無いって!!
@chabou
第1話 無いって!!
有名なテレビドラマの
「無いの。」
「無いって!!。」
北海道を舞台にしたドラマの放送時、我が家でも同じ場面に遭遇していた。
そのドラマを親父と二人肩を並べて無言のまま見ていたのだった。
私は、16歳夜学の高校生だった。むろん童貞。まだ女性のじょのじも知らなかった。
「今夜、俺ん家親居ねえんだ。飲み会しない?」
そんな誘いに乗ってのこのことバイト先の同僚のマンションへ行ったのだった。
その頃、私は片思いをしていた。しかし、その子とは脈が無く酒に溺れ泥酔状態だった。
トイレに吐きに行くと、そこの妹さんが心配そうに覗き込んでくれた。
部屋に戻ると
「うまく入らねい!!」
女性二人と男性三人で同僚の部屋で飲んでいた。
意識が朦朧とする中、一人の女性がベットに横たわっていた。
一生懸命にsexをしようとする同僚。その脇で笑いながら眺めているクラスメイト。そんなやり取りを薄れゆく意識の中で感じていた。
私はそのまま眠りにつくのであった。
そして、そんな事があってから月日は流れた。
キーガシャン!!
それは突然訪れた。
同僚がバイクで亡くなってしまったのだ。
そんな中ベットで横たわっていた彼女が、自分と付き合う事となった。
映画館のバイト先に毎日、学校が終わると通ってきていた。
そんな時、腰を痛めて自宅で療養していると飲み会に来ていた二人の女性がお見舞いに来てくれた。私の部屋に女性が二人も信じられない光景だった。
見舞いに来たはずの彼女はいつの間にかベットに潜り込んできた。もう一人の女性はソファーで本を読んでいた。
腰が痛い自分はされるがままに、彼女を受け入れた。それが初めてだった。
それから数ヶ月のち
「無いの。」
それは彼女の学友から聞かされた。本を読んでいた女性の家で妊娠検査薬を使った後だった。
「本人の口から聞きたい。」
率直な問いかけだった。
公園のベンチで語った。
「どうする?」
「おろす。」
それが答えだった。
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