第42話 再戦 〜勇者マンルVS英雄クロス〜

マンル「くくく、さああの時の続きを始めようか」


そう言って剣を構える、その剣は禍々しいオーラを纏い、月光の光を浴び鈍く光っている。


クロス「あのお方といい、その武器といい、どうも嫌な奴を思い出す」


そしてクロスも紅き剣に黄金のオーラを纏い闇を照らす太陽の様に煌めく


フローズ「クロス...!」


フローズ(クロスの目が鋭くなっている..........この村が危ない!)


前世の記憶で思い出し、フローズはこの村に被害が出ないように動いた。


フローズ「はあ!!!!」


フローズが声を出し、この広場全体に紅い球場が囲った


マンル「....これは」


フローズ「これでこの中の物は壊れるけど、それ以外は守れるわ」


そう言うとその場にへたれ混む


ミク「フローズ様!?」


フローズ「....平気よ...ただ、ちょっと...魔力を使いすぎただけだから...」はあはあ


クロス「すまん、フローズ」


フローズ「いいのよ、そんな事....とりあえず、彼奴を私の代わりにやっちゃって」はあはあ


クロス「ああ、わかった」


そう言ってクロスはマンルに向き直る


クロス「ミク達はフローズを守ってくれ」


ミク「わかったわ、気をつけて」


メミル「あんな奴に負けないでよ」


セシル「私達も全力で守るから」


クロス「ああ、任せとけ」


そしてミク達はフローズを連れて後ろに下がる。


クロス「......良かったのか?あそこまで好きだらけだったのに攻撃してこなかったなんて。」


マンル「くくく、ああ、僕の目的はクロス、君を殺す事それ以外は後で僕がゆっくりと身体で教えたいからねぇ」


クロス「.....どこまでもクズな奴だ....反吐が出る」


マンル「くくく、それは........」


ゆっくりと剣を構えるマンル....そして


マンル「お前の事だよ!」ダン!


地面が抉られ、あの時とは比にならないほど速かった


クロス「.......っ!」


クロスはそれを剣で止め、すかさず反撃する


マンル「遅い!」


マンルはそれをバク宙返りし交わし距離を取る


クロス「.......」


クロスは距離を縮める為前に出る、するとマンルは


マンル「遅い遅い遅い!」


と言い、クロスの背後をとる


クロス「なに!?」


マンル「遅すぎて、欠伸が出るわ!」ブン!


マンルの斬撃を止める為剣を構える....しかし


マンル「そんな程度かぁ?なぁ英雄さんよお!」


鍔迫り合いとなり、力の差でマンルが勝ち、クロスは後ろに吹き飛ぶ


クロス「チッ」だん!


綺麗に着地し最低限のダメージで抑えた。


マンル「くくく」


クロス「こいつ...本当に勇者マンルなのか?」


マンル「おいおい!どうしたこの程度か!オラオラオラ!!」


すぐに間を詰めてこちらに攻撃してくる、防戦一方の状況になりつつある。

クロスが時折反撃に出るが、その瞬間また違う所から攻撃が始まり、少しずつ敗色の色が濃くなる。


クロス「クソが!」シュン


マンル「はあ!遅い!遅い!」スカ


マンル「どうした!本気を出せよ!あの時みたいに!!」ガガガガガガガ


クロス「チィッ!」バッ


マンルに離れ体制を整える


明らかにレベルが違いすぎる、こいつは"少し"本気を出した方がいいな


クロス「わかったよ........」


そう言うとクロスはその場で深呼吸を始め


クロス「決意」


そう口にした途端

眼の色が少し紅に変わり、周りの雰囲気が変わる


マンル「!!!!????」ビリビリ


マンル(....空気が...変わった!?)ごく


クロス「本当はもっと苦しめながら痛めつけたいが、そうもいかないようだからな、少し本気を出してやる。」


マンル「...はあ?少し...だと?」


マンルは剣を握り直し矛先をこちらに見せ


マンル「すぐに本気にならなかった事を後悔させてやる!」


ニヤつきながらこちら向かってそう言う


クロス「...........」す...


