17 教え子が増える

 今日もいつもどうりの訓練とはいかなさそうだ。なんかつけられてるんだよな。1等貴族だしなんかされることもなったんだけどな。予知眼を使っても何もしてこなさそうだし大丈夫な筈だけど。


「ピリポさん今日もやっていきましょうか。」


 思えばもう2、3週間経ってるんだよな。それなのにもう威力3倍までできるようになってるし。俺は2、3ヶ月かかったのに。


「分かりました。今日はどっちをやりますか?」


「うーん。今日は魔力の方にしようか。」


 しばらくして


「ちょっと抜けてもいいか。」


「どうしました。」


「ちょっと用を思い出してな。悪いけど続けててくれるか。」


「もちろんです。」


 一旦、校舎に行って様子を伺うか。何を目的にしていることやら。

 まあ、図書館にでも行くか。


 やっぱでけえな。前に来た時も思ったけどバカでかいんだよな。それより、予想外なのが俺について来たことだからな。


「どうしましたか。ずっと追いかけていたようですが。」


「いや、その、決してやましいことがあるわけでもないんですけど。」


「では、なぜですか。」


「あ、あの私に勇者様みたいに魔法を教えてくださらないでしょうか。」


「えっ。」


「ダメでしたか。」


「いや、そういうわけじゃなくて。予想外だったせいで驚いただけです。」


「そうでしたか。では教えてくださいますか。」


「えぇ、もちろんです。」


「ありがとうございます。」


「そういえば、あなたの名前は何でしょうか。」


「そうでした。3等貴族のデココ・エラントです。よろしくお願いします。」


「知っているかと思いますが私は1等貴族のロベル・クライエットです。こちらこそよろしく。」


 そういえば、そろそろ戻らないとまずいかな。


「では、魔法訓練場に戻ってもよろしいでしょうか。勇者様を待たせすぎるのは良くないので。」


「はっ。も、もちろんです。」


 急ぎ目で戻らないとな。多分、15分くらいは絶対に経ってると思うから。


「待たせてすまない。」


「お帰りなさい。誰ですかその人。」


 なんか怖い顔してるんだけど、何ダメだったかな。


「私はデココ・エラントと申します。私も魔法を教えてもらうこととなりましたので、よろしくお願いします勇者様。」


 なっ何、怖いからやめて。まじなんなの。そして、ピリポはなんで俺を見てくるの。

 近づいてきて何するの。体が震えてるような気がする。


「後でじっくり話を聞かせてね。」


「は、ハイ。」


「では、続きをやりましょう。ロベルさん。」


 何でそんな普通にできるの、さっきまでは何だったの。

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