近代の考古学
考古学とは、土地を掘ったりしながら、物理的な生活物品などを発見して歴史を検証しようと試みるものです。
考古学の好例を上げれば、我が博多志賀島の
『漢奴委国王』銘の金印です。これは、
『後漢書』の「東夷伝」の記載と一致し、日本が中国に臣従して交流していたことを証明させました。
また、貝塚の存在は縄文時代の生活状況を極めてよく示すものでしたね。貝塚というのは、縄文人が生活の中で出たゴミを投げ捨てていた場所になります。
この二つのことを考えると、現代はとても考古学的に難しい時代なのではないか、と思います。生活のゴミは焼却されるか、最終処分場に廃棄されるかになります。また、都市鉱山という考えがあり、使用されている電子機器を破壊して貴金属を取り出すなどの試みが行われます。建造物ですが、基本的に放置は許されず、しかも国は老朽化に厳しいためにリフォームされざるを得ません。そして、破壊するときは、素材を全て取り出して、土台まで全て抜き取ります。ただし、岩盤まで柱は伸ばされるように大抵行われているので、岩盤まで地層を破壊した痕跡が残ります。
そして地震もあります。津波もあります。噴火もあります。まあ、それは良し悪し分かりません。ローマ帝国のポンペイの町並みを噴火は完全に保存しました。また、地震で生じたがれきが土地の中に残留するのは考古学的に見れば良いことです。津波も、海は未開の地であるので新安沈船のように保存することができるかもしれません。そして、ルイ・ヴィトンが沈没したタイタニックから内部に浸水しない状態で見つかったり(耐久性やばい! )。
一番の問題はやはりディジタル化なのでした。電子決済がありますが、あれが人々の取引記録の現物化を完全に停止させました。月々の利用記録とか郵便で送ってくれたらいいのですが。この時代に人々がいかなる経済を行っていたのか分からなくなるのです。未来の人々がスマホを使えるはずないでしょうから。プログラミングも、充電も、操作方法も。漫画などが全てディジタル化したら後世の人々はどのような娯楽を享受していたのかも分かりません。
もちろんゲームも。音楽も(まあもともと音楽は極めて脆弱な属性を持ちますが)。
なので、以外に後世にまで残りそうなのは、不法投棄やポイ捨てになります。また、マイクロプラスチックが滞留した海や。
と、なります。まあ、なぜ私達が生きていた記録を残さねばならないか、僕も分かっていません。そして、人々が一度これから死に絶える、そんな突拍子ないことを想定しての考えですし。また、あと90億年すると、膨張した太陽が地球を飲み込み、全ての記憶が消え去られます。いつかなくなると分かっている記憶をそこまでして残す必要があるかも分かりません。
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