第12話 僕VS健二2
健二が健二の方にどんどん近づいてくる
そしていきなり顔面にパンチを振りパンチを流さるを振り抜く
たがそんな攻撃はもうはもう食らわない
『お前、避けるよのがうまくなったなぁ』
でもこのままじゃあ攻撃ができない。俺が殴らろううとしても、リーチで届かない
『おら、もう一発行くぞ!』
僕の腕の一本分届かないほどの距離で健二は声を荒げた
またしても健二の腕は僕の顔面を狙う
さっきの攻撃を避けられて、イラついているのか健二は上体が前に突き出ている
これを避ければあいつの懐に入れそうだ
健二の攻撃をしゃがんで避けて、間合いに入り、顎を目掛けて拳を下から上に突き上げだ
その光景に、由香は唖然した
『お前…!』
健二は後ろにのけぞった。そして、音程の均一ではない声調でそう言った。
自分が殴られたことに驚いているようだ。
(僕が攻撃するにはカウンターしかない挑発して怒りを買おう)
『なんだよ?悔しかったらもういっぺん殴ってみろよ』
『あ?さっきたまたま殴れたからって調子に乗ってるんじゃねぇぞ』
(来た!っけどやっぱり遅いなぁまぁこの能力の使用中だからか。ん?なんだがさっきより遅くないか?ってかまた顔面を狙ってるよひどい人だな、そもそも自分より一回りも二回りも体の小さいやつを殴って楽しいのかね。あーまだこんな場所にパンチがあるよ。めんどくさー!次はアッパーじゃなくてシンプルに顔面を狙おうかな)
ふんっ!っと声を張って健二が突き出したパンチは空振りに終わった
当然、僕が避けたからそうなる。そうして懐に入ろうとすると、健二の右足が僕の腹めがけて飛んできた。
なるほどスピードが遅かったのはこの蹴りを狙っていたからか。
蹴る前に筋肉の動きでわかるんだ。こんな蹴り避けるのに造作ない
右足軸回転で半身を外側に開き、出っ放しの健二の足に攻撃を試みる
(えーとももかんはこの辺りかな)
ももかんというのは足のみぞうちのようなもんだ
左肘をその足に突き刺す
『…!!』
今度は声も出ないようだ。
だが気絶するレベルのダメージを与えるには相手の勢いを使って攻撃しないと大きなダメージを与えることができない
(ん?健二が距離を取ったぞ)
『お前、俺が攻撃しないとお前も攻撃できねぇんだろ、リーチが足りねぇからな。お前がそのつもりなら俺は攻撃しねぇ』
息を切らしながら健二が言った。なかなかダメージは受けてるようだ。僕だってそうだ。さっきはめちゃくちゃ殴られたから普通に疲れている。
(なるほどこいつも頭を使ったということか。いや馬鹿だな。そのままだと自分僕に攻撃できないことを理解してない。まぁ次はこっちからいくつもりだったしどっちでもいいんだけど)
『へぇじゃあ次は僕からいくね』
距離を取った健二に足のステップで急接近する
(骨盤から体重をかけて、肩から腕を押し出すように!これがストレート。)
『いくらお前が右手をつかおうとも、お前は俺の左手にすら勝てねぇんだよ!』
向かってくる僕に健二が声を荒げた
その直後健二が右手を僕の拳の内側に突き出してきた
(なるほど、酷いな、口で左手を使うと思わせて、右手で殴るのか。少しでも勝率を上げるには騙すべきなのかもしれないけど。さらにリーチの差で自分の拳を突き出し、僕の拳が自分に当たらないようにしているわけか。このままだと僕の勢いを使った重いパンチでやられるな。そうこの前だと)
『もらった』
そう呟く健二に、何も言わない僕
頭の中で考えている量が遥かに多いのは僕の方だった
互いに顔面を狙ったパンチを突き出す形直後、僕はパンチを引っ込め、顔を外に捻って健二のパンチを避けつつそのまま、体も捻り、バックスピンエルポーをした
公園のど真ん中でその場に倒れ込み、気絶する健二。由香は口元を抑え、衝撃を受けていたようだった。
夏美と東進はこちらに駆け寄ってくる
周りの大人たちは子供に喧嘩を見せないように必死に子供達の気を逸らそうとしていた。別の大人が携帯電話を手に取り、なにやら警察を呼ぼうとしているのが見えた。
(もう能力を解除してもいいだろう…流石に疲れたな)
目から血の色が引いていく。それと同時に激しい頭痛が起きた。体もものすごく怠い。ふらふらとしてしまい、立っているのもままならず
夏美の胸の中に倒れ込んだ
(壁だ…いや間違えた。あったかい。ぼろぼろの体には体温がすごく沁みるな)
『加代陸、かっこよかったよありがとうね』
夏美は泣き顔でそう言った。ヒックヒックと嗚咽を漏らしている。
『ごめん…俺何も、何もできなかった!!』
東進は悔しそうな顔を浮かべていた。
(何も気にしなくていいのに)
っと言葉に出そうとしたがボロボロの体からは声は出なかったが、1番言いたかった言葉だけは言えた。それも、満面の笑みを浮かべて
『2人が無事で何よりだよ』
『かっこいい』
遠くから由香の声が聞こえた気がした
そこからは記憶がない。意識が飛んでしまったようだ
目が覚めると夏美の顔が近くにあった。夏美は目をつぶっており、顔を近づけてくる
(待ってこの距離はチューしちゃうよ!)
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