ツギハギ英雄街道

米堂羽夜

選択の余地がない選択肢


ーー耳障りな声が響く。


心の奥底から『奪え、奪い尽くせ』と言う悪魔の囁きが。


そうすればこの痛みから逃れられるだろう。死ぬ事は無いのだろう。そして何より、



蔑まれた生き方から解き放たれるのだろう。


生まれ変わりたい。


あの、憧れた●●●になりたい…



今すぐに。でなければ死ぬのは自分だ。



さぁ、なろう。


憧れたあの者に。


憧れ続けた人々に。


底辺を歩むのは終いだ。



奪え、奪い尽くせ。



憧れを手にしろ。思い描いた自分となれ。


誰にも負けない自分へと。



その為にーー



ーー俺は目の前の屍肉を喰らうのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ツギハギ英雄街道 米堂羽夜 @zys

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