第19話 アルテミス、従魔登録しに行ったらギルドで伯父に出会う
迷うことなくギルドに到着した私は、早速ギルドの中に入っていく。
(アルテミス……初めてこの街に来た時に迷子になったって言っていたけど、その時もこんな感じったのかい?)
(そんなことないよ。初めて街に来たから物珍し物ばかりで、キョロキョロしていたらはぐれちゃっただけだもん)
(わかった。急にあっちに行ったり、こっちに行ったりしているうちにはぐれたんだね。まったく……)
イリスに呆れられてしまった。イリスはもう一人のお母様みたいな感じなんだよね。
(迷うのは困るけど、色んな物に興味を持つことはいいことだと思うよ。
それに僕なら空を飛べるから迷子になっても空から直ぐに見つけられるしね。
迷子探しは、ルシファーのお陰で慣れたものだしね)
(初代国王様もよく迷子になってたの?大人なのに?)
(ルシファーは、方向音痴のクセに一瞬、目を離すと何処かに行ってしまって居なくなってようなやつでね。
それで、空から捜索できる僕が迷子になったルシファーを探す役目になってたんだよね)
方向音痴なのに迷子とかヤバイね。
ルクスは懐かしそうに話してくれたけどさ。
そんな話をしているよりこの後、買い物とかたくさんしたいし登録をさっさと済ませたい私は、受付に向かった。
「すみません。アルテミスと言います。
従魔登録したいのですが、ギルマスさんを呼んで頂けますか?お父様にギルマスさんに頼んであると言われてきたのですが」
「そうですか。ギルマスに確認してくるからお父さんの名前を教えてもらえるかな」
「お父様の名前はカエサルです」
「わかりました。確認してもらうからちょっと待っててね」
そして受付嬢さんの指示で、ギルマスさんに確認しに行った職員さんがエルフの男性を連れて戻ってきた。
エルフだし、お父様も頼んであるって言っていたからギルマスさんは、お父様と親しいのだろう。
そしてお父様や私の事情も知っているに違いない。
「君がカエサルの娘なんだね。はじめまして、ミサンの街のギルドマスターをしているアザゼルだ。
そしてカエサルの兄で、君の伯父さんだよ」
何と!ギルマスさんは、お父様のお兄様だった。
お父様のお兄様ということは、本来はお父様ではなくアザゼル伯父様が国王になるはずだったはずだ。何か事情があるのかな?
「色々と話しは聞いているから私の部屋で従魔登録をしようね。着いてきてくれるかな。
私のことも気になっているみたいだから部屋で話をしてあげるよ」
そう言われたので、私はギルマスであるアザゼル伯父様についていき、ギルマスの部屋に向かった。
アザゼル伯父様は、部屋のドアを閉めるとルクスに頭を下げた。
「お久しぶりです。ルクス様。アルテミスと契約なされたそうで、国を出た私がルクス様にまたお会い出来たこと光栄に思います」
(僕もアザゼルに会えてうれしいよ。あと敬称はいらないよ。カエサルも敬称なしで呼んでくれているしね)
「滅相もございません。カエサルには、注意しておきます」
(僕がそうしてって頼んだんだし、怒らないであげてね。アザゼルもそうしてくれるとうれしいな)
「善処します。ルクス様」
うん。お父様と違って、アザゼル伯父様はルクスを敬称なしで呼ぶまでに時間かかりそうだね。
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