しかし、クロスはその言葉を無視して剣を後ろに下げ....そして


クロス「ふん!!」ブン


目にも止まらぬ斬撃を繰り出す、しかもそれは1つではなく何回も何回でも繰り出され、気が付いた時にはマンルの目の前まで来ていた。


マンル「....っ!?」バッ


すぐに回避しようとするが、時すでに遅く、攻撃を全てモロに受ける。


マンル「ガバァ」ブシュー


その斬撃はとても鋭くマンルの体を深く抉った


マンル「ぐ....グゥゥゥ!!!」ギロッ


それでもマンルはこちらに歩いてくる男に恐怖を覚えない


マンル(僕は彼奴に恐怖し負けたんだ、こんな所で死んでたまるか!しんで......)


マンル「たまるかぁぁぁぁぁぁーーー!!!!」バッ


そう叫びながらクロスの方に向かって攻撃しに来る、それをクロスは驚く事なく


マンル「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!???」ブシュー


右腕を切る、そしてマンルは前から倒れ無くなった腕を押さえて悶絶している


マンル「ガァ...ああ...ぐううう!!」


それでもマンルはこちらを睨みつけ切れた右腕の元に行き握っていた剣を左手で、持ちフラフラしながらこちらに向かってくる


クロス「.....................」


クロス「無駄だ」


もうマンルに勝ち目などはない、それは本人もわかっているはずなのに.....何故?


クロス「やっぱり......あの方って彼奴のことか」


この様な相手をクロスは前世の世界で何回も相手して来た。


口だけのもの、腰抜け、臆病者とそんな人間達がマンルのように死を恐れず、こちらに立ち向かうようになる。

まるで人形の様な感じで。


クロス「お前、レプリカに合ったな?」


マンル「レプリカぁ?しらねぇなぁあの方は名前を言わなかった、でもかんけいねぇ、テメーはここで死ぬそれに変わることはねえ」


クロス「.....本当にお前はどうしようもない屑で、」バッ


マンル「ぼくはゆうしゃだ!誰にもモンクはいわせねぇー!オレはあなたを殺しそしてワタシはお前をおまえをオマエを!」


クロス「とても、哀れだ」


レプリカに力をもらいレプリカの人形になった者の末路は皆んな同じだった。

レプリカは腐っても神、その神の力を取り込んだ者は徐々に体がその力に対応出来なくなり、本当の傀儡.....人形になる言葉も発せずただ奴のレプリカの意のままになる。


マンル「がぁぉぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


痛みが感じなくなったのか、攻撃速度が上がり不規則な攻撃になって来ている、多分骨も折れているだろう


クロス「........お前は何がしたかったんだ?」


マンル「ウグッアぁぁ!!がぁぉ!」


血飛沫がどんどん増していく顔に血がかかる


クロス「そんな姿になって、そんな惨めな姿になっても、まだ変わらないのか?」


まるで子どもの様な、無邪気で罪の罪悪感もわからない、とても危険な思考をいつまでも捨てられないのか?


マンル「ゴフッ.....つ!おごぉぉぉ!!」


攻撃速度がどんどん遅くなっていく、それでも目はこっちを見ている


クロス「お前の様な屑は今までたくさん見てきたが、ここまで無様に堕ちる所まで堕ちると、怒りや憎しみより、お前に対する哀れみや悲しみが出てくるよ。」


こいつのこの運命は勇者に選ばれた時から....いや、レプリカに選ばれたその人生そのものが、運の尽きだったんだな。


クロス「せめて、楽に死なせてやるよ、.....じゃあな堕ちし勇者、せいぜい地獄で反省するんだな」


そう言ってクロスはマンルの心臓に剣を突き刺した


マンル「くくく、あははは!!ふひぁぁぁははは................................」


クロス「......お前は最後の最後まで無様だったな」


こうして、勇者マンルと英雄クロスの戦いは僅か30分で終わった。


————————————————————

続く

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