第1話への応援コメント
この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
小説の方は一通り拝読致しました。
全体の流れとしては動機づけや展開が綺麗で、結末に至るまでの主人公の心情の移ろいも繊細な筆致で表現されていた印象です。特に主人公の自己肯定感の低さや、家族への過剰なまでの愛情(境遇に反して)はとてもリアルだったかと思います。虐待されてきた、されている人間の心理が如実に表されていました。「70発殴られた」や「少女が家族全員を撲殺」など、一部凄惨さを通り越した不自然な描写も散見されましたが、総じて作品の完成度は高いものだったように読み取れました。
気になった点としては、作品の個性について。
「子どもが思うように育たない」、「自分の卑屈さや鬱憤を晴らすため」といった理由で作中では暴力描写が展開されますが、やはりステレオタイプな色が拭えませんでした。この手の内容を創作物でも現実でも見てきた人間としては、物語全体が希薄なものに映ります。前述したように完成度は評価できる一方、中身は「想像したもの」の域を越えないのです。
精神的、身体的暴力による痛苦と絶望を描いた作品は、凄惨さをアピールするだけで簡単に読者の同情を得ることができます。しかしながら類似作品の数は膨大です。つまり擦られたネタというわけです。これは批評の趣旨から少し外れますが、私は過去にも批評や本棚企画で何作か間川様の作品を拝読しています。それらは共通して今作と同様のテーマ、希死念慮や鬱屈を扱っていました。それ自体は構いませんが、一つ書いておきたいことがあります。
数作品を読んだだけで、こうした指摘を数十作品も擁する間川様にするのは傲慢だと承知していますが、どの作品も根底にあるものは同一でした。同じテーマを伝えるために同じ展開を踏み、同じ心理描写を書き、悲愴感を演出する。細かな設定や展開は違えども、作品を焼き直ししているかのように錯覚しました。そうした漠然とした意識は、本作を読んで確信に変わりました。
一読者でもこう感じるのですから、作者様は尚のことかもしれません。もしそうならば作品のオリジナリティを出すためにも、暴力や恐怖の方向性を模索することをオススメします。たとえば「ネグレクトといった存在の否定」、「なにをしても怒られないという不安と恐怖」などです。これらも擦られてきたネタですが、目に見える暴力と異なり、受ける側の心理は多岐にわたります。可視化可能な暴力にはない、被虐待児の「想像力」が閉塞感と恐怖を形作るのです。被害妄想に始まり、虐待の認識への変化や虐待による支配の信奉、絆との錯覚など。希死念慮や鬱屈を描くにしても、従来に比べて展開や表現の選択肢の幅が増えるかと思います。そのぶん読者に感情移入させるには技量が問われますが、間川様のレベルならば容易に超えられる壁でしょう。精神的、身体的暴力に留まらず、様々な手法と材料で作品の無個性化を壊していっていただければと思います。
最後に一点、誤字報告を。
「猶更不自然な体制になって、いよいよ息ができなくて苦しい。」→「体勢」
以上になります。
批判的な内容が大半を占めてしまいましたが、作者様の筆力に可能性を感じた一読者からのエールとして受け取っていただければ幸いです。
作者からの返信
ご感想誠に有難うございます。大変丁寧に読み込んでいただいた上に貴重なご意見を頂戴し本当に為になります。ありがとうございます。
作品の個性についてのコメントについて、大変その通りであると思います。方向性が似通ってしまうことにかんしては苦悩していたので、アドバイス大変励みになります。
この度はご批評ありがとうございました
第1話への応援コメント
物語というより、◯にたいけど◯にきれずにいる人が気分を落ち着かせようとして書き留めた心象メモみたいですね……。
絶望と焦燥感がビンビン伝わってきます。
全宇宙だと思い込んでいる家庭内暴力の檻の外には、
良い意味でも悪い意味でも、他人に無関心な自由の世界が広がっているものですが、
主人公の立場では、どこへでも好きなところへ……というわけにもいかないのかもしれません。
行き場がないからといって妄想の中に逃げ続けると、
次は幻聴が聞こえてきたり、体調に悪影響が出る神経症コースだな……と、心配になってしまいました。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます!本作は徹底して主観に徹することを意識して書いた作品ですので、そのお言葉何よりのお言葉です。誠にありがとうございます。この喜びをうまく言葉でいい表せられればいいのですが、私の貧弱な語彙力では叶わないのが残念でなりません。
重ね重ねにはなりますが、お読みいただきありがとうございました。心より最大限の感謝を
第1話への応援コメント
読み合い企画に参加させていただきました。
ここまでビターなのか……と思いながら読ませていただきました。
私が良いと思ったのは情景描写のところです。
主人公の悲惨な体験と相まって、
月の見える夜や、白い息といったことが
とても切なく映りました。
特に良かったのが、バットを握って自分の部屋を見返すところです。
思い出が溢れてくるのに、それを手放すことになるというのが、
その後の行動と絡み合って、いろんな感情を生み出しました。
色々考えさせられる読書体験でした。
作者からの返信
本当に読み込んでいただいたご感想のみならず、レビューまで!本当にありがとうございます。情景描写、心理描写にはかなりこだわった作品ですので、そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
バットのシーン、本当によく読み込んで頂きました!個人的にもお気に入りのシーンですので、そう言って頂けて感無量です。
重ね重ねになりますが、この度はお読みいただき誠にありがとうございます。時間はかかるかもしれませんが、必ずやお邪魔させていただきます!
編集済
第1話への応援コメント
ビターな作品読み合い企画から参りました。
冒頭から痛ましい描写の連続で、何度も心を抉られそうになりました。虐待する両親の側に非があるのは明らかなのに、親は尊敬すべきという意識に囚われているせいか、自分の側に非を求めようとする主人公の心境が身につまされました。これだけ凄絶な作品をよく書き切られたなぁと脱帽します。
世間では尊きものとして賛美されがちな家族ですが、こうした荒んだ家族も残念ながら存在すると思います。
家庭は絶対的な安全基地ではないのだということを改めて実感させられる作品でした。
作者からの返信
ようこそいらっしゃいました。ご感想誠にありがとうございます。思わずわああっと叫んで飛び上がってしまいそうなほど嬉しいご感想です。本当にありがとうございます。感謝の言葉を書き綴りたいのですが、感極まって言葉になりません。
只今少々立て込んでおりまして、直ぐにでも読みに伺わせていただくことは確約できませんが、例え企画期間が過ぎてもお邪魔させて頂くつもりですので、気長にお待ち頂ければ幸いです。
第1話への応援コメント
【精魂かけて書いた、ビターな作品読み合い】企画から来ました。
とても素晴らしい企画を立ち上げて下さりありがとうございます!
間川様の書かれた【おやすみなさい、いってきます】……とても心に来るものがありました。現実でも似たような事が実際に起きている事を思うと胸が締め付けられます。それぞれ事情があって簡単な話では無いのですが、本当に家族って何なのだろうと、血の繋がりって何のだろうと考えざるを得ません。
とても考えさせられる作品と出会わせて頂いた事に感謝致します。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます。いえいえ、そう言って頂いて企画を立ち上げた甲斐があると言うものです。
コメントだけでなく、レビューまで!本当に嬉しいです。舞い上がってしまいそうです。本作は自分で言うのもなんですが、本当に苦心して書いた作品ですので、そう言って頂けるのは本当に嬉しいです。
家族とは何か。それは非常に難しい質問だと思います。だからこそ本テーマに据えた部分もあります。それだけに色々考えさせられるとおっしゃっていただけたこと、まさに報われる想いです。重ね重ねになりますが、本当にありがとうございます。
また、重ねて企画へのご参加も本当にありがとうございます。少々多忙につき直ぐにお邪魔させていただくとは確約できませんが、時間がかかっても必ずやお邪魔させて頂きます。良き作品と出会えること、心待ちにしております。
編集済
第1話への応援コメント
自主企画の「必ず読むと約束する方のみ」から来ました。
重い話でしたが主人公の心境が詳細で壊れていく感じなど凄かったです。
主人公も努力していたのに(´;ω;`)
最後に妹のベッドで眠りにつく時の幸せそうな描写と現実の状況の差が凄まじいなと感じました。
>擦り切れた青チャートや、書き込みと付せんの貼り付けすぎで膨れ上がったForest
Forestというのがなぜここで出てくるのかちょっと分からなかったので調べたのですが、Forestという名前の参考書があるんですね(間違ってたらすみません)。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます。ようこそいらっしゃいました。主人公の心理描写にはこだわったつもりだったので、そう言っていただけて何よりです!また、ラストも個人的にウンウン唸って考えたラストですので、そう言って頂けると報われます。
そうなのです!個人的にお世話になった参考書なのですが、実際マイナーなのかも知れません。
後ほど必ず読みに伺わせていただきますね!
