイケるかもね」


 お菓子を食べていたアキも同意する。

 そこまで二人が自信をもつとは……一体どんな曲なんだろ?


 しかし、一方の作曲者であるカナは……顔を伏せて首を静かに横に振った。


「……あの曲はうまく気持ちが歌詞に乗せられなかったし……無理だよ」


 カナの声は小さく、どこか自信を失った響きを持っていた。その想いが表現しきれなかったことへの失望がにじんでいる。


 だがユリは、そんな彼女の不安を全く気にすることなく力強く言う。

 

「今のアタシたちは目の前にプロデビューっていうチャンスがある、それにアタシたちはケイのおかげで今までみたいに夢が叶うかわからない状態で闇雲に活動してた頃じゃない、あの時とはカナも気持ちが違うはずだよ!」


 ユリの言葉に、カナは一瞬だけ戸惑ったような表情を浮かべていた。自分たちの成長を、ユリがこうも自信を持って語る姿に驚いているようでもあった。

 だけど、その視線が俺に向けられた瞬間、少しだけその瞳に揺らぎが消えたような気がした。

 

「うん、今のカナなら大丈夫」


 アキも、そんなカナを励ますように続ける。静かながらも確かな信頼の持ったアキの目がカナの姿を捉えた。

 

「……うん、わかった」


 カナは二人の想いに納得したように頷いて、すぅと深呼吸をして俺の方を見た。


「ケイ、聴いてくれる? この曲を……」









「……いける、絶対にいけるよ。この歌をみんなに届けよう!」


 カナの作った歌を聴いた瞬間、俺の心は激しく揺さぶられた。

 彼女の声、メロディ、歌詞――全てが、今までに聴いたことのないほどの強い想いを持っていた。

 心の奥深くまで響き渡るような感覚が胸を打ち、その瞬間、確信した。


 これならいける。この曲は絶対にみんなの心に届くはずだと。


 今でも、俺の心は震えている。

 曲が終わっても、耳の奥にはカナの歌声が残り体の中でその余韻が消えることはない。


 そして何よりも……。


「俺、この曲をやりたい、この歌を弾かせてほしい!」


 自分でも驚くほど言葉が自然に口をついて出た。

 これはただの演奏じゃない、俺たち全員で、この曲に命を吹き込むんだ!


 正直突然ユリがオリジナル曲をやりたいって言いだした時は『何言ってんだこの人』と正気を疑った。

 残り三日しかない、そんな無茶な話があるかと思ったけど、今の俺はそんなことを全く考えられなくなっていた。


 むしろ、この曲を絶対に演奏したい……そんな気持ちへ変わっていた。


「あと三日……いけるかな?」

「いけるかじゃない、やるよ!」


 ユリが真っ先に力強く応える。彼女らしくその言葉には、一切の迷いがない。

 

 お菓子をぽりぽり食べていたアキも手を止め真剣な表情で頷いた。

 そして俺も気持ちは同じだった。


「今からこの曲を完成させて、それから練習する……。他2曲の練習も並行しなきゃいけないし、ケイは執事喫茶の準備だってある……それでもみんなやれる?」

「もちろん!」

「まかせて」


 ユリとアキが、間髪を入れずに返事を返す。

 そしてカナが首を少し動かし、俺の方を見つめる。

 彼女の瞳には迷いが消えて、決意の光が宿っていた。


「やろう、絶対にこれを作って黒崎さんに認めてもらうんだ!」


 俺は力強く、そして気持ちを込めてカナに向かって言った。

 彼女がこの曲に込めた想いを、俺たちが一丸となって形にする。


 その未来が、今の俺たちには確実に見えている。


「……わかった。やろう。みんなで完成させよう」

『おー!』


 全員が揃って声を上げ、自然と笑顔が広がる。

 俺たちはこれからどんな困難が待ち受けていようと、必ず乗り越えられるという確信があった。


 この瞬間、俺たちアフタヌーンパーティはさらに強くなった気がしたのだった。




 ――


 「えーと、さっきのアレはなにかな?」


 マイクをスタンドへ戻し、一旦ステージ脇に戻って再びギターを構え所定の位置へと戻る。


 今は俺が歌唱した2曲目が終わり、MCへと時間を移している段階だ。

 再びステージ中央に戻ったカナが、額に青筋を浮かべていた。


 さっきのアレとは2曲目のラスサビでカナの肩に腕を回した事だろう。


「いや、リーダーが面白いことやれって合図送ってきたから」


 俺はマイクを通し彼女に返答する。もちろん大嘘である。


 ユリは完全にニヤニヤと見守っていたが、俺の予想外の回答に椅子から転げ落ちてた。

 観客たちからドッと笑いが湧く。


「だからさ、さっきの――」


 俺はそこで声を止め、スタスタとカナに近づく。

 カナは何かを察したように顔を引き攣らせ、観客からは『キャーッ!』といった歓声もあがる。


「これ、やったんだよね」

「……もうっ!」


 大サビの時と同じようにカナの肩へと腕を回した。

 腕を回すと同時に、観客が歓声をあげ、アキがベースを鳴らし、ユリがドラムを叩いた。わかってるねぇ。

 

