ブラック社畜の俺、部屋で深夜アニメを見ていたら駄女神に説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と共に元気に最強勇者やってます!
第5.5話 ≪対ドラゴン連合同盟≫(2)
第5.5話 ≪対ドラゴン連合同盟≫(2)
「どうしたんですか勇者様、そんなにじっと見つめてきて。もしかして私の顔に何かついてます?」
リュスターナがペタペタとほっぺたやおでこを触った。
「ごめん、なんでもないから気にしないでくれ……」
残念、どうやら俺には《念話》スキルとやらは備わっていないようだ( ˘•ω•˘ )
「それで勇者リョーマ=オクムラ殿。我々の願いを聞き入れてはいただけないだろうか? どうかこの通りだ」
メンデル司令官が90度に近いくらいに腰を折って頭を下げる。
その声には切実な響きが多分に含まれていた。
「顔を上げて下さい。それにまずは現状を知りたいんです。俺はちょっと訳有りで、今の状況を何も知らないんですよ」
「ふむ……察するに、現在の状況に疎いのは、幼い頃より勇者になるための厳しい修業をするため、俗世間から離れていたからですな?」
「ええっと、まぁはい、そんな感じですかね……?」
本当は異世界から来たからなんだけど、なんか勝手にそれっぽい理由を考えてくれたし、ここはそれに乗っかるとしよう。
それに異世界からやって来たと正直に言ったら、頭がおかしいとか思われるかもだしな。
「やはりそうでしたか。ドラゴンを一撃で倒すほどの勇者になるための修業ともなると、さぞや大変なのでしょうなぁ」
「ええまぁ、ぼちぼちですかね? とりあえずそういうわけなんで、勇者の修行については一旦脇に置いておいて、まずは現状について話をしてみてもらっていいですか?」
どうやら俺が勇者なのは間違いなさそうだし、あの駄女神にも勇者の務めを果たせと言われている。
なによりリュスターナみたいな可愛い子が決死の覚悟で戦っているのだ。
リュスターナたちのために戦ってあげたいと思うのは、日本で普通に教育を受けてきた俺にはわりと当然のことだった。
だから手伝うこと自体は別にオッケーなんだけど。
それでもやっぱり事前の情報を得てから、ちゃんと納得した上で判断したいところだ。
「元々、我々人類とドラゴンは互いに認め合って尊敬し合いながら、互いの領域へは絶対不可侵としながらこの大陸で共存していたのです」
「へぇ、ドラゴンと共存してたんだな」
いいなぁ、ロマンだなぁ。
これぞ異世界って感じだ。
「ですが突如現れた大魔竜ドラグバーンに率いられた悪しきドラゴン達が、人間の領域に攻め込んできたのです」
「大魔竜ドラグバーン……」
「その圧倒的な力の前に、我々人類は多大な被害を被りました。人口は開戦から10年足らずで1/100まで減少し、このままではいずれそう遠くない未来に人類は滅んでしまうことでしょう」
「……えっと、急にそんなガチな話をされてしまうと、ちょっと困るっていうか……心の準備とか……え、ってことはつまり、今は人類の存亡をかけた戦いの真っ最中ってことですか?」
「左様にございますな」
「……」
いやあの。
このままだと人類が滅んでしまうとかいきなり言われたら、平和ボケした日本人は反応に困るんですが……。
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