準備の日 2
ある年から雨が多くなり始めた。
日を追う毎に雨雲が地球上に増え始め、数ヶ月で地球の七割が雨雲に覆われた。
地球の七割の面積は海だ。地上に太陽が見えるのはごく稀になり、一部地域では雨雲が消えない地域もあるぐらいだ。
救いなのは有害物質を含んでいないと言うこと。
原因は不明。
最初の一年で土砂災害や洪水やダム決壊など人間の生活は壊し尽くされた。順応出来ない人は亡くなった人も少なくない。
まるで聖書の中と同じような出来事になってしまった訳だ。
だが、人間はそれにも適応した。
激減した人間は、寄り添うようにそれぞれ拠点を作り新しい発電方法や連絡手段を確立した。
現在町の周りには『NGWW(Next Generation Water Wheel)次世代水車』
通称:水車
が乱立している。
原理は簡単、風車の羽をスプーンのような形に変えただけ。
これが乱立している近くには必ず街がある。
街も全世界で形が変わった。
現在は『地下』での生活が基本となる。
地下に木々を植えて木材として使ったり、食料を栽培できる位の面積は確保して作ってある。
地上の生物は死に絶え、川か海からしか肉を獲られなくなったので川の下流か、海沿いに造られることが多い。
地上からは、水車があることしか街がある事が確認できない。
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