第1話(5)・プロゲーマー試験の試合開始!
春の陽気を思わせる爽やかで心地よい風の吹く都会の街。
身を任せたい程の風とは、裏腹に地上から激しい爆発音と、立て続けに金属同士が衝突する音が聞こえる。
私達は、HPCを開きクエストを確認しながら屋上から見下ろした。
まるで、ドラゴンの様な形の戦車が次々に炎を吐いている。
対象は、逃げ惑う人々。老若男女構わず、蹂躙している。
それを守る様に、全長6メートル程の人型のロボットが剣を手にして戦車のドラゴンと戦っている。
「戦争?」
私は、食い入るように戦いを見つめながら、2人に聞いた。
「みたいね。アンドロイド軍と人間軍が戦ってるみたい。その両者から、戦争に参加する様にクエストとして出てるわね。ドラゴンの方が人間軍。人型のロボットに乗ってるのがアンドロイド軍ね。もう一つ、シークレットってクエストがあるけど、どうする。」
姫咲ちゃんが、思考を巡らせるように、考える素振りを見せながら、優しく聞いてきた。
「シークレットは選択不可みたいだな」
唯ちゃんは、HPCを操作しながら私達に不思議そうに返した。
「シークレットが、なんなのか分からないけど、手っ取り早く経験値を稼ぎレベルが上がるのは、戦争に参加する事。」
「美樹?本当にそれでいいの?」
姫咲ちゃんは不安を覗かせて聞いてきた。
「でも、そうじゃない。私達は、試合の以前にRPGをしている。この世界の為、この世界の生きとし生けるものの為に、最善の選択を考える行動する。それに、アンドロイドも人間も関係ない!」
「シークレット目指すか?」
唯の言葉に私は力強く頷いた。
「武力が全てじゃない!この戦争を止める方法を探そう!きっとそれが、シークレットだと思う!」
上空に飛ぶと目立つ為、私達は建物内のエレベーターに乗ると地下に降りて行った。
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