小人になって生きてみた

第1話 ここはどこですか?

目が覚めた、目を開けたはずなのに、視界が変わらないことに困惑していた、そんな現実を受け入れる前に、体が震え上がり考える隙をも与えてくれない世界に、悲しみと怒りを覚えながら立ち上がった。とりあえず、ここが開けた場所であることだけがわかった。服装は変わっていなかったが、持ち物は何も持っていなかった。もうわけがわからなかった。なんで自分がこんな目にあわないといけないのかと思っていたが、次第にそんなことを考えられる余裕もなくなっていた。気づけば泣いていた。

「目をを覚ましたか」

暗闇から声が聞こえた。突然のこと全身が震え上がり、声すら出せずに、あとずさるのみだった。

「そんな逃げないでくれよ。君を取って食うことになったとしても、君は何もできないだろう」

現実を目の当たりにし、何かしなくちゃと思った末にできたことは、命乞いだけだった。許してください。

「ははっ。相当今の状況に気が動転してるんだねw」

もう終わったのだ。今すぐに舌を噛もうと思ったがそれすらもできない自分を殴り飛ばしてやりたかった。

「安心しろよ。君は死なない。それだけは保証するよ。」

その言葉を理解できなかったが、そんな自分を放置してそいつは話し続けている。

「ふーん。わかった。じゃあ説明するよ。君は森に落ちているところをみつけたんだ。今はとりあえず安全地域まで連れて来たってことだよ。」

自分の身の安全を知り、ひとまずは安心していた。それは、いいのだが安全になったことにより、様々な疑問が出てくることになる。

「まぁ、落ち着いたようだね。これを付けてくれよ。」

そんなことを聞いていると手にゴーグルが入ってきた。まだまだ安全とは到底言えないが、こんなものを付けたことによって何か問題が起こるわけがないと思いつけてみることにした。ふいに声が出てしまっていた。いままでの暗闇が消えていた。これは悪い夢ではなかったことを知ると同時に目の前の女性が目の中に入ってきた。

「気づいたようだね。じゃあ話を始めようじゃないか」

俺は今まで何をやっていた、、、、、、。今までの行動を思い起こし!それを!この女性に見られていたというのか!今まで感じたことのない恥ずかしさが全身を駆け巡った。うっそだろおい。人間が魂の限りに泣くなんていう人に見られなかったとしても一生の恥のようなものを、あろうことか見られていたというのか。もうなんかそれどころではなくなっていた自分を黙らせて。対等に話そうとしてみた。

「耳が赤いよww。諦めなよ全部見てたんだからさwww。」

死ななくて安心していたのに別の意味で殺された、、、、、

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