 今度はカナも予期していた行動の為か、さっきのような動揺は見せず顔だけ赤らめている。


「……あとでバンド会議だからね」

「えぇっ!?」

「これは解散の危機」

「あっはっは!」


 俺たちのいつものようなやり取りに会場が再び笑いに包まれる。

 中からは『解散しないでー!』『役得でしょ奏ー!』といった冷やかしの声もあがった。


「まったくもうっ、それじゃあ最後の曲いくよ」


 カナの台詞と共に俺たちも楽器を構える。


「今度の曲は私たちのオリジナル曲。私の――いや、私たちアフタヌーンパーティの魂を込めた最高の曲だから心して聴いてね」


 オリジナル曲、その響きに観客たちの歓声が響き渡る。

 これからどんな曲が披露されるのか、その期待が会場の熱気を通してドンドンと伝わっていった。


「それでは聴いてください――『No Music, No Myself』」


 アキがベースを静かに鳴らし始める。低く、優しく、まるでこの曲がゆっくりと呼吸し始めたかのように。その音が、会場全体にじわじわと広がっていく。

 そしてユリのドラムがそれに合わせるようにリズムを刻み始める。穏やかなテンポの中に、少しずつ感情の波が込められているのがわかる。


 俺はその音に寄り添うように、ギターの弦を軽くつま弾きながら、ステージの空気を感じ取っていた。


 今までの曲とは違う、静かで感情の篭ったイントロが始まる。

 

 ここまでの熱狂がまるで嘘のように、会場全体が息を飲んだ。メロディが観客にじわじわと染み込んでいくのが分かる。


 そしてカナが目を閉じ、静かに最初の一言を口にする。


「音が止まれば、私はここにいない」


 ――その声は、これまでの彼女の歌とは違っていた。

 

 1曲目はどちらかというと力強く、エネルギーに満ちた歌声だったが、この瞬間のカナの声には、どこか切なさと静けさが混じり合っていた。

 そのフレーズひとつひとつがまるで空気を揺らすように、観客の心にじんわりと染み込んでいく。


 観客たちは誰一人として目を逸らさない。

 カナが紡ぐ言葉に、全員が引き込まれている。

 彼女の声には、心の奥底にある気持ちが込められているのがステージ上にいる俺にも痛いほど伝わってくる。


「誰も見ていない、気づかれないまま」


 カナの声はさらに深く、観客の心に届いていく。

 俺たちがここまで積み上げてきた全てが、この瞬間に凝縮されているかのようだった。

 

 俺はその声に耳を傾けながら、同時に自分の手元に集中する。

 ギターの奏でるメロディが、カナの歌声と絡み合い、ひとつの物語を紡いでいく。


 そして、次第に曲が高まりを見せ始める。


「でも音楽があれば、私を見つけられる」


 その一言が放たれると、会場全体が震えたように感じられた。

 観客たちはその言葉に共感しているのだろうか、それとも心の中で何かが揺れ動いているのだろうか。


 確かに今この瞬間、カナの歌が会場――いや、中継を通して見ている全ての人々の心に届いていることは確信できた。


 観客の視線がカナへ釘付けになっている。

 誰も声を発さず、息を潜めたように、彼女の次のフレーズを待っている。


 俺の心臓も高鳴り、指先に緊張が走るが、それ以上にこの瞬間を楽しんでいる自分自身がいた。


 そして、ついにサビが始まる。

 


「No Music, No Myself―― 音が消えたら、私も消えてしまう!」


 サビへ入り、会場の空気が再び変わる。

 カナの声が一層強くなり、その言葉がまるで観客一人一人の心に直接届いているようだった。

 歌詞に込められた想い――『私にはこれしかない』というカナの気持ちが全ての観客に伝わっていき、中には静かに涙を流している人も現れてきた。


「この声、この歌が私の全て  音楽だけが私の存在!」


 カナの声が天井まで突き抜ける。感情がひとつずつフレーズに乗り、その熱量は言葉だけでは表せないほどの強さを持っている。


 観客たちは息をするのを忘れたかのように、ただカナの声に飲み込まれている。


 俺もギターを弾きながら、その声に心を震わせていた。

 この瞬間、俺たちはカナを通じて観客と繋がっている。

 彼女が表現する『音楽が全て』という想いが俺たちの演奏に乗り、観客全体に広がっていくのを感じていた。


 サビが終わり、静かに2番に入る。


 カナの声は、少し落ち着きを取り戻しながらも、引き続き観客の心を掴んで離さない。


「世界は賑やか、でも私は聞こえない  音楽だけが、私を導いてくれる」


 2番の歌詞は1番とは異なり、さらに内面を深く掘り下げた言葉が続く。

 だが、それを大袈裟に強調することなく、カナは自然な流れで歌い続ける。

 観客も、彼女の表現する孤独感や、自分を見つけてもらえない苦悩を感じ取っているようだった。


「何も無ければ、私はここにいない  だからこの音を手放さない」


 観客たちは、静かに聞き入っている。まるで時が止まったかのように穏やかで、しかしどこか張り詰めた緊張感が漂っていた。


「No Music, No Myself―― 響け、私の全てを!」


 カナは再び声に力を込め、観客に向けてその想いを放つ。


 その声は、ますます高まる感情の波に押し流されるように会場全体に広がっていく。

 先程より涙を流す者も増えた。彼女たちはカナの言葉が、自分たち自身の心に響いていることを感じ取っているんだ。


 そしてサビが終わると俺のギターソロの番が訪れた。深呼吸をひとつして、一歩前に出る。

 今までの静けさと感情の爆発の中で、この瞬間に全てをぶつける覚悟を持った。


 エフェクターを踏み込み指を弦に滑らせ、一音一音が歪みを持って観客の耳に届く。

 静かな曲調から一転、ギターの力強い歪み音が会場全体を包み込む。

 

