第42話 安眠戦争・中


 空気抵抗を減らす為に車体を低くしたであろう自動車が並ぶ、部室棟の駐車場。


 俺たちはそこで人質を使った脅迫行為に手を染めていた。


「皆さん! ここに誓約書を用意いたしました! この黄色髪を引き渡して欲しければここに署名してください!!」


 安瀬は楽しそうに荒縄で拘束された黄山に薙刀を突き付ける。その隣では猫屋が秘伝の香辛料を手に持ち、西代がスピリタスをチラつかせて脅しの体裁を盤石な物としていた。


 俺は何もすることがなかったので酒を飲んでいた。


「お゛、お゛前たち゛ーー!! たす゛けて゛ー!!」

「き、黄山先輩!」

「くっそ、どうなってるんだ!?」


 自動車部の面々が混乱の声を上げる。どうやら、ちゃんと心配されているそうだ。黄山のヤツ、意外と人望あるんだな。


「アンタがいないと明日の合コンどうなるんだよ!!」

「こちとら大学入って車しか弄ってないんだぞ!!」

「っく、こうなれば素直に要求を受け入れるしかないか!!」


「…………」


 慕われている理由が分かった気がする……。この分なら意外にも俺たちの強引な人質作戦はうまくいきそうだ。


 俺は気を抜いて甘い煙草に火をつける。


「何をしているんですか!!」


 凛とした声が場を制す。俺たちの視線がその声の主にへと集まる。


「「「部長!!」」」


 自働車部員たちが"部長"と呼んだのは女だった。ツナギをきた背の高い女。


「むっこ?」

「……梅治先輩?」


 六車むぐるま 七菜なな。高校時代、同じ部活動に所属していた後輩。常にむすっとした表情をしているため"むっこ"というあだ名が淳司によってつけられていた。


「むっこ、お前、この大学に入学してたのか」

「先輩こそ、受験に失敗したのは知ってましたが、まさか同じ大学なんて……」


 彼女の年齢は俺の1つ下。現役合格していれば2回生という事になるだろう。

見知った後輩に学年を追い越されると複雑な気分になるな……。


「先輩……だいぶ、その、……変わりましたね?」

「そうか?」

「……自分の今の姿を客観的にみてくださいよ」

 

 俺は日本酒の2合瓶を片手に煙草を楽しんでいる。


 飲んでいるのは、大阪府にある老舗酒造が出している秋鹿あきしか。原酒、火入れ、無濾過、槽搾直汲ふなしぼりじかくみなどなど、製法別にバラエティーが豊富な銘柄であり、その品種は20種類を優に超える。自分好みの味を探すことができる自由度の高い日本酒だ。


 俺が買ったのは秋鹿の生酒。冷凍庫に入れ徹底的に冷やしてから飲むと目が覚めるように美味しい。


「それに、この騒ぎは一体……?」


 むっこは拘束された黄山の方に視線をやり、怪訝そうな声を上げた。


 酒飲みモンスターズは俺の知り合いが急に現れた事に驚いたのか、気を使っているのか知らないが一時的に沈黙している。


「あー」


 まさか、むっこが自動車部で部長をしているとは思っていなかった。確かに、彼女はで高校生の時分から自動車やバイクといった動力車が大好きだ。そんな車好きの後輩の部を休止させるために人質を取って脅迫していた、なんて言うのはどうにも罰が悪い。


「……車の排ガス音が五月蠅いから走るのを止めてくれないか? あと2週間程度で引っ越すからさ」


 俺は事態の経緯をかなぐり捨て、要求を簡潔に伝えた。情報を少なくして彼女の厚意的な解釈に期待するためだ。


「あぁ、大学の近くに住んでいるんですか……。それは、すいませんでした」


 俺の目論見はなんと成功してしまった。むっこは俺がこの近くで賃貸を借りていると勘違いしてくれたようだ。


「ですけど、来月にサーキットの大会があるのでこっちとしても練習時間を減らすのは、ちょっと……」

「た、大会?? ま、まじか……」


 どうやらこの大学の自動車部というのは真剣に活動に取り組んでいるようだった。正直、暴走する若者集団くらいの認識だったので驚いた。真面目に活動しているのなら休止まで追い込むのは流石に悪い。


