第2話 前世な夢
そして諒佳とそんな話をして二週間が過ぎましたよ、そろそろ泰真の身辺調査の結果が出る頃じゃあ なかろうか?
そんな事を考えていた。
茉穂はまだ彼に顔さえ覚えて貰えていない!
会社の玄関先にピッカピカの黒い車のフー〇が止まると直ぐ人山ができる。
車から降りた彼をサササササーと手早く取り囲む警備は近ずきさえ出来ないんだよぉぉお!
チビな茉穂は人山の後ろからピョンピョン飛んでみるがまーったく顔さえ見えない。
(T_T)
こんな状態で付き合うはおろか知り合いにもなれない!こりゃあなんか手を考えねばなるまい!
そんなある日・・・
諒佳から電話があった。
丁度昼休みを狙ってかけて来たのだろう。
「茉穂、彼は・・・チョット
やめたがいいカモ‼️」
諒香は言いにくそうに言った。
「女?」
茉穂はスグ "ぴん"と来た。
またしても言いにくそうな諒佳の声は、歯切れが悪く
「う・・・ん。
彼はね、余り女の子と付き合って
なくてね。
その代わり・・・男の人とは
・・・めっちゃ夜を・・ね
分からない?」
ガ━━━━━━━ンII
「そ、そういう事!!」
「う・・・ん。
まぁマンションはタワマン
だし警備もいるし張れなかった
みたいだけど間違い
無い・・・と思うよ。
男ってか彼の側近・・
すごく男色気あってサ
だからさ茉穂は無理と思う。
お、男なんていっぱいいるし
まあ、気持ち分かるんだけど
それなりにショックだ・・よネ💦
いざとなったらお見合いよ
お見合い!!
アンタは華枝凛太郎の娘って
ブランドなんだから
男なんて選び放題なんだよ
妥協する必要は無し!!」
「うん、
分かった❗」
「分かってくれた?ホッ」
諒香の張り詰めた声が急に安心したのか緩んで来た。
「うん、闘志わいてきたー
困難に立ち向かうの大好き
こんなんで諦めない!!」
「え、え、ええ〜
茉穂ホンキ?」
諒香の期待とは裏腹、茉穂はかぜん元気で多少の難は覚悟済みと言いたい様子だった。
「うん
ふんどし締め直して頑張る‼️女の子相手じゃないなら、チョリーッス」
「おい、おい!!茉穂
彼、真智田泰真の男知って
言ってんのカー!!
ビジュアル系の男子風の
めちゃくちゃイケメンなんだぞ!!」
ハアハアハア
諒佳は携帯を両手に持って目を血ばらせて、茉穂のアホさを強調するように叫んだ。
「だぁーってぇ
男なら子供作れないじゃーん
その点安心!
彼の子供を私が産む確率はZERO
じゃないってw事が分かっただけ
ウヒヒだよ。
頑張るぞー」
諒佳は茉穂のアホさがマジ呆れるほどだとサジを投げざる負えない。
「もう、どーなっても
シラナイからね!!
宗次郎さんにも言っちゃうから!」
恋は盲目だと言う言葉が
こんなに当てはまるアラサーがいるだろうかそろそろホンキで嫁入り先を見つけなきゃ、30に突入するってのにノンキ者メ!!
宗次郎さんに言って見合いさせるか?
ううんー、義父様に頼んだ方が確実か?
他人事ながら心配になる
諒佳は頭をフリフリ電話を切った。
クスクスクス
「どーした?大河」
会社に着くと大河の目に飛び込んで来たのはクルリとした髪を1つまとめにして
「うんしょコラショ」
と幸福の木をズラズラと引っ張り結構な太さの木の鉢植えに乗りコッチを見ている女がいるとコショコショと耳打ちして教えてくれた。
「は??」
俺(泰真)は振り向いてその女を見た👀腕をまくりコッチに大きく手を振っている。
「クスッ面白いな!」
と笑いつつ見覚えのある顔だ・・
どっかで・・・
ハッ( ⊙⊙)!!
彼女を見た途端、俺は昔からよく見る夢を思い出した。
あの子だ茉穂、俺の嫁
「アンタ仕事行きなよ
もう子供に食わせる飯も
ないんだよアホ。」
「うるせーお前が稼いでこいや!」
「どうやって稼ぐのさ
これ以上
このぉー甲斐性なし!」
「黙れこのブサイクが」
「はぁなんつうたーボカッ」
「テメェやりあがったな!」
ドッタンバッタンガッンゴッン
の取り組合!!
俺は大工だったらしく嫁らしき女をいつも叩いていた。今で言うDVだろう。
いや嫁も俺に負けじと仕返しして来るDVはお互い様。
毎日顔を合わせると喧嘩三昧子供を並べてイロハニホヘト7人はいる。
喧嘩する割には
下半身は仲が良かったのか?
