「叉雷の鱗」は、なぜエタったのか? -自作のエターナル小説について語る-

福守りん

★はじめに

 これは、小説ではない。

 小説らしきものは出てくるが、完結していない。

 いわゆるエターナル小説について、作者が反省をこめて語るものである。


 ……はい、どーもー。

 上の文体ではもたないので、さっそく、ぐずぐずです。

 作者です。当時は、別のペンネームでした。


 当時は、えーと、2005年あたりですね。

 2004年4月に書き始めて、2005年3月に小説サイトを開設。序章と一章の[1]を投稿。その後、2009年3月の投稿を最後に、永遠の眠りにつきました。

 それでも、ずいぶん長いこと、サイト自体は有料サーバーに置いていました。

 いつかは続きを書きたいと思っていて、できていない状況が長く続きましたが、昨年だか一昨年だか(もう覚えてない)に、廃止申請をして、それ以来、サイトごとネットの闇の中へ……。


 エタった理由は、アクセスがなかったからではありません。

 無料のアクセス解析のCGIを入れていたため、あんがい読んでもらえていること、序章から通して読んでくださっている方が何人もいることも分かっていました。

 でも、完結できなかった。なぜだ?!

 作者本人なので、理由はなんとなく分かってます。それを、この機会に言語化してみようという試みです。

 これからファンタジーの長編を書こうと思われている方に、少しでもわたしの失敗を役立ててもらいたい。

 これは、そういう物語です。



 ざっくり、キーワードだけ下に置かせてください。

 このままの話題になるかどうかは、ちょっとまだわからないのですが。


・壮大すぎる設定

・入力が大変すぎる当て字(しかも漢字)の人名

・とっちらかる視点

・わき役の反乱

・モチベーションを維持するには?

・感想0

・アクセス解析で手に入れたデータからの圧

・小説を書くって、本来たのしいものだったはず……(義務感とか)

・本当に書きたかったものは?

・受け継がれたもの(別の小説に核だけ入れた)


★序章の前に

 次の頁に序章を貼ります。

 小説以外のエッセイ部分の頁は、各話のタイトルの前に「★」をつけることにしました。

 ★で始まる頁を飛ばして、小説部分だけ拾い読みできるようにしようと思います。ただし、未完結です。

 本来のあらすじと、結末までの断片的な文章は公開します。


 今回は、そもそもこの話はどういう話なのか、なぜ書こうとしたのかについて語ります。



 下は、当時たくさんあったファンタジー系の小説サイトの検索サイトに自分のサイトを登録する時によく使っていた文章です。サイトにも載せていたので、そのままひっぱってきました。

 

「異世界ファンタジー「叉雷の鱗」を連載形式で発表中。

 叉雷さらいは幼い頃に、ある伝説の獣に魅了された。以降、彼は見果てぬ幻を追うように「それ」を捜し続ける。――叉雷が追うものとは何か?

 文字数制限短編シリーズ「三百字」も随時更新中です。」


 余談ですが、三百字以内で終わる小説は、こちらで連載中です。二十本あります。

 あんまり上手く書けてないけど、三百字でも小説のようなものは書けるんだなあと当時感心していた覚えがあります。


 本題に戻ります。



★どういう話か?


 あまり書くとネタバレになってしまいますが、簡単に言ってしまうと、「龍」の話です。

 たぶん海外の、日本のアニメ製作会社でアニメ映画化もされた某超有名大作魔法系ファンタジーの影響だと思います。

 でも、ドラゴンじゃなくて、龍なの。

 このニュアンスは、ぜひわかってもらいたい……。わからなくても、わかってる体でいいです。

 ものすごく強くて、ものすごく美しい存在と、人が共存しているイメージがあって、そういう話を書こうと思っていました。



★なぜ書こうとしたのか?


 これねー。前提として、わたしは子供の頃から(それこそ十代になる前から)、お話や絵をかくのが好きでした。

 いつか、そういったもので生活の糧を得たいと思っていました。が、そうはなりませんでした。(アルファポリスさんの方に投稿したエッセイ漫画「呪いの話」を読んでいただくと、ざっくり状況がわかるかもしれません。読んで!(おい))

 逃げ、といったら小説に失礼だとは思うのですが、これを書き始めた当時は社会復帰したばかりで、就職してすぐの頃だったんですね。

 通勤時間が一日のうち四時間超あって、漫画を描く時間はなかった。

 それでも、なにか物語にふれていたかった。

 だから、小説を書き始めたのだと思います。

 それを裏づけるかのように、更新が途絶えた2009年は、わたしが会社を辞めて、漫画の投稿に着手したタイミングと重なります。

 小説も漫画も、どちらも大好きですが、本音は漫画家になりたかった。結果として、プロにはなれませんでしたが、今でも漫画は大好きで、よく読んでいます。



 ではでは、今回はここまで。

 次の頁は小説の序章です。

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