「深夜に走るのを止めてくれるだけでいいんだけど……どうだ?」


 俺は何とか妥協点を探る方へ話をシフトチェンジする。安眠できないのは学業とバイトに支障がでるので本当に何とかしたい。


「そうですね…………」


 むっこは顎に手を当てて俺の発言を吟味する。


「いや、……そもそも……あ、……そうか、その手があった!!」

「うぉっ、な、なんだ? 急に大声を出して……?」


 彼女は仏頂面を急に破顔して、期待に満ち溢れた目線で俺の事を射抜く。


「梅治先輩。自動車部に入ってくれませんか! そうすれば私が部長権限で無理やり部活を休止させます……!!」


 なんか、突然、変な事を言い出した。


「は、俺が? なんで?? そもそもスポーツ車なんて持ってないぞ、俺」

「大型バイクの免許はお持ちでしたよね? だったらバイクを持ってませんか? うちの部はバイクでもレースに出てるんで参加できますよ」

「……確かに持っているけど、なんでむっこが知ってるんだ?」


 俺がバイクの免許を取ったのは高校を卒業してからだ。むっこと最後にあったのは卒業式の時だったはず……。


「教習場で一度、見かけた事がありまして。その時は、急いでいたので声はかけませんでしたが……」

「あぁ、なるほど」


 俺とむっこは同じ地域に住んでいた。彼女が通っていた教習所も同じところだったのだろう。


「でも、何で俺が部に入ったら休部してくれるんだよ?」


 俺はモータースポーツをやっていた訳ではないので即戦力にはならない。勧誘理由が不明だ。


「そ、それはですね……」


 俺の質問を受けて、むっこは顔を赤くしてうつむいた。もじもじとせわしなく両手をこすり合わせながら恥ずかしがっている。その姿はまるでの様だ。


 その反応を見て、得心がいった。


 俺はに、むっこに小声で話しかける。


「むっこ……お前、淳司とはまだ付き合ってないのかよ」

「っむ、むむむ……」


 何が、むむむだ。


 思い返すは懐かしき青い高校時代。部活動中に仲睦まじく甘酸っぱい雰囲気を漂わせた淳司とむっこ。お互いに奥手過ぎて中々発展しない恋物語に俺たちはヤキモキしたものだ。


 むっこは淳司に好意を抱いている。そして、淳司もむっこに気がある。2人は所謂、両想いというやつだった。


「お前ら……まさか卒業して音信不通になったとかじゃないだろうな?」

「い、いえ、たまに連絡は取り合っています」

「はぁ……でも、その様子じゃデートとか一切してないだろ」

「………………はい」


 淳司は結局、卒業式であっても、むっこに告白をすることは無かった。手に職を就けお金を稼げる自立した男になってからむっこに告白する、と本人は言っていた。それはもうプロポーズの域に達している気がする。だが、友人ながらなんて誠実で男らしいヤツなのだろう。ちょっと尊敬する。


 実際に告白をしていたのなら、な。


「………………」


 あの臆病者め。もうすでに就職してるはずなのにビビッて告白を延期しているな? そして、むっこも恋愛方面に関しては極度の恥ずかしがり屋だ。彼女からアタックを仕掛ける事は決してないだろう。


 そこで俺に仲介役を担って欲しい、というわけか。


「俺が自動車部に入って、それを口実に淳司とお前をツーリングに誘う」

「………はい」

「そこで俺に火急の用事ができる。お前たちは2人でデートする羽目になる、と………筋書きはこんなもんでいいか?」

「そ、それでよろしくお願いします………」


 むっこは顔を茹でタコのように赤くして、不正取引を承認する。職権を乱用してでも淳司との甘い逢引の種火を欲しがるとは………。まぁ、恋の前では部活動など塵芥ちりあくたに等しいだろう。恋は戦争、とはよく言ったものだ。


