第62話 開戦
クロス達が魔王城に向かってから数時間
後数キロになったところで最後の休息を取ることにした
クロス「すまないなセシル、せっかくの魔力を俺達に渡すなんて」
クロス達は英雄の力でここまで来たのだが、少なからず体力を消耗していた、その分を魔力でセシルが補ってくれた
セシル「私はいいの、私の魔力は義兄さん達と比べて戦いには向いていないし、それに回復速度は早いから、後数十分で充分回復できるよ」
フローズ「ありがとう、セシル」
グエン「まさか、敵に塩を送られるとはな」
シルフィ「まぁ良いではありませんか、敵と言ってもレプリカの作ったものですから」
グエン「そうだけどな、やはり人間に施してもらえるのはなんとも言えないな」
クロス「そういえばお前達が他の人間と仲良くしている姿なんて見た事ないな」
フローズ「まぁ、そんな事を言える状況じゃなかったしね」
そう言って、少し間を開けて
フローズ「でも、この戦いが終われば、少しは人間と仲良く出来るんじゃないの?」
グエン「それはお前達次第だな」
そう言ってグエンは立ち上がり、体を動かす
グエン「そろそろ良いだろ?早く行こう」
クロス「そうだな、皆んな大丈夫か?」
フローズ「ええ」
ミク「勿論」
メミル「うん」
セシル「はい」
シルフィ「大丈夫です」
一応彼女達も聞く、もしかしたら、まだ万全ではないかもしれないからだ。
この戦いはほんの少し1%でも体力や魔力が戻ってないなら、戻るまで待ったほうがいい、それほどの戦いになる
だが彼女達は皆んな大丈夫らしい、よかったと思う
クロス「それじゃあ、行こうぜグエン..........最後の戦いに」
グエン「..........ああ」
2人は戦闘モードに入った、それに続いて彼女達も戦闘モードに入った、距離的にはまだまだ先だが、レプリカはいつ何時襲ってくるかわからない、だからこそ今の選択は正しいと言えるだろう
何故なら、レプリカはこの光景を見ていて、人間と魔族が仲良くしている姿に怒り狂っているアリアが彼らを殺そうと動いていたからだ。
レプリカ「落ち着いて、アリア、大丈夫、ほら彼らも本気なったから..........ね?」
アリア「..........わかりました、レプリカ様がそう仰るなら」
レプリカ「助かるよ」
レプリカ(チッなんで僕がこんな屑を庇う羽目になるなんてな、覚えてろよ..........ッ!!!)
そんな事は梅雨知らず、彼はついに魔王城の前までたどり着いた
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~魔王城前~
クロス「ついに、たどり着いたんだな」
そう言って魔王城を見上げる、魔王城というからには、禍々しい雰囲気をした魔王城だと思っていたが、実際に見てみると、案外普通の城だった
フローズ「それにしても、魔王城って言うから想像してたけど、思ってたのと全然違うね」
グエン「それはそうだろう、そんな城らこっちが不便だわ」
シルフィ「歴代の魔王様達は、勇者が来ないように城の至る所に罠や仕掛けを作って用意していましたが、それが味方にまで被害が出てしまっていたので、グエンになってからは、全て撤去いたしました。」
その言葉を聞いてなんだか申し訳なくなったミク達
ミク「..........なんか、ごめんなさい」
シルフィ「別に気にしないでください、お互いにレプリカによって騙された者達同志です、その鬱憤は全部レプリカにぶつけましょう」
メミル(丁寧な口調で隠しているつもりだけど、殺気が凄い)
セシル「本当に貴方達が仲間でホッとしました」
そう言って彼等は魔王城の中に入っていった。
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~魔王城中~
魔王城の中には魔物達がレプリカの所に行かせないためにもこちらに襲ってくる.....そう思っていたのだが
グエン「魔物が1匹もいない」
シルフィ「まさかあの大軍はこの近辺の全ての魔物だったという事?」
クロス「それしか考えられないだろうな、あれほどの数だ、伏兵がいたとしてもせいぜい数百匹いれば良い方だろう」
フローズ「それに、当たりを見回しても、それらしき影も形もないし、何より気配がない、空気の流れも変わってないから、とりあえずこの近辺には誰もいないわ」
ミク「て事はつまり、今ここにいる敵はレプリカだけって事?」
メミル「その可能性が極めて高いわね、でもそれならそれでこちらには好都合よ、余計な体力を使わなくて済む」
