20××年12月20日<願望>

「神様は不平等」

そんなことは分かりきっている。

自分の容姿や才能を相対的に評価し、分相応の職業につき恋愛をする。

これは、学校という牢獄の中で、私たちが最も鍛え上げられた能力だ。


大人しい性格は、大人しい系グループに属するために磨かれる。

明るい性格は、誰からも好かれるタイプになるために磨かれる。


必死だった。みんなと仲良く、先生からの信頼も厚い。

カースト上位の女子が陰口を叩けば、なんとなく同調する。

自分の順位を維持するためには必須だ。

 

こんな田舎、絶対出てってやる。

もっと広い世界に行けば、私は輝けるはず。

そう信じて疑わなかった。



家に帰ると、テレビには夕方のニュース番組が流れている。

それを見ながら家族と夕食を済ますと、その流れでなんとなくバラエティ番組を見る。

テレビを見る理由はない。

ただそこにあるだけ。


そういえば、テレビの時代は終わりつつある…って、友人は語ってたっけ。

テレビを見ない人のほうが、イケているらしい。

私も、テレビ好きな人間ではないし、そこまで興味もない。

しかし、間違いなく芸能人は、最強の花形職業だと思う。

キラキラ見えた。

憧れた。


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