第4話 決意
「妖魔が、知っているかもしれない……? それは、妖魔に尋ねるってことですか?」
「そう。相手は選ぶけどね」
「で、でも、妖魔は人間の敵ですよね? 敵がそんなことを教えてくれるんですか? そもそも妖魔のせいでこんなことになったんだ!」
「そうだね。でも、妖魔の中にもいろいろいるし、妖魔は血が濃いと、何百年でも生きて、人間の想像をはるかに超える量の知識を蓄えている。可能性はあると思うわ」
「そうか、そうなのか・・・。方法があるんだ。母さんを助ける方法があるんだ。
「もちろん、そのために来たんだもの。だけどそれには、厳しい鍛錬に耐え、強くならないといけない。そして一人前の破邪士として戦う中で、妖魔の中枢に迫ることができれば、あるいはその問いのヒントをつかめるかもしれない。控え目に言って、めちゃくちゃしんどいし、死ぬより苦しいと思うけど」
「やる! やります! 母さんは病弱な身で俺を産み、女手一つでここまで育ててくれた。今までずっと一緒にいてくれて、そして俺の代わりに傷を負った。それに、それに、このままじゃ、俺のもう一人の大切な家族、あかりが、この先ずっと自分を責め続ける。そんなことは絶対にあっちゃいけない! 俺はやります!」
「
あかりが叫んだ。
「おっと、それには、役割分担があるんだよ、あかりちゃん」
「え?」
あかりはキョトンとした。
「実は、私たちこのエリアの破邪士のチームは、以前から
「さっき見たでしょ?
「俺にそんな力が……。だけど、母さんには微量でも妖魔の血があるのに、なぜその子の俺が純血になるんですか?」
「詳しくは解明されていないけど、単純に遺伝だけでは血の濃度は決まらないと言われているわ。純血は突然変異的に生まれる。だから100万人に一人っていうレアな存在なのよ」
「だから
「わ、わたしは?!」
あかりが訊いた。
「あかりちゃんには、お母さんのサポートをお願いしたい。人間の医学では説明できない変化が、今後お母さんには現れてくると思う。その様子を、前線の
「もちろん、学業に支障が出ない範囲でね」
「はい!」
「あかり、俺からも頼みがあるんだ」
「なに? 遠慮せず言って!
「俺、これから未知の破邪士としてやってくとなると、修行とかで、きっと普通の生活じゃなくなるんだと思う。病院にもあまり、来られなくなるんじゃないかと思う。そんな時、母さんの近くにいてあげてほしいんだ。母さん、あかりを本当に、家族、娘のように思っていたんだ。いつもじゃなくていいんだ。暇な時、母さんの様子を見に来てくれないかなって……」
「何言ってんのよ!」
あかりが
「
「そう言えば、毎日いたね、あかり」
「でしょ! お母さんは私に任せなさい! だから、だから……」
再び涙ぐみ、あかりは
「だからお願い
か細い声で、あかりが言った。
「あぁ、必ず」
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