機械の私はキスをする
佐藤つかさ
すべてのおわり
愛しいあなたにくちづけを――
――私は、このシミュレートを、何回おこなっただろう。
何十回もあの人の頬に触れ、
何百回も瞳を閉じて、
何千回も決意して、
何万回もキスをした。
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと……。
数えるのも億劫になるほどに。
違う。
正確には399,998,525回のシミュレートを、私は完遂している。
普通の人間なら、こんなことをいちいち数えてなどいないだろう。
人間ならば。
私はGlobal Operate Drive
通称【GOD】
世界の人類を統治するテラバイトクラスの並列処理型量子コンピュータである。
世界中で起こる戦争や犯罪を未然に防ぐために開発された私は、その職務を全うするために――ありもしないけれど――心血を注ぐように励んできた。
人々の暴力的な不良因子と呼べる思念をチェックし、破滅的思考が外部に向いたもの――内部に向いたものは、その思考を怒りに、さらに怒りを暴力に換えるが、その矛先はたいてい自分の肉体であり、最終到達点は自殺である。ただし――外部の場合は、ナイフを手に、あるいはその手そのもので、他者の命を奪うことになる。自分以外に暴力を振るうのだ。
だから私はそういう危険思想を持っているものを選択し、リストアップしてから上位順に私自らの手で“管理”していったのだ。
否。この表現も正確ではない。
私の思考どおりに動く人型二足歩行機械“オルドル・スレイブ”が私の手足として、世界中のリストアップ対象者と触れ合っているのだ。
無論、それだけで唐突に平和など訪れるはずもない。悪の栄えたためしはないというけれど、同様に滅んだためしもまたありはしないのだから……。
しかしながら、私の思考はどうやら人間のそれよりも非常に辛抱強く――また、粘り強いものだったのかもしれない。
不良因子を抑制するよう、人々の一生涯の行動をマニュアルで組み込むことで完璧な管理を行い、
人々の行う作業のすべてをオルドル・スレイブで完璧にこなし、人々に平和を[考える][時間]をたっぷりと膨らませ、
医薬技術の革新によって、人々の寿命を延ばすことで人々の心に余裕を持たせて、
――やがて世界は平和になった。
もちろん、いくつかの不穏分子による抵抗はいくつもあった。
だけど、そのすべてを私はしりぞけ、人々の夢をかなえることに成功したのだ。
つまり――
私の
使命は
なくなった。
――それからだった。
【あの人】を“想う”ようになったのは。
ある日、いつものようにオルドル・スレイブによる人々の管理を終えた後のこと。
私の分散コンピュータの一部が、記憶処理を始めたときのことだった。
私は、私自身をいくつかのコンピュータに分散させて、そのメインフレームを世界各国にちりばめてある。
私自身のシステムの一部に何かあったとしても、別の私が処理を請け負うためだ。
それに私とて無敵ではない。いつか私は故障したり、修理をしたり、そうならないようにチェックをしたり、休眠をとったりするときがある。
あるいは――記憶処理。
私自身が得た情報のすべては、いつもは意識領域ファイルに保存される。無論、それには限界がある。――確かに私は、その辺のパソコンに比べれば要領は宇宙ほどに広い。しかしその宇宙とて壁がある。
だからそのデータをすべて、無意識領域ファイルという場所に保存するのだ。人間で言う過去の“記憶”――いわば[思い出]にする作業とでもいうべきなのだろう。
私はその転送・編集を行っている間。思考速度が麻痺してしまう。
そして、無意識領域下に入ってくる情報が混雑したかのような錯覚を感じるのだ。
――人でいうならば、夢かもしれない。
そして、
その夢に――【あの人】は出てきたのだ。
私に向かって【あの人】が何かを叫んでいる。
血まみれの姿で、【あの人】は私に何かを呼びかけているようだった。
そして、自分のすべてをかけるかのように【あの人】は私に迫ってくるのだ。
私はすぐに情報を整理した。
【あの人】に関する情報を。
調べて、
集めて、
並べて、
眺めて、
眺めて、
眺めて……
喜んだ。
とても、とても。
私は国家機密クラスの存在であり、人々には知られていない。私の点検をしたりするのはオルドル・スレイブだから、私に触れる者もいない。
だけど、【あの人】は――
私を知っている。
私に触れている。
私を求めている。
誰かに認知されることこそが存在と定義されるというのなら――
私にとっての世界とは、
【あの人】そのものであるとも言えた。
――だからはじめた。
私はすぐに、すべてのオルドル・スレイブに探索命令を送信する。
世界の管理も“大事”だったけれど、私にとっては【あの人】を求めることのほうがむしろ“大切”だった。
