書曝談実験場/Hyper Peaceful Nevada in Technigica

テクニジカ

詩験作「とおく」

遥か遠くの

青霞あおがすみに浮かぶのは


除細動器の

外用パドルを両手に

二本足で立ちつくす

おおきなリカオン


彼の細腕にぶつからないように

大胆かつ繊細に

飛翔するペリカンの群れ


わたしは太平洋沿岸のサンゴ砂に

足をうずめながら

すずやかなしおの匂いに故郷の記憶を


さぐられながら

この視界を


私にくるまれた私に、


焼き付ける



………………………………



――遥か遠くの

青霞に浮かぶのは


除細動器の

外用パドルを両手に

ほうづらで立ちつくす

巨きなリカオン


彼はだれを救えばいいのか

今も、わからないでいる


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