宵闇の狭間
亜未田久志
炎尾暴走編
プロローグ 魔都
一九九九年、東京は恐慌状態にあった。繋がらない電波、迫る『大予言』の日。恐怖の大王が降臨するというその日。そんな世界の宵闇で蠢く者達が居た。
片方は東京都港区芝公園から湧き出る百鬼夜行。『境界』を超えて来た越境者たち、人ならざる者達。人間はそれら全てをまとめて「
そしてもう片方はそれを狩る者達、境界越境者殺害許可証持ち、通称「
人類の近代兵器が火力が通用する囚を素材に武器を製造し残りは己の体術で神の如き妖怪変化と戦う者達。
――ある日、大火災が起きた。それは辺り一面を焼いた。家々を中の人が逃げる暇も無く焼いた。少年の目の前で家族は火の中に消えた。それが復讐への第一歩だった。少年は残された家の体術を継いで、祖父と祖母に育てられ、さらに広がる火災から目を背ける事無く。その行方を追った。それは東京タワーに向かっていた。
少年が境界越境者殺害許可証の存在を知るのは体術の免許皆伝をしてから。少年は代々家に受け継がれて来た狐狗狸の牙で作られた短刀を持って、未来視の力を得る。
受け継いだ体術の名は「
復讐で器を満たした殻だ、と。
許可証持ちには殺し名が与えられる。発行しているのは国の特務機関。そこで先輩境殺の
こうして殻器は短刀を持って東京タワーの袂まで迫る。
狙う敵「
「夜明前が一番暗いと言ったのは誰だっただろう」
そんな事も忘れてしまいながら。
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