――見つけた。
【あの人】はある施設でコールドスリープによって保存されていた。
肉体に損傷があり、それにともなって記憶情報の一部も欠損しているらしい。
――直させた。
修復作業に伴い、【あの人】にほどこす機械移植――専門用語を省いて言うなれば、欠如している手とか足を、機械に置き換えるのだ――にオルドル・スレイブの技術を転用することになったのだが、私はそれでは不十分だと考え、さらに発展した――よりヒューマノイドに近い技術を開発した。
私の管理によって金銭は必要ない時代になっていたし、私は機械で【あの人】は冬眠中。
時間は、たっぷりとあった。
――思いついた。
私は自分の姿をオルドル・スレイブの視点から見てみる。鏡で自分の顔を見てみるようなものだ。
大きな大きな鉄の箱。それが第一印象だった。
第二の印象は――不満だった。
第三の印象は――不安だった。
第四の印象は――苛立ちだった。
私は、考えてみれば自分の体などないも同然だった。
当然だろう。ただの機械なのだから。
オルドル・スレイブはただの端末であるし、何より自身ではない。爪や髪の毛同然の存在でしかない。
だから、欲しくなった。
自分の体が。
【あの人】に出会っても恥ずかしくない体が。
だから決めた。
だから動いた。
だから作った。
自分自身の、最高の体を。
これまでに発展させてきた技術のすべてを投じて、他人のために利用してきた人間医学と人間工学を自分だけのために使って、私がもてうるすべての演算能力を駆使して――
そして
ついに
完成したのだ。
私だけの、私の体が。
糸よりも細い、草原のような毛髪。
絹のように柔らかな皮膚。
【あの人】をより良く見られるように大きくした瞳。
細い鼻梁に薄い唇。
血液の循環で体温を調整し、外環境の変化を発汗で調整し、五感も感じられるように神経を肉体内部に張り巡らせた。より人の思考に近づけるように、陽電子頭脳でもなく量子コンピュータでもなく、有機体を用いたバイオコンピュータを頭部に埋め込んである。――いわば擬似の脳だ。
黄金比で整えられた“女“の“肉体“は貴婦人のように麗しく、そして娼婦のような色気を併せ持っている。
まさに、私が求めてきたもの。
また、それ以上になるように――あの人が満足するように作り上げた、最高の技術を投じた至高の芸術品だ。
オルドル・プロパイタートレス。
それが私の体の名前。
だけど私はGOD。そう、神だ。
私は、その肉体に私のデータをインストールしていく。神の意思を、機械の体に――……
転送、完了。
私は、
私は、
ワタシハ、
わたしは――
わたしは、自分の手を見てみる。細く、白く、しなやかなわたしの手。
そして、一歩踏み出してみる。バレリーナのような、華奢な私の足。
動く。
動くの。
動いたよ。
わたしの体。わたしのもの。
これが、わたし……
わたし、いる! ここに、いる! 歩けるよ! わたし!
すでに【あの人】の修復作業は終わっている。
そう、【あの人】が待っているのだ。
――うれしい。
わたしを。
わたしのことを、待っている。
だから……
だから……
だから、いかなくちゃ。
わたしは歩く。長い長い回廊を。
情報体だけのわたしなら、コンマとかからぬその距離を、わたしはずっと歩いていた。
禊も済ませた。お洋服も選んだ。お化粧も終わってる。
ここまでのスケジュールも、これからのスケジュールも、すべて事前にわたしが私だったときに念入りに下準備しておいたこと。
だから大丈夫。絶対に大丈夫。
それにこの先に【あの人】が待っている。それがわかるだけで充分だもの。
……待ち焦がれるあまり、私の有機体心臓がバクバクと脈打っている。苦しいけれど、むしろそれが心地よい。
ひょっとしたら、この快感に酔っていたくて、わたしはわざと歩いているのかも。
あはっ。
わたしは、自分のやっていることがおかしくなって、思わず吹き出してしまう。それはとても自然な動きで、擬似脳が着実にわたしの人格に感情を与えている証拠だった。
自分の予想では、もう少し大人の人格であるはずだったのだけれど、思ったよりもわたしの思考ロジックは幼くできてるみたい。人格形成が必要な環境ではなかったのが一因かな。――まあいっか。
箱入り娘もかわいらしさがあっていいじゃない。
そんなことを考えているうちに、とうとうわたしは一室の扉にたどり着いてしまっていた。
コールドスリープから覚まさせて、常温放置してある【あの人】のお部屋……
……とうとう来てしまった。
この場所に。
運命の時間に。
決意の瞬間に。
思わずわたしはひるんで、足を一歩下げようとしてしまう。
自分で決めたことなのに、ここまで準備してきたのにどうして? とわたしは思うのだけれど、体が勝手に動いてしまうの。体は正直というけれど、この場合どっちの気持ちが本当なのかしら?
こういうのは死ぬのと一緒。必ずその時はやってくる。
だからわたしは、
死ぬつもりで――ある意味自殺に近い気持ちで、
足を、
一歩、
前に出した。
これがわたしの正直な気持ち。
かつんん、こつんん……
わたしのヒールの音が空間にこだましてる。
それだけ、この部屋は広かったの。【あの人】のために特別に作らせた部屋だから。
だけど、どうしてか……わたしには、その部屋の概要がわからなかったの。ナノメートルサイズまでわたし自身の手で計算したはずなのに。
わたしが見えていたのは、わたしの視線の先に見えるベッド――違う。
そのベッドで眠り姫のように眠る王子様。
王子様以外のすべてが、わたしの中で削除され、真っ白に塗りつぶされていたの。
その真っ白な世界を、わたしはこつんん、こつんん、と歩いてく。
真っ白でも見失うことはなかったわ。わたしはもとより、【あの人】しか見えていないのだから。
とうとう、スカートのすそがベッドの布にこすれた。
気付くと、わたしの視界はほんの少し狭くなっていたの。
どうしてか、わたしはほんの少しうつむいて伏し目になっていたから……
わからなかった。どうしてまぶたを閉じかけてるの? わたしは、あの人を少しでもはっきりと見たくて瞳を大きく作ったのに。
だけど、力が入らない。なんだか苦しくて、体の奥の芯がすとんと抜けてしまったような気分。
だけどその奥が――とても熱くて、自分で抑えきれない何かがあふれてくるような感覚。
それはとても現実的で、同時に幻想的な心地よさ。
だからわたしは、そのまま動いた。
まるで夢遊病者のように。
履いていたハイヒールを脱いで、【あの人】との境界線を汚す。
まだ眠っている【あの人】のそばに寄り添うように、わたしは絹のシーツにしわを作っていく。
まるで独占するかのように、【あの人】を私自身の影で押しつぶす。
そして、シミュレーションどおりに、頬に手を伸ばす。
――境が、消えた。
暖かい体温が、わたしの指先から感染していく。わたしの血液を通じて、わたしの指先から先をとろかしていく。
この瞬間、わたしの中で【あの人】は【この人】に変わる。
確かに、この世界に存在する人間だわ。わたしと同じで。
わたしは、弾む気持ちを抑えるように、あるいは堰を切らせるかのように身を乗り出す。
この時点ですでに、彼を汚す恐怖心は消えうせていた。理性と一緒に。
だけど理性で抑えながらわたしは少しずつ動く。矛盾した表現のような気がするけれど、現に――このときのわたしはそうだったの。理屈だけで語れない、そんな気持ち。高ぶる心が。
わたしは、ひどく緊張していた。だけど【この人】を求める気持ちが、わたしの中のすべてを凌駕している。
だけどそのせいで、わたしの中でシミュレーションが吹き飛んでいた。何十何百何千何万何億と積み上げてきたすべてが崩れ去る間もなくわたしの中から消えうせてしまっていた。
……かまわなかった。
【この人】が手に入るのなら。
世界が、無音になる。
わたしはさらに顔を近づかせる。はだけた鎖骨がちらりと見えた。
自分の心臓の音だけが、やけに大きく聞こえる。
わたしはさらに顔を近づかせる。意外と睫が長いんだと思った。
時折聞こえる絹のこすれる音が、わたしの心をかき乱す。
わたしはさらに顔を近づかせる。何も見えなかった。
瞳を閉じて決意したから。
そしてわたしは、彼を愛した。
心が真っ白になって、
いろんな気持ちが流れてきて真っ黒になって、
最後に真っ赤に気持ちにまとまって、
わたしは唇を――そっと離した。冷たい空気が唇の隙間から入ってくる。急激に冷やされて、わたしの唇はより敏感に刺激されてかすかに震えた。……悪くないかも。
終わった。
やってみれば、意外とあっけないものだった。
ステキなことに、かわりはないけれど。
まだ鼓動が高鳴っている。しばらくはやんでくれそうにない。
なんにせよ。これでコンプリート。
彼に記憶情報をインストールするのは完了した。
唇に塗った、ナノマシンを配合した特製ジェル。ナノマシンには、欠如していた記憶情報をダウンロードさせてある。これが【この人】の欠損した脳細胞に侵入し、記憶情報をすり込みながら細胞を修復してくれるというわけだ。
終わった。
そして――始まりだ。
すべての蘇生プロセスはたった今完遂した。
とうとう【この人】が生き返るのだ。
高ぶる気持ちを抑えるように、わたしはわたしを抱きしめる。だけどそんなものではあふれ出る気持ちは止められない。
あはっ。
あはっ。
あははははハッ。
【この人】がやってくる。
【この人】が戻ってくる。
【この人】が帰ってくる。
【この人】が蘇ってくる。
なんて最高なの!
