白銀ギャルは俺にしか興味がないようです

桜井正宗

銀髪美少女ギャル

 人生は分からないものだ。

 今、俺の隣には銀髪美少女ギャルの『清瑞きよみず あや』がはしゃいで一緒にゲームをしていた。


 どうしてこうなった。



 ◇◆◇



 高校二年に上がってから、俺はぼっちの不登校気味におちいった。いや、もっと昔からそうだった。友達なんてロクにいない。ゼロだ。恋人なんてものもいない。人生=恋愛経験なしの落ちこぼれ。


 授業にもついていけず、屋上で過ごす日々。ゲームをして時間を潰していた。


 そんなある日、屋上を去ろうと扉へ向かうとその少女ギャルと出会った。とても目立つ格好をしているから知っていた。同じクラスの『清瑞きよみず あや』だ。


 ありえないほど美しい銀髪。人間離れしている。瞳は大きくエメラルドグリーンで輝いている。睫毛まつげなげぇ。肌は白く、いわゆる白ギャルだった。爪は長く整えられ、ネイル全開。アクセ類も多数。ピアスに指輪。もう校則違反のオンパレード。でも、ウチの高校は校則も緩いから、注意されても『アー、ハイハイ』と適当な返事で済んでしまう。



「あれぇ。藏屋敷くらやしき くしくん?」

「……えっ」



 突然、名前を呼ばれて俺はドキッとした。心臓飛び出るかと思ったよ。てか、なんで俺の名前知ってるのー!



「いつも授業サボってるよね。でも分かるわぁ~! その気持ち。あたしももう面倒でさー。屋上で何してたの?」


「ゲ、ゲームだけど……」

「なんのゲーム?」


「スマホ版のMMORPGだよ。『Excaliburエクスカリバー Onlineオンライン』略して“EO”なんだけどね」


「マジィ!? あたしもやってるわぁ! 偶然だね。一緒にやろっか」

「え!? 清瑞さんもやってたんだ。意外すぎる」

「ゲームとかアニメとか色々好きだよ~」


 これはビックリ。まさかこんなギャル全振りの清瑞にそんな趣味があるなんて……。陰の者とは接点なんて無さそうに思えたものだけど、でも、俺なんかを相手してくれている。実は良い人なのかも。

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