境界の管理者

………ゑ?

どういうこと?

まあ、名前からしてこれが俺のステータスであることは確定だろう。

俺だよな?(疑惑)俺だな?(確認)俺だよな…(諦め)

本当にどういうことだ…

まずは、とりあえずこのステータスは何かしらのファンタジー的な力が働いてるのは間違いない。

そして、俺のステータスの能力値がどれ位のものなのか比較の対象がいないからわからないから能力値は置いておく。

だけど問題は種族だ。

人間。これはわかる。っていうか人間じゃなきゃ困る。

だけどお前はなんだレッサーレイス。

俺の両親は間違いなくどちらも人間だった。

だからハーフとかはありえない。

ていうか常識的に考えてレッサーレイスっていうことは幽霊だろ?幽霊が子供を作れるわけがないと思うし、もし作れたとしても今まで俺が普通に生活できるわけないだろ。

つまり俺は幽霊でもなければ人外でもないということになる。

……いや待てよ?

そういえば俺死にかけてたよな?

まさかそれが原因か?

………駄目だ情報が足りな『ピコン』うん?


「お?」


いきなり脳内に電子音が響いたと思ったら目の前にステータスに似た半透明のボードのようなものが出てきた。

えっと……これはもしかしなくてもあれかな?

ラノベとかめでたくファンタジーの仲間入りをしたばかりの俺には心当たりしかないんだけど……。

俺は恐る恐るそのメッセージの内容を確認する。

まずは差出人は…境界の管理者と…

ふぅ………やっぱりめんどくさい気配しかしねー!!!

…でも読まなくちゃ駄目だよな?

俺は諦めて境界の管理者某から送られてきたメッセージにまた目を向ける。

そこにはこんなことが綴られていた。


=====

【境界の管理者】

コノメッセージヲ閲覧シテイルアナタハ無事死亡ヲ回避シマシタ。

ですが、それはこちらのミスによるものです。

あなたが交通事故で死にかけていた頃、境界の防衛システムがダウンしてしまい《地球》にゴブリン二匹、レッサーレイスが侵入してしまいました。

ゴブリン二匹はこちらの追跡をまき未だ捜索中。

そして、レッサーレイスは侵入後憑依できる体を発見。

それがあなた。

レッサーレイスはその後死にかけていたあなたに憑依を実行。

結果レッサーレイスはあなたの魂の大きさに敗北。

レッサーレイスはあなたの魂に統合され、あなたは人間でありながらもレッサーレイスの特性を手に入れました。

この影響で本来死ぬはずだったあなたは生き永らえました。

ですがあなたの《死》という《運命》をねじ曲げてしまったのも事実。

なのでこちらのメッセージをご覧いただけたということであなたに【鑑定Lv.1】のスキルを送らせていただきます。

こちらのスキルを使用してレッサーレイス、スキルに関して理解を深め不幸な事故が起こることを避けてください。

何卒よろしくお願いします。

尚このメッセージは【鑑定Lv.1】の習得が確認されたら自動的に消去されます。

=====


「………は?」


そして、俺の中に何かが入ってくるような気がした。

するといま開いていたメッセージが下からどんどん消えていく。


「……おい!ちょっと待て!」


だけどそんな俺の願いは届くこと無くメッセージはどんどん消えていき最終的には影も形もなく消えてしまった。


「……まじかよ……」


俺はしばらく呆然としていたが気を取り直してさっきの文章について考えることにした。

まずさっきのことは俺は死にかけた時、憑依してきたレッサーレイスと俺の魂が統合された…つまり吸収されたってこと。

とりあえずそこはわかった。

まあ、死の運命やらレッサーレイスと俺の魂が統合されたから助かったやら言われてたみたいだけどなにわともあれ生きれて良かった。

いや、冗談抜きで運が良かったんだな…

どんな確率だよ死にかけてるところにレッサーレイスが侵入してきて…うん?


さっきのメッセージ通りだとゴブリンも侵入してるって書いてあったよな…

うん。気づかなかったことにしよう。

境界の管理者さんも捜索中って言ってたし大丈夫だろ。

ダイジョブダイジョ~ブ。


「ま、まあ、せっかく新しいスキルくれたみたいだし確認しとこうかな」

「ステータス」


------

名前:神山 空

性別:男

年齢:16歳

種族:人間Lv.16/レッサーレイスLv.1

職業:学生


体力:160/240 魔力:110/110

攻撃:26

防御:20

俊敏:36

器用:46

知力:79

幸運:46


所持SP100

魔法スキル:なし

取得スキル:【暗記Lv.4】【速読Lv.2】【柔術Lv.1】【鑑定Lv.1】

種族スキル:【魔力操作Lv.1】【魔力増加Lv.1】【浮遊Lv.1】

職業スキル:【知力強化Lv.2】

固有スキル:【吸魂Lv.1】


称号:境界の管理者とコンタクトを取りし者

------


これはまあ…【鑑定Lv.1】はわかる。

さっきあげる的なこと言ってたから。

だけどこれ、称号はどういうことだ?

もしかして境界の管理者さんってあのメッセージだけで称号になるくらいヤバい存在だったりするの?

じゃ、じゃあまずはレッサーレイスから詳しい所をちょっと見ていきましょうか。

え~っと【鑑定Lv.1】の使い方はっと…なになに…ほ~ん詳しく知りたいものに鑑定というだけか。

それじゃあさっそく。


「【鑑定】」


するとステータスの上にまたさっきのメッセージのような半透明のボードが出てくる。


レッサーレイス

分類:魔物

レイスの下位種族。

種族Lv.が上がると進化するが進化するまで幽霊ゴースト種共通の種族スキルである【吸収】が使えない。


「…これは中々…」


まあ、名前にレッサーってついてたからある程度予想はしてたけどやっぱり、普通のレイスの下位種族だったか。

それにしても、この【吸収】が使えないっていうのが気になるんだよなぁ……

効果がわかってないから何も言えないんだけど名前の響きからしてなんか使えそうな感じするんだけど……


まあ、こればっかりはしょうがない。

進化できるのが何Lv.かわからないけど進化したら使えるようになるんだからそこまで待てばいいか。

それで一番気になるのが…


「吸魂何だよな…」


名前だけならさっきのレイスの吸収ににてるけど名前が物騒なんだよな~。

……まあ、とりあえず。


「【鑑定】」


…!!


「これ…マジか?」

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