ヲタクな彼女と彼女を写真に収めたい親友ちゃん

闇野ゆかい

第1話変態を相手にするのは滅入る

「ねぇねぇ~まなっちゃんって彼女あのことどんな関係なの?知りたいなぁ~」

クラスメイトの女子が笑みを浮かべながら訊ねてきた。

「どんなって......トモダチ的な」

「趣味友って感じ?」

「そういうんじゃ......」

「そっかぁ~ウンウン。理解した」

勝手に納得し、二度頷くクラスメイトの宇津見だった。

「宇津見ぃー、授業中だぞぉー!三好の邪魔するなよ、全く。さっさと前向けぇー」

「はいはぁいぃー、さぁ~せぇん」

教師と宇津見のやり取りに周囲のクラスメイトらが笑い出す。

教室内に漂う雰囲気に、思わずため息が漏れた。


弛緩した教室内の雰囲気は今に始まったことではないけれど、このクラスはメリハリのなさが目立ち教師から多少腫れ物扱いをされている。

授業中に私語で溢れているだなんて、日常茶飯事で、日本史と化学くらいが真面に受ける授業になっている程だ。


休憩時間に入り、煩わしい彼女やつが教室に飛び込んで、私の背後に回り込んで躊躇せずに胸を揉みしだいてきた。

「ほらほらぁ~我慢せず喘いじゃえよ~ぅ!」

耳もとで囁きながらはやめろって言ってんのにっっ!


彼女コイツ──京堂きょうどう愛佳が親友だなんて......もうぅ~嫌だぁ~!





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