特になし

@yumekun220

第1話

寒い・・・


しんしんと雪も降る寒い日、俺は公園で寝ていた

ああ・・金も無い、家も無い、泊めてくれる友達もいない・・・

俺にあるのは近くの家のフリーWifiでつなげたスマホにいるディスコ友達だけ

「あーあ、女の子降ってこないかなー」


ガタンッ

!? 突然の何かがベンチにぶつかって倒れる音がした

おそるおそる近づくと、人が倒れている

「う”う”う”~き”も”ち”わ”る”い”~」

どうやら酔っ払った人っぽい・・・とてもお酒くさい


「大丈夫ですか?」

「み”ず”~」

・・・水なんて持ってない。どうしようかと考えていると、水・・・あった!

公園だけあって水飲み場があってよかった

「お水・・器がないので私の手移しですが・・どうぞ」

ゴキュゴキュ・・・

「ちゅめたい」

手移ししかなくてどうなるか不安だったけどちゃんと飲んでくれたようだ

それにしてもこの人・・・可愛い・・・20歳・・行ってるんだろうか・・・でもお酒って未成年駄目だし・・・とりあえず可愛い人だなぁ



この人は落ち着いたのかまた寝てしまった

俺がお世話になってる公園の隅にある秘密空間(ダンボールハウス)になんとか連れてきて休ませている

こんなに寒い中ベンチとかじゃ最悪凍死してしまうかもしれないし、こんなにかわいい人だから変な輩にひどいことされる可能性があるから

勝手に連れてきたとはいえ、放置するより幾分マシだろう


「すぅ・・・すぅ・・・」


それにしてもかわいいな・・・

俺は女だけどこんなにも無防備だと襲ってしまいたくなるほど可愛い


「むにゃむにゃ・・・ダメだよぉ」


!?


心を読まれたのかと思って身構えてしまったけど特に起きた様子はないな・・・


俺も寒いし横に・・・なりたいけどスペースがあまりない・・・

ゴクリ


いい・・・よな・・・女同士だし別にやましい気持ちがない・・・っていったら嘘になっちゃうけど、一緒に横になるだけだ


一緒に横になるだけとはいえ背中合わせに可愛い人の体温が伝わってくるし可愛い寝息が聞こえてくる・・・

顔が熱くなるのを感じる


「んー・・・」


ひゃっ!?


寝返りをうったかと思ったらこっちを向いて手を回してきた・・・

起きてるの?!


「ううん・・・あったかーい・・・むにゃむにゃ」


起きてはないのかな・・・でも・・・この体勢はまずい・・・


俺の胸に手をおもいっきりまわされてて・・・

そんなにあるほうじゃないというかむしろ無いに等しいとはいえ・・・

それに心臓の音きこえちゃうよぉ・・・


第2話へ続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る