機動隊伝令巡査

@asahigaoka0214

第1話 

私は宇田盾重、機動隊員、隊長付伝令の巡査である。伝令は隊長の下でUW-4型無線機での通信や他の隊員への情報伝達を担当する。

ある日、私は訓練を終えUW-4型無線機を置いていると先輩隊員が血相を変えて飛び込んできた。

「宇田! お前の幼なじみが刺されたってニュースで! 」私は冗談だろ、と思いニュースを見るとそこには私の幼なじみこと三田夏絵の顔写真と名前が出ていた。私はどうしていいか分からないのとショックでその場に立ち尽くした、すると隊長が入ってきて「宇田、お前の幼なじみの親御さんから連絡があった、お前の幼なじみは警察病院に運ばれたそうだ、早く行ってやれ。」と言った。隊長は普段から厳しく鬼の隊長と言われているが意外と隊員思いの良い隊長なのだ。私が「勤務中、すいません」と申し訳無さそうに言うと隊長は「いいんだよ、大事な幼なじみが危ないんだ急げ!」私は「はい!」と言い出動服のまま警察病院に走った。

10分後、私は病院に着き、夏絵の病室の場所を聞いて急いで病室に入った、私を見て夏絵は笑いをこらえながら「盾くん、出動服のまま来たんだね。」と言った、私は「だって」と言う、すると「だって? 」と夏絵が言う、私は心臓がなるのを抑えてこう言った。「好きな人が、刺されたのに着替えてなんかいられないよ」と言った、すると周りの人の視線を感じ私も夏絵も顔が赤くなった。私は夏絵の手を取り「夏絵、お前を刺した犯人、俺が捕まえるから安心して」と言い私は病室を出た。病院の外に出るとマスコミが私に近づき「あなたが幼なじみの方ですね」と言った、やれやれ、どこで知ったのか、と思いそのまま行こうとするとテレビ局の記者が「幼なじみを刺されて、今はどんなお気持ちですか。コメントを」と言ってきた、何て言うこと聞くんだこの野郎! 「今の気持ちだと? 君にとっては三田夏絵と言う番組にするただの名前に過ぎないんだろうが、俺にとっては小さい頃ずっと一緒に過ごした大切な人なんだ。君に俺の気持ちなんかわかるか!!」と言い私はその記者に近づいた。本気で殴ろうと思った。すると傍にいた機動隊新聞の吉見将記者がテレビ局の記者を押しのけて無精髭面をつき出し、「俺はわかるぞ、俺も一緒に泣いてやらあッ」と抱きついて私と一緒に泣き出した、嬉しかった。後日この吉見記者とは毎週食事をする仲になった。

それから私は訓練の合間に独自の聞き込みをするなど独自の捜査を始めた、それには吉見記者も協力してくれた。しかし情報が集まらず1週間の時間が過ぎたある日、隊長が来て「宇田、入口にお客さんだ」と言われ私が入口に行くとそこにはボロボロのコートを着た男がいた。私は「誰ですか?」 と言うと

男は「同じ学校の太郎だよ!」と言いナイフを取り出した。「お前ら幼なじみだからってイチャイチャしてんじゃねえよ!」と言い向かって来た私は男と格闘になった。しばらく揉み合っていると腹に激しい痛みを感じた、刺されたのだ。だが私は最後の力を振り絞り奴に体当たりをして倒れたところで奴に手錠をかけた。と同時に隊長達が向かって来るのを見て私は意識を失う。

次に目を覚ますと私は病院のベッドに横になっていてそばには夏絵、吉見記者、そして隊長がいた。

体を起こすと同時に夏絵に平手打ちされた。

夏絵は「盾くん、無茶しないでよ!」と言い泣き崩れ、隊長や吉見記者からは「バカヤロー、お前が死んだら誰が幼なじみ守るんだよ!」と言われた。

あれから3年後、私と夏絵はしばらく交際した後結婚した。結婚式には吉見記者、隊長や先輩隊員達が来てくれた。そして私と夏絵の間に男の子が生まれた。ある日、夏絵は「あの時はありがとうね」と言った、私はえっ? と言うと夏絵は「あの時盾くんが約束してくれた通りに犯人を捕まえてくれて」私は「ああ」と言い玄関に向かう。すると息子が「おとーさんいってらっしゃーい」と言い夏絵も「いってらっしゃい」と言ったので私は「行って来ます」と言い出勤した。

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