第15話離婚

 私は無職になった。首と言ったのに自己都合退社扱いにされ、電話で抗議した。

「二カ月も給料払えんから。」

「そんなもんいらない。失業給付金を多くもらえれば良いから解雇扱いにしてくれ。」

 そんなやり取りで解雇になり失業保険を貰う事になった。トラックが無くなったので渋々家に帰った。

「これからは俺が家計をやる。」

 蓋を開けてみるとみるも無残な状態だった。親父の障害者年金には手を付けないで貯蓄に回すように言ってあったのだが、子供の学資保険にまで手を付けているありさまだった。

「どこに使ったんだ。」

 無言だった。確かに女房の妹が結婚したりあったので理由を言えば許す気だった。しかしいっこうに口を割らない。

 彼女に家を探してもらい実家から出て行く事になった。

「金がたまるまでは居て良いから。」

 そう言い残し家を出たのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る