第10話スナックでの出来事
アパートの住人の学友と毎週末飲みに出かけていた。この頃には家に帰らない事が増えていた。妹の中退の彼氏が家に来ていたからだ。彼は真也が出来た時にもし別れたら付き合っても良いと私に着てきたほど、女房の事を好いていた。妹は知らないが
「おねいちゃん。」
と猫撫で声で女房に絡んでいるのが気に入らなく学友と飲んで帰ると家の前には中退彼氏の車が停まっていた。学友と彼氏は同じ職場だったので飲みを誘うと断っていたらしく、私が居ないのを確認して遊びに来ていた。私は家に帰らず駐車場の自家用の中で朝を迎える事も多々あった。車が停まっているのを見るのも嫌になり、その内帰らずに学友のアパートに泊まったりしていた。
そんなある日、学友が先輩がやっているスナックで
「お気に入りの子が居るんだ。」
と話してきた。私は先輩にも会いたいので同伴する事にした。スナックと言うよりパブに近かった。その店に入ると先輩が店長を任されていた。
「ゆっくり楽しんで。」
先輩はそう言って案内してくれた。
学友はお気に入りの子を指名、私はフリーで席についた。しばらくすると女の子が現れた。学友は自慢げに彼女を紹介した。私は目的の先輩に会えたので満足していた。
「もっとそっちに寄って。」
お尻で学友の方に彼女を押しやった。
「やめて下さい。ここはそう言うお店じゃありません。」
「ごめんごめん。人の好きな女に手を出す気はさらさら無いんだ。ただ引っ付けて上げようと思っただけ。」
そう言うと
「お前ってそう言う所あるよな。オペ後食っちゃった。」
ばつ悪そうに学友が呟いた。
その場が一瞬凍り付いた。
「今更、ええよ。」
私はさらっと言ってのけた。
先輩の店でかっこ悪い姿を見せたくなっかった。
女の子たちがその場を盛り上げてお開きになった。
私は帰りの車の中で眠りにつくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます