遺跡街の仕事人
黄野ポピー
遺跡街の探求者
番外
私は今、洞窟の中にいる。
正しくは遺跡と呼ばれる古代遺産を中心に建造された『遺跡街』。その中心にある遺跡の入り口から1時間と歩いた辺り。
何故、そんな所にいるのかと言うと。
私が遺跡街の
探求者は遺跡に入り、調査するのが任務である。
その遺跡での収集物や生態系、構造などから歴史とか危険性とかを調べるのだ。
そして私は
内容は『最近になり下級の原生生物が減少し、これまで目撃情報が少なかった種類の増加が確認された。この原因を解明せよ』というもの。
正直、どーでもいーじゃん。とも思ったが報酬が良かった。少なくなったヤツも入口近くでも見つかる種類だったし、もしかして補食してる所でも発見出来ればすぐに終わるんじゃね?と甘く見ていた。
遺跡に入って、すぐに対象の原生生物を見つけて、後をついて行った。
そしたらよ?誰がこんなこと予想できるよ?
脱皮、していたわ。
少なくなったヤツが集まって、一斉に。
目撃情報なかったっていうやつにね。
これは確定的だ。
できれば、終わりだ。
脱皮終わったヤツらに囲まれてるけども。
人語を解さないタイプだから、話し合いは不可能。残る選択肢はひたすらの逃走。
「火の精霊たちよ。列をなして焼け。我が指先に。『赤火の剣』」
魔力を集めた右手の指輪に火の精霊が集まり、火を生み出す。その火はすぐに剣のような形になる。
「おっりゃああああ!!」
火の剣を一閃!
熱に怯んだヤツらの隙間を抜けて一気に駆け抜けた。
追ってくるヤツもいるが、暫くがむしゃらに走ると何もいなくなっていた。
「はぁー。あれの成長による変体とか新発見じゃね?これは儲かりそうだわ」
疲れてはいたし、軽く命の危機で精神的にもしんどいが、金の予感に心が踊る。
さて、協会レギオンに戻って報告するとしよう。
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