セッ〇ス祭り
エレジー
第1話
今はさすがに娘(中2)と一緒に風呂には入ってない。でも、つい数年前までは一緒に娘(小5)と風呂に入っていた。
その時の出来事。
体を洗い終わり、二人で湯船に入っていたら娘が話し掛けてきた。
「ねぇ、パパ。」
「うん、何?」
「セックスって知ってる?」
飯食いながら味噌汁飲んでたら確実に吹いていたであろう。
「な、な、何、言うてんの!」
「だ~か~ら~、セックス知ってるって言ってんの!」
娘は困惑している私を楽しむかのように、笑いながら再び聞いてきた。
「そ、そ、そりゃ~知ってるよ。」
おそらく娘は知ってて聞いているのだろう。変にウソつくのもアレだと思い正直に答えた。
「じゃあ~パパとママってセックスした事あるん?」
「そ、そ、そりゃ~、あ、あるよ。」
「エエ~ッ!キンモ~ッ!」
何なんだろう、この状況・・・
「そのアンタがキモいと思っているセックスをしてYちゃんは生まれたんだよ。」
・・・なんて言える訳もなく、困惑していた私。
「なんで、そんな言葉知ってるんよ?」
「だって~今日、保健の授業で習ったんだもん!」
性教育ってこんなに早かったっけ?
私の時代はもっと遅かったように思うんだけど・・・
「ねぇ、ねぇ、ディープキスってした事あるん?」
「あ、あ、あるよ・・・」
「エエ~ッ!キンモ~ッ!」
実の娘に性に関する事を聞かれ続ける。何なんだろう、この地獄のような時間は・・・
そりゃ~男だから下ネタを話す事は嫌いじゃない。いや、むしろ大好きな方かもしれない。ただし、それは気の合う仲間と酒でも酌み交わしながらの話である。
この地獄から抜け出したい私はいつもより早めに湯船から出た。娘もいつも通り私と一緒に出た。タオルで体を拭く。
「セ~ックス!セ~ックス!セ~ックス!」
娘は変なスイッチが入ったように連呼し出した。
「こ、こ、こら、や、や、やめなさい!」
こういう時、子供って奴は諌めれば諌めるほど火に油を注ぐようになるのはわかっていた。
押してダメなら引いてみな!
っていう訳じゃないけど、私も一緒になって娘が言う「セ~ックス!セ~ックス!セ~ックス!」という言葉に合いの手を入れるように言ってみた。
「セ~ックス!セ~ックス!セ~ックス!」
「ハッ!ホッ!ヨイショッ!」
私も何かが吹っ切れて、阿波おどりのように踊りながらリビングに行った。
「ちょっとーーーーー!何、言ってるの!アンタたち‼」
台所にいた妻が血相を変えて私たちの元に来た。火が着いた私も、当初の娘にセックスの連呼を止めさせるという主旨を完全に忘れていた。
「祭りかっ‼止めなさいっ!」
妻の的確な突っ込みの一喝でようやく祭りは終わった。やっぱり小学5年生で性教育はまだ早いと思う。
きっと、日本全国小学5年生を持つ家庭で、このセックス祭りは行われている事だろう・・・ないか。(笑)
セッ〇ス祭り エレジー @ereji-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ゴッドギャンブラー/エレジー
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 6話
白い太陽/エレジー
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
君の名は・・・/エレジー
★1 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます