#飯テロ

文月八千代

豚バラ肉のネギ塩レモンだれ


 近所のスーパーでは、豚のブロック肉がいつも安い。国産じゃなくてカナダ産ではあるものの、ほかのお店よりずっと安い。

 ちなみに「嘘でしょ?」と驚かれることが多いので好んでは言わないけれど、お肉が苦手だ。でも決して食べられないわけではない。なんというか……モニュッとした独特の食感が苦手で、積極的に食べる気にならないのだ。付け加えると、お餅も苦手である。

 そんな私でも、ただひとつ。好んで食べるお肉料理がある。



 それに出会ったのは、とあるペンションだ。趣味の関係でよく泊まるここは、緑豊かな環境で猫もいる。古ぼけていてお世辞にも「快適」とはいえないけれど、食事が美味しくてポイントが高い。特に、夕食が。


 構成はスープ、サラダ、魚料理、肉料理、それからお米が基本。春先にはオーナーが採った山菜が並ぶ。

 そんなペンションの夕食に出てきて感動したのが、茹でた豚肉にネギだれをかけたものだった。私はいつもどおり「はいはい、お肉ね」と冷めた調子でそれを頬張った。するとどうだ、口のなかでしっとりほぐれて、苦手と感じる要素がまったくなかった。


こんなお肉なら積極的に食べたいな……。そう思ったけれど、臆病な私は作り方を聞くなんて無理。できない。だから自分なりに試行錯誤を重ね、似たような味を作り出すことに成功した。



★材料★

 豚バラブロック…500g

 ネギの青い部分……適量

 ローリエ……1枚


【タレ】

 長ネギ…1本

 鶏ガラスープの素(粉末)…小さじ1

 ごま油…大さじ1

 レモン汁…大さじ1

 塩・胡椒…お好みで


★手順★

1.豚バラブロック、ネギの青い部分、ローリエを圧力鍋に入れ、肉が浸るくらいの水を入れる

2.蓋を閉め、高圧・弱火で20~30分加圧する

3.圧が下がっても中身を取り出さず、煮汁が冷めるまでそのままにしておく

 ※暑い時期は粗熱が取れたら冷蔵庫へ

4.長ネギをみじん切りに刻み、鶏ガラスープの素、ごま油、レモン汁、塩、コショウを入れてよく混ぜる

5.食べやすい大きさに切った豚肉に4のタレをかける


・脂身がトロトロなものが好きな方は、30分くらいの加圧がオススメ

・ネギだれは先に作っておくと、水分と粘りが出る

・豚肉の茹で汁は捨てず、アクを取ってスープにすると美味しい



 しっとりとしたお肉と、爽やかなネギだれのマリアージュ。待ち遠しい暑い季節にピッタリだけれど、ご飯とお酒が進んでしまうのが問題である。



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