　昨年の１２月、とある大きな総合病院で、母と一緒に、主治医の先生にこう言われた。

「未来（みらい）さんのここ（お腹）に白い影が映っています」

「えっ？　影ですか……？」

　母と私は、そのCT画像とMRI画像を先生に見せられて、愕然（がくぜん）とした。

　モニターには、確かに白い影みたいなものが。

　先生は、それを３D画像でマウスを起用に動かしながら、色々な角度から、私たちに見せてくれる。

「これを取り除かないといけません」

　先生がそう言うと、私の頭の中は、あの時と同じように、ただ真っ白になった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい