「はっ スラトは無事か!?」

 「ベルクが守ってくれたから、無事だベルクこそ、大丈夫か」


 二人は互いの怪我(けが)を心配し、立ち上がろうとするベルクは、少し苦しい顔を見せる。


「ベルク足、大丈夫か?」

 「大丈夫だ、少し怪我をしただけだ」


 それを見たスラトは、呆れた様子でこちらを見る。


「ベルクは強いけど、怪我した状態では本来の力も出せないから、休止しないか?」


 スラトのその案に、ベルクは不満そうにするも、何も言わず目をつぶったベルクが話しかける。


「スラトが俺をここまで移動したのか?大変でなかったか?」

 「そうだよ、大変だったけど、ベルクが無事で良かった」

 「スラト悪かったな、そしてありがとう」


 ベルクは感謝の気持ちを述べ

、スラトは嬉そうに笑ってみせる。そして夜が明け、二人は訓練をしている。


「スラト、もっと本気で来い」

 「ならこれならどうだ、水剣 」


 数本の小刀だけが、自動的に反射する。


「上達はした、がまだ武器にはなってないか」


 水剣を容易く避け、スラトへ近付くベルクに、必殺技を放つ。


「水加速 水涙切」


 スラトの刃から、氷水(ひょうすい)の斬撃がベルクに襲いかかる。


「天真翔雷(てんましょうらい)」


 天から剣に、雷が落雷の衝撃で軽く地面が揺れる。スラトは突然、ベルクへ質問する。


「なぁベルク、俺弱いのかな?」


 急に不安になる、スラトにベルクは、こちらを見て、笑いかける。


「スラトは強い。いじめられていた、あの頃なんて、もう比べものにならないくらい、強くなっただから誇れ」


 ベルクはスラトに笑いかけると、スラトも笑いかけ質問する。


「スラト、どうしてあんな質問したんだ」

 「俺の必殺技、リーシャには、手も足も出なかったから、凹むんだわ」


 それを聞いたベルクは、驚きよりも、楽しそうな顔を浮かべる。


「スラト、今からリーシャという少女と会いに行き、戦うぞ」


 ベルクはスラトの腕を引っ張り、強引に力強く山を登り、頂上の前まで着く。


「もし勝てない思ったら、合図送るからその時は、逃げてくれ」


 頭を下げるベルクに対し、スラトはベルクの手を繋ぎ頷いた。二人は頂上にいるリーシャの目の前に出る。


「リーシャ今度こそ、真剣勝負して貰おうか」


 リーシャは目の前にきた、二人を見て、答える。


「わかりました。その前に自己紹介を希望します」

 「前にも教えたが、スラトだよろしく頼む。隣にいるのが、ベルクだ」


「俺の名前はベルク・ヴァルリットだ名前を聞かせて貰おうか」

 「私はリーシャ・ベルクルスです宜しくお願いします」


 その名前を聞いたベルクは驚く。


「ベルクの名を持つものとはな、でわ戦いを始めようか」

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