第24話
『
魔力を込めて編まれ、かつ自分の魔力に馴染んだ衣服、及び自分の魔力が染み込んだ杖の両方が揃わなければ使えない奥の手のひとつ。
両方に風の精霊を宿らせることで衣服には風系魔法を常時展開でき、杖には雷系の魔法を常時展開させ、武装化する。
魔力を込め続けなければ維持が出来ず、垂れ流しにしていては長時間使えない。よって、魔力の流れを100%制御しきることで効率的な魔力運用と体外へ漏れ出す魔力をも循環させることに成功した。
展開・維持には事実上の時間的限界はない。ただし、触媒になっている衣服と杖には強度的限界があり、破壊された時点で魔法は解ける。
何もせずに魔法を維持するだけであれば最大で20分まで可能だが、剣や別の魔法と打ち合う場合300秒がやっと、というところ。
しかし、単純な魔力制御では異常な執念を燃やす目の前の男には勝てない気がする。
こちらも最大の力で、完膚無きまでに。
「潰す」
魔力制御は全身に流れる魔力も手足のごとく使えるようになる技術。踏み込み、加速するため足の筋力を強化する。唾競り合いには腕力を強化する。これら擬似的な念系すら使用できるようになる。
しかし、相手の実力は凄まじい。
すでに手は使い物にならないであろうに、振るわれる槍は早く重い。
それとも使い物にならないから、打ち合えているのかもしれないが。
なんにせよ、悠長に打ち合って杖が壊れたらもう戦えない。
なので全力で倒す。
「かぁっ!」
「『風鎧の加護』」
ざん!
裂帛の気合いで放たれた黒槍の突き。それを身体を風に変えることで回避する。
『疾風の鎧』単体の効果は自身の身体の任意の部分を風に同化させること。腕を同化させれば腕はどこまでも伸び、風の速さで振るうことができる。
「『雷槍の加護』」
雷の速さで放たれる突き。
物質化した雷の刃を向けた先に飛ばす。
『槍』という形に固めた雷を部分的に解いて射出している。
全てを狙った場所に当てるのは難しいが、方向さえ合えば防御も出来ない。
何より射出される数が違う。
既に四肢は穿たれ、一部は炭化すらしてるだろう。
それでも尚敵意を失わない目の前の男。
「留められた風よ、閉じ込められた雷よ。爆ぜて散れ。『
風速の体当たりと雷速の刺突。ぶつかる瞬間に内包する全魔力を解放。
天災規模の嵐が巻き起こる。
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