これは僕の物語〜この狂った世界で定めきれることのない「悪」を殲滅する。例えそれが自分を犠牲にして「究極の闇」になるとしても〜

月影

♯1 開戦

ボクはこの物語をずっと前から描いている。


悠久のかなたから幼き頃から…。


ずっとずっとずっと。


ボクは…この物語を描いていく上で、主人公に2人の姉妹を選んだ。


とてもとてもこの物語にふさわしいね…。


これはボクの作った物語。


全てボクの手の内。


ボクの描いた脚本。


誰にも邪魔されない、ボクの物語…。


楽しいな…。




そろそろ…次の展開を操作しようかな。




「……君もその物語の一部ってわけさ……ふふふ」



♦︎♢♦︎♢♦︎


目覚めたら、僕は夜の都会で目を覚ました。

冷たい。暗い。怖い。気持ち悪い。眠い。辛い。痛い。


目の前には男がいる。こっちを上から除いている。


「あ…!起きたんですね…よかったよかった……」


男が顔を近づける。


「顔に見覚えがある……」


そして、僕の顔に指を指す。


「君……Second KHAOSの……」


「……僕は……もう自分は弟に見せる顔がないよ……」


僕は立ち上がり、顔を伏せて嘆いた。


「…そんなこと言わないでほしいです」


男が僕の頭を撫でる。


「実をいうと……ここ forced KHAOSの本部なんです。で、僕が…」


ニコッと笑い、男は言う。


「forced KHAOSの1人、今はforcedBLACKswordって名乗ってます」


僕は首を傾げた。


「……どういうことか理解できない?」


男が僕の伏せたままの顔を覗き込む。


「ですよね、こんな狂った世界ですし」


ニコニコと笑いながら男は周りを見る。

僕は不思議そうに眺めるしかなかった。


……僕は不思議な夢を見た気がする。紫髪の男が語りかけてくる夢……。


「…あれはなんだったのかって…?」


男が振り向き、ニヤッと笑う。


「「究極の闇」です」


何故か男が僕を指差している。


「あの方は……どこか狂っているので」


男は笑顔を無くして、俯きながら言った。


「…僕達の目的を簡単に説明します」


男はまた笑顔を見せて、顔を上げた。


「「究極の闇」を倒し、平和を手に入れること」


僕には、笑顔に話す男の顔がどこか悲し気に見えた。


「もう1つ」


そう言うと、男はどこか無邪気な笑顔を見せ、僕の目の前まで歩んできた。

そして、自分を指差し、言う。


「…僕の弟を救うことです」


次の瞬間、僕の意識はまた途切れた。

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これは僕の物語〜この狂った世界で定めきれることのない「悪」を殲滅する。例えそれが自分を犠牲にして「究極の闇」になるとしても〜 月影 @ayagoma

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