第12話 アップルパイの悲劇
泰真はとりあえず朝食に誘う。
茉穂のマンションのちょっと先の
パーキングに車を止めていた
泰真は茉穂の前をプラプラと歩く!
長身の上にあの見てくれ
女の子が振り向かない訳が無い。
茉穂は少し目立たない距離を
ついて行く。
「茉穂早くコイ」
いきなり振り返り泰真が叫ぶ
「いいよいいよ、先行きなよ」
目立ってしょうがないやんケ。
ツカツカツカとあと帰り茉穂の
手を掴んだ。
日曜日課外授業にでるのか
沢山の学生 が行き交う道
泰真と茉穂のその様子を見てた
JKはキャー
カッコイイと泰真を絶賛
回りを気にせず、恥ずかしがる
彼女を、俺様俺が彼女に甘い
って感じな雰囲気が妙にでてる。
「ええ〜そんななる?」
と小さな声で茉穂は呟く。
まあ当たってるっちゃ
当たってるけど、と思うが
茉穂はそんな声が気にならない風な
泰真を不思議そうに見る。
泰真に相手にされなかった頃の
自分も、あんなだったなぁ
JKの姿が自分に重なる。
バシッと車のスマートキーが
作動して泰真はサッサと乗り込む
「早く乗って」
「う、うん、はい。」
高級車には乗りなれているが
男子と二人は何となく苦手
何を話していいやら分からん。
シートベルトを茉穂が
閉めたのを確認すると
泰真の車は走り出した。
泰真の耳には挟めるタイプの
ピアスが・・・
首には金のネックレスが・・
会社ではけしてつけない貴金属!
つけても時計くらいしか見た事無い。
普段の泰真はこんなんなん?
ジロジロと泰真を見る。
運転する手には手首半分の
薄らとした痣
茉穂も自分の7分袖から見える
痣を優しく撫でて見る。
泰真と合わせたら丸い輪っか
みたいになる。
と思う、合わせた事無いケド。
こんな偶然が泰真と
茉穂を巡り合わせたのか?。
そんな事を考える。
朝食と言えど11時殆ど昼
「あー腹も減っちゃうなぁ」
茉穂はスマホで時間を確認しなが
ら呟いた。
「何食いたい?」
咄嗟の問いかけに迷う事無く
「うーんペスカトーレに
ピザに」
「じゃあイタリアンか?」
「ウンウンイタリアン
ドロンとしたモッツァレラチーズ
タラタラさせながら食いたい」
お腹空いてる時は、
アレもコレも食べたくなる。
「プッ 分かったイタリアン
レストランってかカフェだけど
そこらのレストランより凄腕だから
行こう。」
そう言うと泰真は白い歯を見せ
ながら笑った。
「食えるならどこでもいいよ。」
『.。oO彼はなんで食事に
誘ってくれるんだろうか?
それに昨日もご馳走になった
付き合っても無いのに
悪いなぁ~!』
車は駅前の方へと方向を変えて
走り出した。
ん?ラズベリーカフェ
デカい兎の置物が出迎える
あの有名なカフェレストラン?
カフェの駐車場へと入っていく。
車から降りて泰真の後を追う
コンパスが長いせいか
いつも茉穂は置いていかれてしまう。
人参型🥕の取ってに手を当てると
ドアが大きく開く
中にはブットレアの花が
ドカーンと咲いている。
白や赤、紫
ここの店主は植木や花に
詳しいって聞いた事がある
女の子に人気のカフェだ茉穂も
聞いた事はあったが
来たのは初めてだった。
.。oOヤッパ女の子慣れしてるなぁ
女の子が喜ぶ店を知っている。
茉穂が怪しい眼差しを送ってると
泰真は大きく右手をあげ振った。
すると向こうから泰真に気づいたのか、彼女も上機嫌で歩いて来た。
「泰真、久しぶりじゃん
どーしたァ?あ?
