20××年12月20日<願望>
「神様は不平等」
そんなことは分かりきっている。
自分の容姿や才能を相対的に評価し、分相応の職業につき恋愛をする。
これは、学校という牢獄の中で、私たちが最も鍛え上げられた能力だ。
大人しい性格は、大人しい系グループに属するために磨かれる。
明るい性格は、誰からも好かれるタイプになるために磨かれる。
必死だった。みんなと仲良く、先生からの信頼も厚い。
カースト上位の女子が陰口を叩けば、なんとなく同調する。
自分の順位を維持するためには必須だ。
こんな田舎、絶対出てってやる。
もっと広い世界に行けば、私は輝けるはず。
そう信じて疑わなかった。
家に帰ると、テレビには夕方のニュース番組が流れている。
それを見ながら家族と夕食を済ますと、その流れでなんとなくバラエティ番組を見る。
テレビを見る理由はない。
ただそこにあるだけ。
そういえば、テレビの時代は終わりつつある…って、友人は語ってたっけ。
テレビを見ない人のほうが、イケているらしい。
私も、テレビ好きな人間ではないし、そこまで興味もない。
しかし、間違いなく芸能人は、最強の花形職業だと思う。
キラキラ見えた。
憧れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます