『さまよえる屋台』

やましん(テンパー)

第1話 『さまよえる屋台』

 『このお話しは、フィクションです。書いている途中で、迷子になりました。行くべき道を与えてくださったのは、美鶏あおさまに頂いたおことばでした。それで、ゴールできました。ありがとうございます。』


         

         🍜



 霧深き夜に、必ず何処からともなく現れる、という、謎の屋台である。


 しかも、屋台のおじさんとか、おばさんとか、誰もいないのに、自動車で引っ張ってるわけでもないのに、町の中を走り回るのだという。


 屋台が出る期間は決まっていて、深い霧が発生する、冬の時期である。


 屋台は、突然、目の前に現れるのだという。


 万が一出会ってしまったら、たとえ、満腹でも、無視してはいけない。


 もし、無視してしまうと、重い病に苦しむことになる、悪くすると、命を落とすこともあると言われる。


 では、どうすれば良いのか。


 簡単である。


 とにかく、落ち着いて席につき、何かしら注文し、きちんとさいごまで頂いて、お金を払う。


 相手は誰もいないのに、注文したら、ちゃんと、料理は出てくる。


 請求額は、空中に浮かんで出るから、それだけを、箱のなかに入れれば良いのだという。


 すると、領収証と、サービスカードが出てくるから、次回から清算時に入れると、スタンプが押される。


 スタンプが一杯になると、そば、ひとさらサービスになるのだという。


 その屋台は、淡い火の玉に覆われているとされる。


 そうして、必ず、首のない、おじさんみたいな客が、ひとり、ひっそりとはしっこに座っているが、決して、話しかけてはいけないとされている。


 とされるのだが、もし、話しかけたら、大概は、黄泉のくにに、連れてゆかれるのだという。


 ただ、万が一気に入られると、たちまち、億万長者になるともいう。


 また、それは、秘密にしなければならないという。


 とはいえ、気に入られるのは、至難の技らしい。


 たくさんの質問に、相手が気に入るように、正しく答えなくてはならないと言われる。


 つまり、やはり、至難の技であるらしい。


 

    ・・・・・・・・・・


           つづく……


 


 


 


 

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