私だけに強気な公爵様

plutoniumプルトニウム

私だけに強気な公爵様


 公爵様は、国民全員に愛される程カッコ良くて性格のよい、優れた人間であった。


 常に国民全員のことを思い、彼のことを憎んだり、嫌ったりする人は誰一人としていなかった。


 「ふぅ。あぁ。疲れた。おい!ラミファ!#おやつ__・__#はまだなのか?」

 「はい!すいません!ただいま!」


 そう。彼は、私だけにはSっ気を出して、強気に扱う。理由は分からない。だが、こんな扱い方をするのは私以外見たことがない。なにか、特別な理由がありそうだった。


 「はぁ…執事だってのに…使えねぇなぁ。」

 「す、すいません!」


 すると、公爵様はこちらを見て、ため息をつきながら、頭に手を伸ばした。


 「え?」


 公爵様は、私の頭のゴミを取ってくれたのだ。


 「公爵の執事として失格だよ!こんなんじゃ…」

 「す、すいません…」

 「ま、まぁ、良いけどよ…」


 何故か、公爵様が少しオドオドしているように見えた。


 「そ、それじゃあ、掃除をしますね!」


 私は、急いで立ち去ろうとした。その時、足を滑らせ倒れそうになった。


 「キャッ!」

 「あ、危ない!」


 公爵様が、とっさに背中に手をまわして押さえてくれた。


 「あ、ありがとうございます。」


 すると、公爵様はとっさに手を引っ込めた。


 「ま、全く、気を付けろよ!執事なんだから!」


 そのとき、少し公爵様の顔が赤くなっていることに、気が付いた。

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