冷たき手に涙を流せ!(4)
その翌日。
天堂家に奇怪な手紙が郵送されてきた。
残暑見舞い申し上げます。堪え難い連日の酷暑にいささか参っておりますが、天堂ソソミ様はお元気でお過ごしのことと存じます。さて、突刃山ふもとのゲロゲロランドにある『ゲロ洞窟』はご存じでしょうか。つきましては来週の土曜日、そちらにてお楽しみ企画を実施いたします。納涼がてら、ぜひご学友共々お越しいただければ幸いです。
この情緒もへったくれもない便箋をぐしゃりと握り潰し、ソソミはゴミ箱へスリーポイントシュートした。シャワーを浴び、最近のお気に入りである『コンブチャ(紅茶キノコ)』を飲んで、リラクゼーションタイムを満喫している最中のことだったこともあり、その苛立ちたるや優雅なセレブも型ナシのそら恐ろしいものだった。
差出人はわかっている。ミスターQである。
ソソミは自室の机で充電中だったスマホを引っ掴み、そのプラグを乱暴に引っこ抜くと、別斗の番号へ発信した。
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