 おまけに、俺たちは黄山を人質に取っている。そのため部活動の休止を宣言しても違和感はなく、批判は俺達に行くだろう。その恨み辛みは入部した俺が上手い事立ち回って解消すればいい。


 少しめんどくさいが、落し所としては最良の結果だ。


「まぁ、任せろ。淳司にはこの前、だいぶ世話になった。お前たちをくっつけるのに全力を出す」

「あ、ありがとうございます。では、そのような取り決めで──」


「「「ちょっと、待った!!」」」


 俺の完璧なネゴシエーションにケチをつけたのは、今まで黙ってくれていた酒飲みモンスターズだ。


 え、いや、なに??


************************************************************


 時間は、陣内梅治と六車七菜がコソコソと恋愛相談を繰り広げる前まで遡る。


 酒飲みモンスターズは黄山を拘束しながら、少し離れた所で陣内とその後輩らしき人物の話を聞いていた。


「梅治先輩、自動車部に入ってくれませんか!? そうすれば私が部長権限で部活を休止させます……!!」


「は?」

「え?」

「ん?」


 当然、むっこは陣内を自動車部に誘う。彼女たちはその意図が理解できずに疑問符を頭に浮かべる。


「でも、何で俺が部に入ったら休部してくれるんだよ?」

「そ、それはですね……」


 陣内の質問を受けて、むっこは見る見るうちに顔を赤くしてその身をよじる。陣内梅治はその様子を恋する乙女のようだと内心で形容していた。


「「「…………はぁ?」」」


 突如として表れた陣内と親し気な後輩女。彼女は急に陣内を自動車部へと誘い、その理由を聞かれて顔を紅潮させて見せた。


 酒飲みモンスターズも、陣内と同じような所感を得る。ただ、両者の思惑の決定的な違いはその恋慕先にある。


「……作戦タイムでござる」


 話題の2人が小声で何かを囁き合いだし、そしてのを見て、安瀬は仲間たちに緊急事態の宣言を告げる。


「……賛成だね」

「……私も。……邪魔者は落としちゃうね」

「え、ちょ、ぐ、ぐ──」

 

 そう言うや否や、猫屋は黄山の頸動脈を指2本で正確に圧迫した。10秒も経たずに、邪魔者は意識を失う。"慈愛"とか"優しさ"は既に彼女達からは消失しているようだった。


「「「………………」」」


 嵐の前の静けさ。


 酒飲みモンスターズの勘違い。それは六車が陣内に恋心を抱いており、何とかして彼を手に入れようと自分がおさである自動車部へ勧誘している、という内容だった。


 急に現れて横から陣内を奪い取ろうとする、泥棒女。そのピンク色の誘惑に気が付いていない間抜け馬鹿男。その2つの勘違いは彼女たちの怒りのボルテージを最高潮まで一気に引き上げた。


