26 デートです!(ピリポ視点)

 ロベルさんから誘って来るとは思ってませんでした。正直、すごい恥ずかしいです。


「ピリポさん、あの店寄らない?」


 あの店って。フルーツを使ったデザートで話題のお店じゃない。ロベルさんってこんな人でしたっけ。

 ああ。寄るか聞かれてるんですから答えないと。


「そ、そうですね。い、行きましょう。」


 何よ。私、緊張しすぎてしょ。しっかりしてよ。こんな恥ずかしい姿を見せ続けたくわないのよ。


「いらっしゃいませー。お二人でしょうか?」


「は、はい。」


「ではこちらへどうぞ。」


 すごい、素敵なお店。少し空いているタイミングでよかった。混む時は30分以上待たないといけないらしいから。


「こちらの席にお座りください。」


 ま、窓際の席!?何でそこなのよ。もっと別の場所とかなかったの。


「こちら、メニューです。1番人気はフレッサとフランボワーズのパルワイトとなっております。」


 どうしようかしら。さっきのパルワイトも気になるけど、パルシーとティーンツーパのスィーヤのトルテの方が気になるのよね。


「何にする?」


 急いで、ちゃんと決めなきゃ。


「わわ私はパルシーとティーンツーパのスィーヤのトルテにしようと思う、わ。」


「僕はフレッサとフランボワーズのパイワルトにする。フレッサは好きだから。」


「そうなのね。」


 フレッサが好きなのね。知らなかったわ。


「すみません。」


「はーい。注文でしょうか。」


「はい。パルシーとティーンツーパのスィーヤのトルテとフレッサとフランボワーズのパイワルトを1つずつお願いします。」


「パルシーとティーンツーパのスィーヤのトルテとフレッサとフランボワーズのパイワルトですね。」


「・・・。」


 こういう時、何を話せばいいのでしょう。


「・・・。」


 ロベルさんも喋らない・・・。


「・・・。」


「・・・。」


 10分後


「お待たせしました。パルシーとティーンツーパのスィーヤのトルテとフレッサとフランボワーズのパイワルトです。」


「ありがとうございます。」


 お、美味しそう。


「じゃあ、食べよっか。」


 じゃあ、一口。んー。


「美味しいわ。」


「どんな味なの?」


 ちょっと、リアクションを取りすぎたかも。


「パルシーの甘みにスィーヤの濃厚さが合わさってすごく美味しいのよ。ちなみにそれは?」


 ロベルさんは食べても何も反応しないから、聴いちゃった。


「フレッサの甘みとフランボワーズの酸味にこのクリームがとっても美味しいよ。」


 た、食べてみたい。


「ちょっとそれ食べてみてもいい?」


 あ、言っちゃった。


「う、うん。いいよ。」


 ちょっと困らせちゃったかも。でも、食べてみたいんだもん。


「んー。美味しい。1番人気なだけあるわ。」


 ほんと美味しい。これも頼んでおけば良かったかも。


「そう。なら良かった。」


 その後


 ロベルさんが払おうとしたので。


「私、両方食べてしまったのですから払いますわ。」


「いや、僕が誘ったんだから、僕が払うよ。」


「いいえ。私が払いますわ。」


「僕が払う。」


 このような言い争いになってしまったのです。しかし、このことがあったので奢ってもらってしまったのですよね。


「ピリポさん。所持金多くないんじゃないの?」


「くっ。」


「くっ。って言ったよね。ならやめなよ。」


 お金を余り持ってこなかったことが仇になったわ。


「し、仕方がないわね。奢らせてあげるんだから、感謝しなさい。」


 自分でも何言ってるかわかんなくなってきた。


「じゃあ、奢りますよ。」



その後


 服屋を見てて


「寄る?」


 そう言われて、寄ってしまったことがダメだったと後悔した。

 店員に話しかけられた時点で。


「彼女さんのために素敵な洋服を紹介しましょうか。」


 固まった。そう、2人とも。

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