第70話 それぞれの道
レプリカとの戦いが終わり、今は魔王グエンと協力して、ベンディ王国と魔族は講和を結んだ、それから反対派も出たが、これ以上の無意味な戦争を繰り返すわけにもいかず、少しずつ反対勢力を減らしつつあった。
それからしばらくして、クロスはフローズと結婚をした
ミク、メミル、セシルとも婚約を結んでおり、彼女達が了承してくれたら結婚は出来ていた。
しかし
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ミクside
ミク「ごめんなさい、やっぱり受け取れない」
そう言ってミクは指輪を受け取らなかった
クロス「.........それはなんで?」
ミク「.........あたしはあなたの事が好き、結婚もしたいし、貴方との子供も欲しい」
でもね.........と涙を流しながら彼女はいう
ミク「クロス、貴方が許しても、あたし自身が許せないのよ、愛する人を裏切って、もしクロスが英雄じゃなかったら、今頃あたしはあんな屑男に股を開いていたよ」
クロス「それでも.....俺は......」
お前達が好きだ、そう言おうとしたら
ミク「クロス......もうわかってんでしょ?」
クロス「え?」
わかってる?何を?
ミク「クロス.....貴方ね、あたし達に異性として見てくれている?」
クロス「それは........」
見れていると言いたかった、..........しかし
ミク「ほらね、たしかにクロスは私達のことを好きでいてくれている、それには感謝している、でもね、それは家族としてなの、1人の女としては見てくれていないのよ」
クロス「..................」
ミク「指輪......本当は欲しいよ、結婚して幸せな環境を作りたい....でもね、想像出来ないの、クロスとの生活がそこにいるのはあたしじゃない、フローズ様」
そう言ってミクは"それでも"と言って
唇を合わせる、そして満面の笑みで
ミク「短かったけど、楽しい夢を見させてくれて、ありがとう!」
そう言い残し、ミクは走り去る、その床には小さな滴の跡が残っていた
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メミルside
クロスはミクの次に義姉であるメミルに指輪を渡しに行った
クロス「義姉さん」
メミル「クロス」
クロス「この指輪、受け取ってくれないか?」ぱか
そう言って指輪を見せる、すると
メミル「......ねえ、クロス」
クロス「?」
メミル「私以外に誰に渡した?」
クロス「?.......ミクだけど」
メミル「ミクは受け取ったの?」
クロス「いや.......受け取らなかったよ」
メミル「そっかぁ、ミクもそうなんだ」
クロス「ミクもって事は、義姉さんも?」
メミル「うん、でも、私は本当は結婚とかはどうでもいいの」
突然の言葉にクロスは黙ってしまう
クロス「どういう事?義姉さん」
メミル「そこよ、クロス」
クロス「そこ?」
メミル「ええ、貴方は1度でも私を名前で呼んだことがある?」
クロス「..........それは」
よくよく思い返してみれば、小さい頃からお姉ちゃん、そして義姉さんとしか言っていない
メミル「私はね、可愛い弟が盗られるのが嫌だったの、大切な家族だから、でも貴方はもう立派な大人になって大切な人を見つけた、私も弟離れしないと」
そう言ってメミルは最後にとクロスを抱き締めた、そしてクロスは震える体を必死に抑えていることを知らないフリをして、ただひたすら抱きしめられていた。
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セシルside
クロスは、ミク、メミルと渡しに行って、最後にセシルに渡しに行った。
クロス「セシル」
セシル「義兄さん」
クロス「セシル、お前に渡したい物がある、受け取ってくれるか?」
何がとは言わない、それは既に知っているからだ。
セシル「義兄さん」
クロス「駄目か?」
セシル「うん、駄目、私は受け取れないよ」
クロス「..........そうか」
やっぱりか........とボソっと口に零し
クロス「理由を聞いてもいいか?」
何故断られたのか聞いてみた。
セシル「多分、ミク姉もお姉ちゃんも同じ事を言ったと思うけど」
どうやら、クロスが既にミクとメミルに渡しに行った事を知っているようだ
セシル「私はね本当は結婚はしたいよ、義兄さんとの生活ならとても楽しい日々を送れるって、でもね、私は勇者マンルに全てを奪われてしまったの」
クロス「それは..........」
セシル「それは、気にしない?たしかに義兄さんはそうかもしれない、でもね、私は無理なの、こんな穢れた体は貴方に相応しく無い、前世の頃からずっとそばにいるフローズ様が義兄さんを1番幸せに出来る......だからごめんなさい」
そう言って頭を下げるセシル
それをクロスは撫でる
セシル「あ..........」
クロス「はは......お前には敵わないよ」
セシル「義兄さん.........っ!」抱き
クロス「セシル........」頭なでなで
セシル「なんで......なんで.........なんで義兄さんはそんなに優しいの!.......こんなに優しされたら....されたら.........踏ん切りがつかないじゃない!!」ぎゅー......
クロス「..........ごめんな」なでなで
そうしてセシルは泣き疲れて寝るまでずっと抱きしめていた
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~秘密の泉~
クロス「..................」
フローズ「こんなところで何やってるの?」
クロス「フローズ.........」
フローズ「......その顔、皆んなに振られたわねw」
クロス「.........うっせ」
フローズ「はいはい」
そう言ってフローズはクロスが座っている所の前に行きのしかかる
クロス「........重いよ」
フローズ「あら?女の子にそんなこと言っていいの?」
クロス「もう大人だろうに」はあ
フローズ「ふふふ」ギュ
フローズ「嫉妬しちゃうわね」
そう言って少し力を加える
クロス「なんでだ?」
フローズ「昔は私の事しか考えてくれてなかったのに、今は幼馴染みに義姉妹、そしてその3人に振られて落ち込んでいる。」
クロス「.................」
フローズ「ねぇ、クロス」
クロス「ん?」
フローズ「........好きよ?」
クロス「なんで?なんだよ」
フローズ「あれ?だってクロス他の娘の方がす.......」
クロス「んなわけねぇーだろ、たくっ」
そう言ってデコピンする
フローズ「あいた!」
クロス「でも、たしかに失恋はしてるねぇ、これが本当に失恋かどうかは知らんけど」床にごろん
フローズ「ふぎゅ」ボフ
クロス「でも、いい加減、前に進むかぁ」
フローズ「そうよ、やっと私達は一緒に暮らせるのよ?」
クロス「は?今でも住んでんだろ?」
フローズ「違う違う」ブンブン
そう言った後、顔を赤らめて
フローズ「一緒に......2人で.....暮らそ?」首傾げ
クロス「!?」ドキッ!
目の前で顔を赤らめて、少し涙目になりながら、こちらを見る
クロス「はあ、負けたよ、そうだな、一緒に暮らそう」
フローズ「!!!!!やったぁぁ」
クロス「耳元で叫ぶな」デコピン
フローズ「アベシ!」
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結婚式は盛大に.....ではなく、身内だけの厳かな雰囲気で幕を閉じた
そこにはミク達の姿も、申し訳ない気持ちもあったが、彼女達も祝ってくれている、ありがとうと、涙を流しながら言ったのは言うまでもない
結婚式から月日が経ちクロス達が望んだ平和な世界が続いている
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多分、次かその次あたりが最終回です。
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