「あっっの、糞ボケ女たらしめッ!!」


「デレデレして、ばっっかじゃないのーーッ!?」


「何故か死ぬほど、むかっ腹が立つねッ!!」


 恐山おそれざんは怒涛の勢いで噴火した。


「どうなっておるんじゃ!? あのアル中に恋心を抱く輩がなぜこの世に存在しておるッ!?」

「本当にねーッ!! 別に、別に、たいしてカッコイイ訳でもないのにさー!!」

「しかも、その気持ちに陣内君が気が付いていないのが癪に触るね! 恋愛漫画の主人公気取りかい? あのアル中ッ!!」


 各々が怒髪天どはつてんき、好き勝手に陣内の事をボロクソに言い合う。


 ただの嫉妬である。


「我らの生活の為にも、絶対にあ奴を奪われる訳にはいかん!」

「その通りだねー……!!」

「例え休部に追い込めなくても、陣内君だけは連れて帰ろう!」


 大学に近い陣内梅治の賃貸はもう存在しない。2回目の合コン騒動の時とは違い、陣内に恋人ができてはいけない理由は既に焼失している。


 しかし、怒りと嫉妬と焦燥に脳内を支配された酒飲みモンスターズはその事に気づかない。3匹は陣内を見知らぬ他の誰かに取られたくないだけだった。


「いざ突貫! の開始をここに宣言する!」

「やってやるにゃー!!」

「まかせてくれ……!!」


 この世で最も無意味な争いが始まろうとしていた。


************************************************************


「陣内の身柄は我ら、郷土民俗研究サークルの物である!! 自動車部なぞといった極悪卑劣集団にくれてやるわけにいかん!!」

「「そーだ、そーだ!!」」


 ……何言ってるんだ、こいつら?


 酒飲みモンスターズは俺とむっこの話し合いに急に口を挟み、よく分からない事を言い始めた。しかもなぜか、全員がブチ切れている。


 その迫力に圧倒されながら、むっこは控えめに口を開いた。


「……え、っと、この大学では部活動やサークルの兼部けんぶは認められているので問題はないはずですけど」


 控えめなむっこの反証はとても筋の通ったものに思えた。なので、俺も彼女を支持するために口を挟む。


「そうだな。確か、黄山も地域支援活性化部とやらに入部していたはずだ。俺が入部しても、何も問題は──」

「「「ふんっ!」」」

「ぐはぁッ!!??」


 突如として、俺の右わき腹に3つの拳が突き刺さった。


「おぐ、おぉぉお……!」

 

