3 動いた俺の心

「和哉は、別室登校を知らないか?」

「はい。」

俺は正直に答えた。

「えっと…別室登校って言うのは、教室に行けなくなった子たちが集まって勉強したりしゃべったりすることみたいな感じかな。別室登校用の部屋があって、クラスメートと合わなくてもいいんだ。どうだ一度行ってみないか?」


先生の言葉に俺はすごくドキドキした。

ずっと一人で寂しいと思っていたから、みんなでできることは嬉しかった。

でもやっぱり怖かったので、

「あの、質問してもいいですか?」

先生は、

「いいぞ。何が聞きたいんだ?」


そう言ってくれて安心した俺は、

「俺、結構人見知りで、仲良くなれないかもしれなくて、不安なんですけど大丈夫ですか?」

俺の質問に先生は

「別室登校は当然人数も少ない。だから、別室登校の子たちは一人一人が大切な仲間なんだ。きっとみんなと仲良くなれるさ。」

そう優しく答えてくれた。


この言葉に俺は、全身が震えるような感覚がした。

この場所なら俺は、みんなの輪に入れる。ここならきっと楽しく学校生活が送れる。「俺、行ってみたいです!」

気づいたときには、そう叫んでいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る