セシル「そうね、ただでさえ神経を結構を使っているからね、これで体力や魔力が消耗してしまえば、余計不利になる」
クロス「そうゆう事だ、兎に角、魔王城には仕掛けがあったらしいからな、何かの誤作動で見つけられなかった物が出てくるかもしれないし、魔物だって上位個体なら多少知恵がある、油断はするなよ」
フローズ「ええ、そうね」
そう言って慎重にしかし遅すぎず、彼らは向かって行った
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魔王城~魔王の間~
でかい扉を開けて中に入る、そこは他の王国と違って広くここで戦ったとしても充分いける広さだった。
クロス(まぁ多分俺達が本気で戦えばこの城は一瞬で瓦礫になるけどな)
そうクロスが考えていると
アリア「よく来ました、英雄クロス、英雄フローズ、剣聖ミク、聖女メミル、賢者セシル、魔王グエン、そして四天王シルフィ」
クロス「.........お前は?」
アリア「申し遅れました、私の名はアリア、その昔レプリカ様を信仰していた者です」
フローズ「!?..........て事は貴女が..........」
アリア「はい、レプリカ様がああなった原因です」
グエン「..........お前はなんとも思わないのか?」
アリア「何がですか?」
グエン「たしかにお前は人間に殺された、けどなんの罪もない人間にまで手にかけたあいつをお前はなんとも思わないのか?」
アリア「そうですね、たしかに最初こそはそう思ってましたけど、レプリカ様は私のためにやってくれていたのです。ならそれを受け入れるのが信者であり恋人である私の義務です」
平然と言うアリア、もう人間としての心がないのかもしれない。
アリア「それに罪のない人間がいないなんて、そんな事はないですよ?」
シルフィ「なんでわかるのですか?」
アリア「分かりますよ、貴方達だってわかるでしょ?」
アリア「人間によって環境は破壊され、動物達は絶滅し、空気は汚れ、人間同士で争う、この世にいる事、それ自体が罪なんですよ、だからこそ、レプリカ様はこの"世界"のために貴方達を殺しているんです、これのどこが間違っているのですか?」
ミク「.........それは」
メミル「.............」
セシル「...........」
言えない、いや、言えるわけない、だってこれは本当の事だから、いくら弁論しようとも、我々がやってきた事実は変わらない
そうやってみんなが口籠もっていると
クロス「そんな事、わかってるさ」
アリア「はあ?」
クロス「俺だってそんな事は知っているさ、いくら世界のためとか馬鹿の為とか言っているが、それも言い訳にすぎないこともない」
アリア「ふーん理解しているんだぁ、じゃあなんで私に歯向かうの?」
クロス「簡単さ、このどうしようもないクソッタレな世界で、大切な人達と笑って暮らしたいからさ」
そう言ってクロスはフローズ達を見る
クロス「死んでほしくない、隣で共に生きて欲しい人達の為に俺は戦う、どうせいつかは人間は己の積み上げた罪で死ぬ、それをお前のわがままで終わらせるわけにはいかない」
そう言ってクロスは紅き剣を出す
それに続いてフローズ達も構える
クロス「さあ、お互いの正義のために戦おうじゃないか、アリアそして..........レプリカ!」
アリア「!?..........気づいていたの私の中にレプリカ様がいる事!」
フローズ「当たり前よ」
グエン「俺達が前の世界で誰と戦ったか忘れたのか?」
シルフィ「今度こそ完全に消滅させます!」
ミク「貴方から貰った力で貴方を倒す!」
メミル「私だって、諦めるわけには行かないの!」
セシル「愛する者達のために絶対に勝つ!」
アリア「レプリカ様!行きますよ!」
レプリカ「ああ!これが最終決戦だ!!」
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開戦
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英雄クロス VS 偽神レプリカ
英雄フローズ 狂乱アリア
剣聖ミク
聖女メミル
賢者セシル
魔王グエン
四天王シルフィ
己の正義の為に今最後の戦いが始まる
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続く
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