過去編 第3.5章 裏切り者はどっちかな?

第1話 約束

第1話


俺の名は一崎 人識。


俺には幼馴染が居る。


しかも、女の子だ。


彼女の名は、二崎ふたざき 陽葵ひまり


「ねぇ、ひーくん?」

「何だ、陽葵?」

「今日のクリスマス、何処に行く?」

「そうだな、少し遠出して映画でも見に行くか?」

「うん、楽しみ♪」


俺達は仲良しだった。


今も昔も、ずっと。


少なくとも、そう思っていた。


あの時までは…


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クリスマスを沢山楽しんだ俺達は帰路に着いていた。


後もう少しで家に着く。


だが、その前に…


「陽葵、少し寄りたい所があるんだ。ちょっと良いか?」

「えっ?別に良いけど…」

「そっか。じゃあ、着いてきてくれ…」


其処はちっぽけな公園だった。


「此処って…」

「ああ、俺達の思い出の場所だ。」


此処で彼女と初めて出会った。


初めての恋をした。


初めて彼女を守ろうと誓った。


そして、今度は…


「渡したい物があるんだ、陽葵。」

「…うん。」

「これを貰ってくれないか?」


俺は跪き、彼女にとある小箱を見せる。


その小箱を開け、中を見せると…


「ゆ、指輪…」

「俺と結婚を前提に付き合ってくれ!」


俺は彼女にそう告げる。


すると、彼女は…


「ぐす、ぐすっ…」

「えっ、陽葵!?」

「ごめん、嬉し過ぎて涙が…」


と、溢れる涙が止められなくなっていた。


流石にこのままでは話せないので、ちゃんと落ち着かせる。


そして、数分が経つと…


「ひーくん!」

「何だ、陽葵?」

「指輪、填めてくれる?」

「ああ、喜んで。」


彼女の指にゆっくりと指輪を填めていく。


永遠の誓いを、この愛おしい君にゆっくりと刻み込む様に…


だから、それだけの行為な筈なのに、俺は満足感に満たされていた。


「ありがとう、ひーくん♪これからも、ずっと、ずっっと一緒に居ようね♪」

「勿論さ、陽葵!」


少なくとも、俺はそう思っていた。


だが、人生は何が起こるか解らない。


「帰ろうか、陽葵。」

「うん♪明日もずっと一緒に…」


だが、彼女の言葉を邪魔するかの様に…


キキィィッ!


「なっ、陽葵危ない!」

「えっ…」


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陽葵side


…頭が痛い


…身体も動かない。


…ひーくんは?


「あっ、ああ…」


目の前には、血塗れのひーくんが居た。


えっ、ひーくんが死んだ?


嫌だ…


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!





































…あれ?


「あの人、誰?」


続く

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