「ただいまー」
嫁が帰ってきた時、風呂敷の中には小料理屋で働く嫁が残り物をもらってくる
俺はそれが大嫌いで
俺なりのプライドがあったんだ!嫁が帰って来ると、待ってました
と言わんばかりに長屋を飛び出した。
未だ幼い娘や息子がいたからだ、遊び人と言えど子供は可愛い。子供だけには、して置けない
明るいうちは長屋のガキ同士面倒見たり見られたりしかし夕方にはそれぞれの家に 帰ってしまう。
だから俺がカカアが帰って来る迄子守りを担当
男尊女卑の時代と言うもののそれは武士家庭で多く下町のカカア達には
通用しない場所もある。
旦那をコキ使うのが当たり前神社の社の庭の隅で花札切りながら皆嫁の悪口で華が咲く
今度生まれてくる時は裕福な家庭で贅沢三昧と夢をみたものだ。
その日働いた分はその日に使う、最低な男だ。
朝帰りは当たり前、俺は嫁がいてもかなりモテていた、女は取っかえ引っ変え。
飲み屋で知り合ってそのままのフルコース。
そんな俺を見かねた奴らがそれぞれのヨメにチクる羨ましい、羨ましいと・・
そんな噂が花盛り時代劇でよく見るオバチャン達がたむろして俺を呆れた目で見ていた。
「泰さん、茉穂さんが
可哀想だよ、家にお金入れなよ
又女の所にいくのかい?」
姉さんかぶりをした活きのいい女が俺を捕まえ説教しはじめる。あれよあれよとそうだそうだと嫁連中に詰め寄られる。
夕食の支度か?
長屋のどこそこに女が、ショウケに野菜をいれ井戸の周りを囲んでいる。
そんな場所に出くわしても
「ババアに用はねーよ!
この、味噌っカスが!!」
と吐き捨て右に左に魚のように白い目を交わしながら抜けて行く!
魚を焼く臭いや煮魚の匂い、オデンの様な匂いもする。
それは今の俺が土日に必ず見る夢の話、多分江戸時代に遡る
隣に眠る彼女を抱きながら事を始めると何時も悲しそうな夢の嫁の顔を思い出す。
以来本気で女の子を抱けなくなった。あれは前世の記憶が呼び起こす
リアルな夢なのか?
「うw夢だ、そんな馬鹿な。」
俺は現実に、手を振る彼女をジッと見てそんな事はありえない。犬が首を振るようにブルブルブル
俺だけに見せる夢か?現実か?袖をまくった右手に見覚えのあるアザが見えた。
毎日手をバシッと叩いていたからか嫁の右手にはアザが出来ていた。
手首の下にクッキリと嫁は痛そうに左手で手首を撫でていたっけ。
そして勿論叩けば
叩き返された俺の左手首にも薄らだが蒙古斑の様な薄いアザがある。
ド頭に来た時は手を狙ってブッ飛ばしていた。
この俺がDV野郎だったとは!信じられない。
でもその後は回し蹴りをくらっていた。
もし彼女が嫁の生まれ代わりと仮定して何故又俺の前にあらわれる?
本来なら避けて当たり前のはずなのに。それはアメリカの商社に居た時も変わらず見る夢
嫌な夢のはずなのに・・・妙に懐かしい。
「どうした泰真?」
サラサラした髪の大河はでかい目を細めて俺を見た。キリッとした眉は顔全体を引き締めその顔で見られたら嘘はつけない。
大河も何時もと違う俺の様子に疑問を抱いたのか?
「実はな!!大河」
俺は中学生の夏頃から時々見るリアルな夢の話をした。
「手のアザ?
偶然だろ話聞く限り
江戸時代じゃねーの?
今は令和、ありえないサ。」
大河は目を細めて怪しむが嘘じゃないほんとに立て続けに見る夢だと話した
・・・バカバカしいと
思えばそれですむのか?
大笑いする大河を見てそんな気すらしてくる。
確かに人は繰り返し生まれ輪廻を繰り返すと聞く、ホントかウソかは死なないと分からない。
死んで帰って来た人は居ないから俺も頭がおかしいのかも知れない。
「専務」
午前中の会議が終わると大河が声をかける。大河とずっと幼少期から一緒でアメリカの大学も一緒に卒業した。
彼は弁護士で秘書でもある。殆ど泰真と呼び捨てにするが会社の閣僚の中では専務と呼ぶ。
「どうした?」
横で片付けをする美人秘書に軽く手を上げて排除し大河のニヤケた顔を見る。
こんな事から俺はゲイの噂が
あるらしい。
俺が大河とLoveだって?聞いた時はドン引き、大河は俺の隣に腰掛けて1枚の白いコピー用紙を俺の前に開いて置いた。
「ん?なに?」
広げられた紙を見たら真白な紙の真ん中に
華枝茉穂28歳 企画課
と書いてあった。
写真も撮ったみたいでコピーしてあった。
「この子だろ!」
ソコには朝見かけた彼女のはち切れんばかりの笑顔とその姿が写しだされていた。
俺はビックリ‼️
夢で見る嫁の顔そのものだった。
俺は末恐ろしくなりそして涙が出そうにも愛おしく思ってしまった。
前世の恨みを今世で晴らしに来たのか?
前世の俺達はあれからどうなった?夢はリアルに進んでいるからもうすぐ分かるのか?見たいようで見たくない!
名前迄一緒
茉穂、茉穂・・・
俺は泰さんと呼ばれていた。
泰さん・・・って俺の前世の名も
泰真なのか?
偶然か?
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