27 カレ・・・カノ・・・?!

「彼女さんのために素敵な洋服を紹介しましょうか。」


 何を言っているの。いくら勇者だからといって、ロベルさんの彼女なんて。


「こちらとかはいかがでしょう。」


 何でこの店員は普通にワンピースを持ってくるの。やめてよ。


そんな時のロベルは


 ピリポさんの彼氏。そんなふうに思われるのか。ピリポさんはどう思ってるのかな。嫌かな。わからない。とにかく、弁明しなくては。


えっ。いない。どこいった。



「試着をしてみてはいかがでしょう。試着室はこちらです。」


 こんな服私に合うかしら。とりあえず着なくちゃ。待たせるのも悪いし。



「彼氏さん。彼女さんはあちらで試着していますよ。あちらで待たれた方が。」


「か、彼氏ではありません。けど、ありがとうございます。」



「あ、ロベルさん。ちょうどですね。」


 試着してるってことは。だいぶ、固まってたのか。


「どうですか。」


 ワンピース。か、かわいいけど。そのまま言った方がいいのか。


「もう、何か言ってよ。」


「いや、とっても似合っててかわいいから。」


「っ。」


 て、店員の視線が生暖かい。は、早くこの店から出たい。


「ピリポさん、その服買って出よう。」


「は、はい。」




「今日はありがとう。じゃあ、明日の学院で。」


「そうですね。また明日!」



「ただいま、シュラウツ。」


「おかえりなさいませ、ロベル様。実家からお手紙が来ております。拝見しますか。」


「実家からか。わかった。今すぐ読むよ。」


 実家から手紙が来るなんて。何があった・・・


「母さんが妊娠した!?」

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