 旋律が会場に響き渡り、観客たちの視線が一斉に俺へと向けられているのがわかる。


 だが、その視線を感じながらも、俺の心は別の場所にあった。ギターソロに集中する中で、自然と頭の中に浮かんでくるのは、この曲を作り上げてた日々のことだった。

 

 この曲を最初に提案された時のことが、まるで昨日のことのように思い出される。

 残り三日でオリジナル曲を作る――そんな無茶な話から始まった。


 それでも、ユリが言い出し、カナがそれに応えた瞬間、俺はこのメンバーならやれるかもしれないと思った。いや、やらなければならないと思った。


 アキがいつも通りお菓子を食べながらも、実は心の中で強い決意を持っていたことに、俺は気づいていた。

 彼女は一見のんびりしているようで、実は誰よりもこのバンドの音を支えてくれていた。彼女のベースがなければ、この曲は完成しなかった。


 ユリの勢いには何度も救われた。彼女がいなければ、リーダーでなければ俺たちはここまで来られなかっただろう。

 彼女は、いつも俺たちの背中を押してくれる存在だ。ユリの言葉や行動が、この曲を最後まで完成させる力になった。


 カナは最初、歌詞に想いが乗らないと言ってこの曲を諦めてしまっていた。

 それでも、ユリの言葉に背中を押されて、この曲にもう一度向き合ってくれた。


 カナが歌詞に込めた想いは、誰よりも強い。彼女はこの曲に自分の全てを懸けている。その姿を見て、俺も本気で応えようと思ったんだ。


 そして、俺自身も……このギターソロには俺の全てが込められている。


 カナが作り上げたメロディに、自分の感情がどれだけ重ねられるか。それを常に考えていた。

 何度も何度も……ギターを弾きながら自分に問いかけた。


 ――この曲がみんなに伝わるのか。

 ――この音が俺たち全員の想いを届けられるのか。


 指が弦をかき鳴らすたびにこれまでの奮闘が蘇る。

 曲を完成させるために、何度もミスを重ね、全員が諦めかける瞬間もあった。それでも、諦めずに続けてきた。


 

 ギターソロがクライマックスへと突入し、指先に込めた全ての想いが一気に放たれる。

 観客たちはその音に息を呑み、全身で受け止めているのがわかる。音の波ひとつに溶け合い、観客を飲み込んでいく。


 そして、カナが静かに息を吸い、再びマイクに口を近づける。その瞬間、俺たちの演奏が一瞬だけ静かになり、会場全体がカナの声に集中する。


「No music, no myself――響け、私の全てを!」


 カナの声が再び響き渡る。その声には、今までのどの部分よりも力強く、そして切実な想いが込められている。

 

「輝け 私の全て」


 観客たちは、彼女の歌声に完全に引き込まれていた。

 誰もがそのフレーズひとつずつを真剣に聞き、心に刻み込んでいる。

 カナの歌詞が、みんなのの心に響き深く刺さっているのがわかる。

 

「この声、この歌が私の全て  音楽だけが私の存在!」


 カナがサビを高らかに歌い上げる。すべての観客が彼女の声へ完全に飲み込まれていた。

 彼女の歌声が、全てを超越して会場全体を包み込んでいる。


「世界よ、わたしを受け入れて!」


 カナの最後の言葉が放たれ、演奏が終わった瞬間、会場全体が一瞬静寂に包まれた。

 まるで、時が止まったかのような静けさが会場全体に広がる。


 そして、その静寂を破るように、観客から一斉に拍手と歓声が沸き起こる。スタンディングオベーションだ。

 全員が立ち上がり、手を叩き、歓声を上げている。涙を流す人もいれば、拳を振り上げている人もいる。


 会場の全員が、この瞬間を共有しているのがわかった。


 カナは息を切らしながら、少し震えた笑顔を浮かべた。

 その笑顔が、どれだけ彼女がこの瞬間に全てを懸けていたかを物語っている。


 俺はカナの方へ歩み寄り、ぽん、と肩に手を置いた。


 ――俺たちはやり遂げた。全てが、この瞬間に報われた。


 アキとユリも、同じように笑顔でカナへ歩み寄り、全員がステージ中央に集まった。

 

 観客の拍手と歓声は鳴り止むことなく、続いている。

 俺たちは深く一礼をして、感謝の気持ちを込めた。


 今、このステージで演奏できたこと、そしてこの曲を届けられたことに、心から感謝していた。


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