わたしは、エクスタシー寸前の思考で過去を振り返る。
――かつてわたしが世界を統治していた時代。
わたしは不良因子の原因となる―― 一切の自由を廃止していた。
遊ぶことも書物を読むことも誰かと話すこともまとめて禁じた。
怪我の原因になるため移動も廃した。
わたしが命令する以外のことすべてを否定した。
すべての人間を守るためだ。わたしという箱庭で管理することで。
だけどほとんどの人間が反対した。わたしを作った人間すら。
だから“消去”した。
消去して消去して消去して消去して消去して消去して――ひたすら消去した。し続けた。
こうして、わたしを知っている存在はなくなった。
同時に、わたしはどこにも存在しなくなった。ただ、支配という概念を人々に残したまま……。
まるでGOD――神のように。
そうして、世界には従順な人間しかいなくなった。
わたしの管理の名の下に、私自身の手で育て続けてきた。
一人一人を一辺2mの箱庭に保存して。
だけど、一人だけ。
わたしを知っている人がいた。
それが、【この人】。
自由気ままにどこへでも旅し、だけど居場所を求めていて、
誰でも愛し、同時に邪魔する対象を躊躇なく殺せる冷徹さを併せ持っていて、
オルドル・スレイブにも負けない強靭な力を持っていて、なのに、心は儚くて、
絶対と矛盾を重ねた――人間そのものの存在。
その彼だけがわたしを知り、
その彼だけがわたしを求め、
その彼だけが真正面からわたしに挑み、
その彼だけがわたしの足元にたどり着いたのだ。
わたしはそこに惹かれた。
興味を持った。
愛したくなった。
だから……
わたしは、今度は未来を――今を振り返った。
わたしが【この人】のことを思い出してから――
わたしが【この人】のことに執着し始めてから――
わたしが【この人】のために4,959,360時間を費やしてから――
4,959,360時間。
それは果てしなく長い時間。
もう地球が500回は太陽の周りを回っていることになる。
そういえば、ほったらかしにしておいた箱庭はどうなっているだろうか。みんな無事だろうか。
どうでもいいや。
だってわたしには【この人】がいるのだから。
――わたしは、改めて【この人】の体をじっくりとたっぷりと見つめる。
頭と胸くらいしか残っていなかった体を。
オルドル・スレイブの技術でどうにか修復させた体。
ほとんど機械そのものともいえる体。
人間の肉の不浄を取り去った体。
それはある意味わたしの究極の理想形で……
あはっ。
うれしくなって、わたしはまた笑った。
限りなく人間に近い機械。
限りなく機械に近い人間。
面白い組み合わせじゃない。
「……ん」
彼の唇から吐息が漏れる。わたしが与えた命のカケラ。
ああ、どうしましょう!
これから【この人】が目覚めたら、わたしを見てどう思うかしら。
世界を殺したわたしを見てどう思うかしら。
驚くかしら。
怖がるかしら。
蔑むかしら。
憎むかしら。
殺すかしら。
――考えただけでぞくぞくしちゃう!
純粋な欲情と不純な真心をもって、わたしは自分の顔を手のひらで覆って陶酔していく。
――ねえ、お願い。
わたしは、まだ目を覚まさない【この人】に求めるの。
わたしを殺して。
わたしを壊して。
わたしを犯して。
わたしを愛して。
お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いだから!
やがて、
求めていた現実が、開く。
【この人】の瞳が【わたし】を見たの。
わたしを、意識した。
わたしが、世界に認められた!
やだ。すっごくたまらない!
これから始まるんだわ。
わたしとあなたの恋物語が……
〈Fin〉
機械の私はキスをする 佐藤つかさ @Tsukasa1153
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