〜裏のセカイ〜
ガンジー
嵐の前の静けさ(前半)
タンタンと包丁を動かしながらも、ふと手を止める。そしてカチカチと音をたてる時計をちらりと見ると長い針は12、短い針は6をさしていた。もうこんな時間だったとは…
出来るだけ仕事で疲れた脚を労ってやりたかったが、最近一緒に住み始めた後輩が帰ってくることを考えると休んでいる訳にはいかない。帰宅までには準備を済ませてしまおう。学生は勉強が本分だからな!栄養を付けてやらないと。ふぅ、と息を吐き今日は早く寝よう…と心に決める。今日はいつもの退勤時間の16時頃によくドアの前で会う可愛らしい女の子と少し話す機会があったのだ。最近外出が酷く億劫だそうで、少し青白い顔をして外出は危険なのでは?と声をかけたが大丈夫だと俺に軽く告げて、フラフラとマンションのエレベーターの方へ歩いて行ったしまったのだ。大丈夫だろうか....。今度何がおかずのお裾分けを持って行こう。
『よし!完成だ!!ふふ、俺は偉いな…』
今日のメニューは豚のコマとゴボウのしぐれ煮・手作りのサラダチキンのサラダ・ひじきの煮物....あとはなんだか残り物混じりの簡単なものだ!一汁三菜以上にはなっているしな。
やっぱり疲れを癒すなら和食がいいだろうとそれなりの種類作った。疲れている時は美味しいものを食べさせたい!美味しいものは人を笑顔にするからな…!
『…それにしても、なんだか疲れたな…』
リビングに重たい足を引きずりソファーに深く腰を沈める。
『はぁ…』
- - - - - - - - - - - - - - - - -
『!!!…うっ、眩しいな…………寝てしまっていたのか。そうだ、今何時だ…?!』
やってしまった、と慌てて飛び起きる。
時計は20時を指していた。2時間くらい寝てしまったようだ。もう○○が帰ってきていてもおかしくない。すると、風呂場の方から湯を足している音がした。時間がすれ違うこともあるだろうから、一応おかえりくらいは言っておきたいのだが…。
脱衣所に足を向けると、そこに○○は居なかった。湯を足しながら入っているのか…?それとも部屋に…??と思い風呂場の扉に手をかける。
_______するとそこには、浴槽からは湯が溢れ出しており浴槽に死んだようにつかっている○○がいた。
『?!?!おい、おいっ!!○○!!』
肩を掴み揺する。
『...なに、うるっさいんですけど』
○○がゆっくりと顔をあげる。死んでなかった…良かった、と思った瞬間だった。
○○の顔を見ると口端が切れ、顔の所々アザになっていた。それは虚ろな学生時代の○○を連想させる。
『.....え』
少し後ずさる。継ぎ足されるお湯の音がうるさい。目がチカチカする。濡れてしまった靴下などお構い無しだ。
『わっ.......』
腕を引かれた、お湯は溢れているのに、注意する気分にもならない。
『あんたも入って、』
『えっ、ちょ?!うわっ…!』
唇を噛みつくように奪われた。が、直ぐに身体を押し突き放す____。でも既に腕を掴まれていたため抵抗ができない。
『先輩』
○○の顔を見れない。あ、謝らなくては。この状況をどうにか試行錯誤してぬけださなければ。
『す、すきっ……』
_____その瞬間、ごめん、悪かったと謝ろうとしたのに口は全く違う言葉を発した。
『......は、』
『…き…す、き…』
やばい、違うことを言いたいのに全く頭が回らない。どうしよう。どうしたんだ、俺。
ふと○○の方を見やると、いつもより少し低い声で、一見冷静にも見える面持ちで言った。
『なに……そういうつもりで入ってきたの』
ぐい、と腕をもう一度引かれてる。問いかけてはいながらも答えを聞くつもりはないのだろう。そういうつもりが何をさしているかも分からずに目を白黒させる。エプロンを剥ぎ取られ、○○がボトムのベルトをカチャカチャと外し始めたので答えは直ぐに分かった。
『別にさ、俺あんたにイラついてるとかそういうんじゃないけど…体許せば機嫌良くなると思ったわけ?』
顔を近づけられ、ボトムを下に降ろされた。
『もしかして俺、あんたに馬鹿されてる?』
ちがう
と、言おうと思ったのに………
『すき』
『……もういい、話になんねえ。こっちで進めるから。あんたは何にもすんな』
また噛み付くようなキスをされる。
着ていたTシャツを捲りあげられる。もう着ている服はお湯で濡れていて、肋付近を触る手は温かい。指で胸を弄られる。急に恥ずかしくなって、顔を逸らす。
『ぁ、…だめっ、こわ…ぃ…』
『なんで?』
ゴツゴツとした指が乳首をぐっ、とひっぱる。
『ひ、っあ、…なんか、…へん、な…こぇ、でる…お、おれっ…とし…う、ぇ…なのに……やめたい、も、ぅ…やめっ、んっ…』
『…はぁ…』
濡れた頭が肩に乗る。
肩に鋭い痛みに背中が仰け反った。
『ひう、っ…!!』
『っ、そんなのっ、言われて止められるはずないだろっ……』
腰に手を添えられて、自身の先走りでベタベタなペニスの先をカリカリ、とされて堪らなくなってしまう。腰が揺れる。
『ふ、ぁァっ!…ぁ、ゃ、んンっ…』
己の体に起きたコレを否定している。それでも。どうしようもなく、体は素直だった。男に愛撫され反応してしまっている性器を指摘され、羞恥に染まりながらも快感には抗えず。意識はそこからゆるやかに堕ちていった……。
ーーーーーーーー
『…ほら、もっと緩めろよ。じゃねーと俺の入らねえ、だろっ…』
『んンっ…、ッ、ぁ…ん、ーー~ッ』
浴槽から出た○○は俺の尻を上にあげさせ、頭は下げるような格好をさせた。先走りで散々慣らされた後ろは随分柔らかく、相手の指を三本は飲み込んでいる。前もたくさんいじられて、後ろもイイところをゴリゴリと刺激されて何回も目の前がチカチカした。もう、何回もイッた。何がどうなっているのかも分からない。
『ここ好きなんすね』
『んン、っ…!ぁ、ッ…、そこ、ばっか…ら、めぇ…』
『ははっ…目、うるっうるじゃん、蕩けてるみたい』
『センパイ。このままイクのと挿れるの、どっちがいいですか』
『っん、ぅ……き、きもちぃほう』
『いや、挿れられた事ねえし。男となんてした事もねえから分かんねえよ…』
『んぅ…、っ…じゅん、び、する』
フワフワとした思考で、○○のペニスを舌先でカウパーを掬うように舐めると、いっきに半分ほどを口に含む。
『咥えながら、喋んな、っ…あんたって、…っ、は、ほんとに、』
思わずセンパイの後頭部に置いた手に力を込めたくなるのをぐっと我慢し、さらに奥へと進めていこうとするのをじれったく眺める。
項へと触れると、少しだけ熱いような気がした。鼻にかかった甘い声が漏れ、うまいとは言えないフェラでも身体は興奮しきっていた。
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