ついに彼女できたか?」
席に近づくと
彼女は茉穂をチラチラ見ながら
肘で泰真をクイクイ
「あ、あゃ彩乃
まだ彼女じゃないんだよ。」
「ん?まだ?」チラ
「あ、ああ、うん、まだだ。」
泰真は今まで見た事の無い
慌てふためいた感じで
否定してた。
.。oOそこまで否定しなくても・・
茉穂はちょびっと不服。
スラリとした宝塚の男役ふうな
綺麗な女性が仲良さげに
泰真と話し出した。
「こんにちは、ようこそ
泰真の友人でオーナーの
彩乃ですよろしくね。」
彼女はにこやかに茉穂に挨拶を
して来た。
「あ、はい。
華枝茉穂と言います。
彼は上司です。」
彼氏じゃない事を強調する。
「今はでしょう。」
彩乃さんは白い歯を見せながら
カハハハハと豪快に笑った。
「え?」
彩乃さんは目の泳ぐ泰真を
冷やかしながら
「メニュー決まったら
呼んでね
ごゆっくり。」
「ああ、彩乃また
集まって飲もうぜ!」
「うん。」
彩乃さんは茉穂に小さく手を
振って厨房へと消えた。
「綺麗な人・・」
茉穂が呟くと泰真は
「あれで子供3人いるんだぜ
旦那は某有名ホテルの
シェフなんだよ。」
「うわぁーすごい👏
綺麗な人だもんね。」
「アップルパイも頼んで
おいたぞ!」
「マジ
やったぁあ」
「あのメモ見たら
アップルパイへの執念が
分かるサ」フフ
・・・そう?
茉穂はちょっぴっと気まづい👉👈
モッツァレラチーズのカプレーゼ
にペスカトーレ
ピザはマルゲリータが大好き
色々あるけどSimple The BEST
泰真はシーフードのピザに
明太パスタにハンバーグ
にご飯。
ご飯ってトコが日本人だなぁーって
おもう。
『むむむあのハンバーグ
ジューシーで美味しそうーゴクッ』
食い意地の張った茉穂には
ハンバーグの匂いにそそられる。
ウッ美味しそうー
パクパクと食いつく泰真の
隙を狙う。
「ほら、ピザ冷めちゃうよ
コッチから食べなよー」
茉穂は泰真にピザを進め更に
茉穂の食いかけのカプレーゼの半分を
進める。
泰真の腹をいっぱいにして
ハンバーグを狙いに行く作戦!
ピザを平らげながら泰真の
ハンバーグが半分になった時
遂に茉穂のフォークが
ハンバーグに突き刺さる
驚いた泰真もフォークを慌てて
グサッ
茉穂をギロリ
なんのそんな
目クジラに負けるか!
身を乗り出して茉穂も本気だす。
「ググググ」
泰真も力を込めて取られるか
モード
「なんの負けるか!」
目を突き合わせながらフォークに力をいれ左手で、泰真は茉穂のカプレーゼを完食
目でカプレーゼが泰真に
飲み込まれるのを見て
「グググググググー」
ハンバーグを抑える手に力が
こもる。絶━━━━━対、コレ食う!!
こうなったら我慢比べじゃ
茉穂も絶対譲らない
このハンバーグを絶対、絶対食う!
と決意!!
「お前、マルゲリータも
ペスカトーレも
食っちまったろう、普通の
女の子ならもう食えねー
ってトコだろう。」
「アンタもシーフードピザ
とカプレーゼ
明太パスタ食ったじゃん。」
「カプレーゼ半分な!!
しかも俺はオ、ト、コ
全然食えるし
カプレーゼは茉穂が残したと
思ったんだよ。」
「へ?そこはカプレーゼのお返しするとこでしょうが!
ハンバーグをどうぞ!⇀てきな」
茉穂も譲らない。
ググググーついに皿がツツッ
と動き出した
二人はデコをすり合わせ
睨み合い
皿の動きは泰真が有利(いける)
泰真は勝ちを確信した。
食べたい気持ちより
今は勝負、負けたくない
ここで負けたら優位が決まる!
茉穂が勝つか、泰真が権力を握るか?
引けない!
もはやハンバーグがどうのの
問題では無い。
勝負が物をいう!!
睨み合いは続く負けるのだけは
避けたい。
負けた方が優先権を持ちコレから
の人生言われるがままの気がする。
あれして、これして、それやって
って・・・絶対折れない
負けられない。
パチン
「コラ泰真みっともない!!」
泰真の頭を小突いたのは
彩乃だった。
一瞬怯んだ彼の手力を、今だ""
泰真のハンバーグを引き抜き茉穂の大きく開けた口にスローモーションのようにーゆっくりと飛び込んで
いくハンバーグ
パックン
・・・・・
「あああぁぁー食われたぁー」
と叫ぶ泰真のBGMが流れる中
茉穂は、あんぐりと
デカイ口を開け、またまた残りを
「ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹」
茉穂はほっぺを膨らませ
ŧ‹”ŧ‹”
「ウワッおふおふおいしーい。」
と飲み込んだ。
「でしょう牛100パーセントで
作ってるから自慢の
ハンバーグよ。」
彩乃さんは自慢げに微笑んだ。
回りの客も、「あーあ!」
負けた勝ったと大騒ぎ!