 酒飲みの急所は肝臓。そこを様々な角度で刺突され、思わずうめき声をあげてしまう。一瞬、意識が遠くへ飛びかけたほどだ。し、死ぬほど痛い……。


「陣内君は黙ってなよ」

「そーそー。少し黙っときなってー」

「この議題に口を挟むことは拙者たちが許さんぜよ」


「…………は、はい」


 修羅のごとき形相で俺の事を睨む彼女達。暴力と相まって死ぬほど恐ろしい。訳も分からず殴られたが、抵抗する気力は微塵も沸いてこなかった。


「っむ」


 そこに反応を示したのがむっこだ。


「梅治先輩への不当な扱いは止めてもらいましょうか」


 なんて良くできた後輩なのだろうか。ビビった俺の代わりに酒飲みモンスターズに対して抗議の声を上げてくれるとは……。


「「「あぁん??」」」


 そんな俺の優しい後輩に対して、羅刹女らせつにょたちは田舎のヤンキーの様にメンチを切る。身内の恥を見せているようで、死ぬほど恥ずかしい。もう勘弁してくれ。


「…………」


 だが、むっこは負けじと彼女達を睨み返して見せた。


「…………ほぉ、中々に肝が据わっておるようじゃのぅ」


 安瀬はその態度を見て、感心したように声を漏らす。3対1なので、確かにむっこの胆力は凄まじい。その気概を恋愛方面でも発揮して欲しいものだ。


「……まぁ、デートが掛かってますから」

「「「っ!!??」」」


 むっこがポツリと漏らした、淳司との逢引き計画。それに酒飲みモンスターズは関係ないはずだが、彼女たちは何故か露骨に狼狽えて見せた。


「う、嘘であろう?? 陣内がそれを了承したというのかえ??」

「? え、まぁ、そうですけど」

「ムッコちゃんって言ったっけー!? ちょっと、手が早すぎるんじゃないのー!?」

「恐るべき……魔性の女、むっこ……!!」


 なんか話がかみ合ってない気がする。口を出すなと言われ、殴られたので訂正する気はないが。


「せ、拙者だって陣内と骨董品屋を廻ったことが……」

「わ、私だって陣内とイブにデートしたことあるしー……」

「ぼ、僕だって陣内君とはよく2人でパチンコに……」


「……?」 


 急に各々がうつむいてボソボソと独り言を口に出す。何を言っているかよく聞こえない。確かなのは3女が何故か心理的なダメージを受けている事だけだった。


 そして、次の瞬間。


「う、う、うにゃーー!!」


 猫屋が急に奇声を上げ、大きく伸びをする。急な彼女の豹変に、俺とむっこは言葉を発さずに驚いた。


「こ、こうなったら陣内を賭けてー、この猫屋李花様とレース勝負じゃーー!!」


 え、えぇ……。どこがどう繋がって、そう言った意味不明な勝負の話になったのだろう。


「猫屋……李花?」


 猫屋の名乗りを受けて、むっこが怪訝そうな声を漏らした。


「……もしかして、伊勢崎いせさき狂猫きょうびょう?」

「っ!」


 猫屋が驚いた様子でむっこを見つめた。伊勢崎いせさき狂猫きょうびょう? なんだそれは??


「え、えっとー、ムッコちゃんはもしかしてー……」

「はい、中学までは空手道をやってました。その時に、一度お相手を……」

「あ、あははー。あ、あの……その、…………」


 猫屋から先ほどまでの威勢がどんどんと無くなっていく。


 …………口を挟むべきだろうか。


「猫屋? 伊勢崎いせさき狂猫きょうびょうって一体何だい?」


 俺が迷っている内に西代が疑問を猫屋にぶつけた。


「……えっとね」


 猫屋は一瞬だけ、俺の方を見た。本当に一瞬だけ、大きく澄んだ瞳で真っ直ぐに俺を射抜く。


 彼女が拳を握りしめた事に、俺だけが気が付いた。


「昔、空手やってた事があってー……」


 猫屋はその昔話を口にする。さも、当然のように。


「がむしゃらに頑張ってたらー……」


 猫屋は強かった。


「いつの間にか、そう呼ばれるようになっちゃってたー……みたいな?」


 猫屋の話はそこで終わった。言い淀みの無い語り口で、彼女の昔話は終わったのだ。このようにふざけた時に話したい事ではないだろうに、彼女は平然とした様子でそれをやってのけた。


「「…………」」


 安瀬と西代はその話を聞いて固まっている。だが、すぐに硬直を解き興奮した様子で笑顔を浮かべた。



「す、凄まじいでおじゃるな! やはり猫屋は巴御前ともえごぜんのごとき女武芸者だったでござるか!!」

「どうりで運動神経が抜群なわけだ! ふふっ、ただのヤニカス辛党ではなかった訳だね!!」



 安瀬と西代は、猫屋を自分の事のように誇らしげに褒め称える。


「…………ふひ、ふひひ……だよね、だよねーーー!! 私、中々、凄かったんだからーー!!」


 猫屋は朗らかに、豪快に、笑った。


 事情を知っている俺だけが、その嬉しそうな姿を見て泣きそうになった。


 くっそ、何で、何で、こんな、わけわからん時に……。いや、こういう時に言えてこそなのだろうが、ちょっと、うぐぅ、あぁ、後で猫屋には酒と煙草でも奢ってやるか……。


「と、言う訳でーー!!」


 俺のぐちゃぐちゃになってしまった胸中など放っておいて、猫屋は笑顔でむっこに向かって指を突き付けた。


伊勢崎いせさき狂猫きょうびょうの異名を持つこの私と勝負しろー!! 私が勝った時は部活を休止して、陣内の勧誘も諦めてもらおーか!!」

「……まぁ、勝負理由はよく分かりませんが」


 むっこは事態が把握できていないのか、難しい顔をして言葉を続ける。


「動機なら既に複数個できました。デートと梅治先輩の身の安全と試合のリベンジ……。面白いです」


 ムッとした表情で目だけを燃やすように光らせ、彼女は勝負を許諾した。


(……あれ? 事態は何も解決してないよな??)


 猫屋の頑張りによって薄れこじれたお話の異常感。事態はより複雑な方に向かっているのではないだろうか?

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