第1話への応援コメント
読み合い企画からきました。
ゆまのみかんと申します。
タイトルに惹かれて普通の話かな?と軽い気持ちで読んでしまった事を後悔しました。
とても考えさせられるお話でした。
なんて言っていいのか分からないのですが似た境遇の子を知っていたので心が抉られてます。
久々にその子の事を思い出しました。
いつか墓参りに行きたいと思い続けて15年以上経ってしまいましたけど。
作者からの返信
ゆまの様。
この度は拙作をお読みいただき誠にありがとうございます。
考えさせられるとのこと、そう仰って頂けるのは本当に嬉しいです。今作が何かしら思うところが残せればと思って書いたので、そう仰って頂けるのは光栄です。
ただ、もし今作がご不快にさせてしまったのであれば、配慮をかいた描写をしてしまったことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
最後になりますが、拙作まで足をお運び頂けたこと本当なありがとうございます。
第1話への応援コメント
間川 レイ 様
月影の自主企画へご参加くださり、ありがとうございます!
内容を拝見しましたが、非常に重い題目を取り扱っていらっしゃいますね。一人の少女の公園での独白から始まり、最後には家族の命を絶ち、自らも金銭の尽き果てたその時に死のうと考えています。父、母、妹、私。そのいずれにも固有名詞(つまり名前)が与えられず、言わば役割の名称で展開される物語に、冷たい印象と寂しい印象のどちらともを感じました。実際に現実でもこのような物語はありうるものであり、だからこそ、リアリティと緊迫感、悲壮感を全身に受けましたね。それをすべて短編で表す間川 レイ 様の手腕に驚かされるばかりです。
この物語は上記の理由から、僭越ながらブックマークおよび星を送らせていただきます!何度読んでも飽きが来ない、そのような話でしたから。
これからも、間川 レイ 様の執筆活動を応援しています!
作者からの返信
月影様。
この度はお読みいただき誠にありがとうございます。過分な評価、本当にありがとうございます!思わず口を抑えて喜んでしまうぐらい嬉しいです。あえて記号としか家族を描かなかった部分や、リアリティさなどにはかなり力を入れて描いた部分なので、そこをお褒めいただけるのは本当に嬉しいです。
飽きが来ないというのは本当に何よりの褒め言葉です。本当に作者冥利につきます。お星様とブックマークも誠にありがとうございます。
重ね重ねになりますが、お読みいただき誠にありがとうございました!
編集済
第1話への応援コメント
間川様、企画に参加してくださり、ありがとうございます。
間川様の作品はいつも考えさせられますね。
家族ってなんだろう?親になるには、資格や覚悟がいるのでは?
最近、そんなことをよく考えます。
子供を不幸にさせない。最低限、自分の感情の捌け口にしない。それは、親として持つべき最低限の資質なのではないかと考えます。
っていうか、僕自身、親になりたくない!
日本の税金、高すぎ!不況も続きすぎ。どうやって、責任を持って、妻子を養えと?
作者からの返信
アサシン様!毎度お読みいただきありがとうございます!親になること、子供を育てることと言うのは実はとても難しい事なのではないか、と思います。
本当に仰る通りだと思います。体罰でこそ子供は育つという見方もあるそうですが、本当なのかなあと思うこの頃です。
実際世知辛い御時世ですからね…。教育費も馬鹿にならない額だと小耳に挟みます。そうした家族ってのも楽じゃないという気持ちをこめて書いた作品でした。お読みいただき、誠にありがとうございました。
第1話への応援コメント
どうぞ。
https://kakuyomu.jp/works/16817330664335241953/episodes/16817330665222082198
作者からの返信
この度はお読みいただきありがとうございます!