「彩乃コーヒー(`o´)」
茉穂に負けた泰真は不機嫌に
注文する。
「ああ、ハイハイ珈琲ね
アップルパイも
持って来るね。
茉穂ちゃんは何を飲む?」
「んーピーチ水を
お願いします。」
彩乃さんは笑いながら
「すぐ持って来るわね。」
そう言った彩乃に泰真が声を
かける。
「いやアップルパイは持ち帰り
で頼むよ。」
「あらそうなの?」
彩乃は意外と言いたそうな顔をする。
「うん。」
そう答える泰真に
彩乃さんは不思議そうに答えた
随分不機嫌な泰真は水をくーっとあおると
「俺帰るからアップルパイ
直ぐ持って来て、ちゃんと包んでくれよ‼️
又誰かに引っ張り出されたくないからな!
アランとエルが楽しみに
待つてるし!サッサと帰るワ」
「そんな急がなくても」
彩乃さんはイライラしてる
泰真に
「まだ茉穂ちゃんがピーチ水
飲んでないじゃない。」
と声をかけた。
すると泰真は怪しく笑いながら
「茉穂はゆっくり飲んで帰れヨッ
俺は仕事あるから先帰る!( ー̀εー́ )」
「え?アップルパイは?🥧
私の分もあるんだよね
泰真そう言ってたじゃん。
昨日からずーっと食べたく」
と言い出した茉穂の声を
遮るように泰真が声を荒らげる。
「は?俺
仕事なんだけど❗💢」
ピキピキとした顔を向けて
スッと茉穂を無視した。
茉穂は朝から連れ出され、1人で
帰れと遠回しに言われ💢
泰真は伝票を掴むと携帯を出したが茉穂が先に泰真の携帯の上に携帯を出しpaypayで茉穂がサクッとお支払い。
ニマニマ笑う(また勝った)茉穂に
泰真は又イライラ💢
負けた上に又やられた、
泰真のプライドはズタボロ!
アップルパイも置いて泰真は
怒りのまま店を後にした。
茉穂を1人ラズベリーカフェに
置いて。
「ええ〜」
気の抜けた声をだし
茉穂はアップルパイを
持って泰真の後を追う
「ちょちょちょーっとおー
置いて行くなー」
茉穂の叫び声が聞こえたか?
分かんないけどブォンブォン
と音を立てて茉穂を置き去りにして泰真の高級車は、走り去った。
「そ、そんなああぁぁーぁ!」
茉穂は方向オンチ
確か〜コッチ
違うかーアッチ
街中は何回も行ったり来たり
してるから分かるけど
端っこ端っこは同じ景色のようで
違うようで・・・
グルリと頭の中が回転して
グウルグル𖦹ࡇ𖦹
こんな時はタクシー拾って
帰るが1番
幸い駅前だからタクシーは
駅に行けば並んでいた。
「あーあ、タクシー2000円の出費
食事代で、一万、合計一万2000円
チョー出費!!」
あーあ家でお茶漬け食って置けば
いやいや凄く美味しかった。
一万は安いかも知れない
たまにはいいか
今度は2人分払わなくて
いいように一人で行くか!
もうアイツには関わらないで
おこうっと!!
ろくな事が無い!
まあ海鮮奢って貰ったから
お返しってとこか!!
何とか自分を納得させる
案を出す。
でも
茉穂は何故かあんなに楽しみな
アップルパイに手をつけれ
ない。
「あの犬達のだったのか!」
泰真の言葉が甦り食べれない。
「仕事って会社か?
家って言ってたけど違うな
会社だ!」
イライラと鬱憤が溜まった泰真が
一人部屋に居る訳無い!
憂さ晴らしでもするはず!
茉穂は決心して会社へと向かう。
警備さんに頼んで何とか中へ
エレベーターは止まってるはず
が動いていた。
「あ、仕事は本当か!」
ちょっとした安堵
専務室に着くと・・・
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