神様殺し

秋山 ヒロ

プロローグ

トク、トク、トク、トク、、、


一定のリズムで刻まれる、心地よい、音。

それは真冬の寒空の下の小さな灯火のように儚く、それでいて確かに温かい音。


ああ、その温もりが気持ち良くて、瞬きが遅くなり、次第に瞼が重くなる。


まだこの音を聞いていたい。

そんな願いとは裏腹に音は遠のき始める。


揺蕩う意識の中、誰かの声が聞こえた。


「…の呼吸は、そよ風みたいに、綺麗な音だなあ。」


その声は震えていて、溢れ出る何かを必死に堪えているようだった。

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