挫けそうなとき、思い出して

 挫折してしまう人というのは、書くことに対して何か楽しみを見ち続けることが出来なかった人だと思うの。事情があって泣く泣く創作界を去ることはあるだろう。

 しかし心に強いともしびを持ち続けていたなら、いつかきっとまたペンを持つことになる。


 物語を書くこと、想像することが楽しいと感じていなければ、いつかは挫折してしまうと思う。

 賞を取るのが楽しいや、人に読まれる、感想を貰うのが楽しいなど、何かに楽しさを依存してしまったら、それが叶わなかった時に挫折してしまうだろう。

 どんなことを楽しいと感じても良いけれど、書くこと想像する楽しさを忘れてはいけない。


 そして、アイデアというのはそこら中に溢れている。

 今の自分たちが”物語を産み出した先駆者”でない限り、人と同じようなアイデアやモチーフになることもあるだろう。だが、全く同じものなど存在はしない。

 考えてみて。

 童話のその先、もしくはラストを”こんな風にしたい”と考えたことはないだろうか? それはドラマや漫画、アニメでもいい。

 観ていて、読んでいてここからこんな風に変えていきたい。こんなラストになったらいいななど。それが自分の思い描く物語ということ。


 世の中に同人が溢れているのも、彼らはこんな風になったらいいなと想像するから。それは物語自体を否定しているのではなく、自分の思い描く幸せの形というものがそれぞれ違うから。

(同人が良いかどうかは別として)


 そんな風に全く同じ思想で同じものを書くということはない。

 仮にモチーフが被ったとしても、自信をもって自分の物語を紡いでいけばいい。

 人は存在するものから、発想をする生き物。


 ”魔法”だって”超能力”だって最初は人の真似事と批判されたかもしれない。

 しかしながら、それは色んな人が物語に加えるうちに”モチーフ”の一つと考えられていく。

「アイツが小説の中に魔法を使っている。俺のをパクった」

 などという人は現代にはいないだろう。

 共通のモチーフというのは、読み手に想像をしやすくするという利点がある。そして細か部分でオリジナリティを持たせていけばいいのだ。


 時々、他人の作品を読むと影響されてしまうという人がいるが、それは自分の世界がしっかりと持てていないため。

 影響されない人は何を読んでもそこから学ぶことはあっても、何かに染まることはない。そういう人ほど、小説家に向いているし続くだろう。

 自己評価をできないのは読書量が足りていないからだともいえる。


 何かに左右されるのではなく、自分自身を信じて挫折しない自分であれ。

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