箸やすめエッセイ 6 カブトムシをナンパしようとしたらヤバかった
夏の日中。
暑い中、ブックオフへ向かってママチャリを漕いでいた。
すると、大きな羽音が聞こえきた。
やけに大きな虫なので、カブトムシかなと思った。
ちょうど側の路側帯に植えられた木に止まった。
ほぼ小学生の頃以来となるカブトムシを目の前で眺めてみようと、そばに寄った。
──ん?
ちょっと触ろうと思ったが、慌てて手を引っ込めた。
なにかへんなカブトムシ……と思ったら、アトラスオオカブトだった……!
いうほど大きい個体でもなかったけど。
小型の個体になると、コーカサスオオカブトと区別ができませんが。
誰かが飼育してたのが逃げだしたのだろう……熱帯に生息する昆虫だから、野生化の可能性はないと思います。
温暖化といえど……近年、北海道にはいないはずのカブトムシが野生化しちゃったなんて話も聞くけど。
他にも、日本では八重山諸島にしか生息してなかったベニモンアゲハも生息域が北上して、今は沖縄にも生息している。
そのうち、鹿児島に到達してしまうんじゃ……。
生息域にいない昆虫は、勝手に放虫したら環境破壊になるので、責任持って飼ってください。
野生化の可能性が考えられなくても脱走させないでください。
アトラスオオカブトは、ムシキング世代が大人になって、子どもと一緒に楽しんでるんじゃないかと思います。かなり安いんじゃないかな。
わたし、危うく手を切ってしまうところだったじゃない。
アトラスオオカブトって背中の胸部の付け根辺りにカミソリ状になってるところがあるから、下手に触るとケガします。
コーカサスオオカブトもです。
〈完〉
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